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SaaSの価格体系まとめ|代表例と共にメリット・デメリットを解説

2021/01/23 (更新日:2021/09/21)

SaaSにおける価格体系の特徴・メリット・デメリットを代表例を挙げながら、解説します。それぞれの価格体系の特徴を踏まえて、各事業者様が価格を設定する際に役に立てば幸いです。


プライシングスプリント

今さら聞けないSaaSとは?

SaaS(Software as a Service)とは、電子メールやカレンダー、スケジュール管理、ドキュメント作成、人事・給与・勤怠・労務管理、プロジェクト管理などのアプリケーションをインターネット経由で提供するサービスです。完全無料のSaaSもありますが、多くの場合ユーザーは利用料を支払って利用します。

では、SaaSには実際にどのような価格体系が存在するのでしょうか。

SaaSの4つの代表的な価格体系

SaaSの価格体系は基本的にサブスクリプションになっており、中でも4種類の価格体系に分類されます。それは、

・単一価格モデル

・複数パッケージ価格モデル

・従量課金モデル

・フリーミアム

の4つです。

事業を成長させるためにも価格体系を把握しておくことはとても重要です。次はそれぞれの料金モデルについて詳しく解説していきます。

1. 単一価格モデル

単一価格モデル(Flat rate pricing model)は、サービスに対して料金体系が1つである価格体系です。

全てのユーザーに対して単一の製品・機能・価格を提供するため、SaaSの価格体系の中でも最もシンプルなものになります。

例えば、ターゲットセグメントが画一的であったり、機能や価値が単一化されているシンプルなサービスで利用されます。また、事業ニーズがあるかを仮説検証しやすいという観点から、PMFが優先されるシード(新規事業フェーズを含む)・アーリーステージなどで利用されることが多いです。

一方で、幅の広い顧客層のニーズに1つのプランで応えるということは難しく、SaaSの価格体系としてあまり多くは見受けられません。

メリット

  • シンプルでわかりやすい
  • 事業ニーズがあるかを仮説検証しやすい

デメリット

  • 幅広いユーザーのニーズに応えることが困難
  • 売上の向上が困難

2. 複数パッケージ価格モデル

複数のパッケージ(いわゆる「プラン」のこと)を提示する、SaaSで広く取り入れられている価格体系です。さまざまなニーズに対応でき、顧客ごとの売上最適化に近づきます。

また、質の高い機能や多くのストレージを提供する必要がある顧客に対して、価値に見合った金額を受け取ることができることから、利益を増加させることが可能です。

一方で、選択肢が多すぎたり、プランの差が複雑だと顧客にとって検討事項が増えてしまい、購入障壁を高めることにつながるため、顧客ニーズに合致した選択肢を3つ程度に留めるように注意が必要です。

メリット

  • 幅広いニーズに対応できる
  • 利益増につながる

デメリット

  • 顧客ニーズに合致した価格設定のバランスが難しい

複数パッケージ価格モデルの種類を紹介します。

1.段階的なユーザーモデル(Tiered user model)

段階的なユーザーモデル(Tiered user model)とは、利用できるユーザー数の違いによって、価格を複数設定するモデルです。利用機能に違いを作りにくいが、1社で利用する人数が多いサービスで設定される場合が多いです。

2.段階的なストレージモデル(Tiered storage model)

段階的なストレージモデル(Tiered storage model)とは、利用できるストレージの量にもとづき、価格を複数設定するモデルです。ストレージサービスなど、使用可能な量に沿って利用価値が上がるサービスに多い価格体系です。

3.機能別モデル(Feature based model)

機能別モデル(Feature based model)とは、顧客が利用可能な機能に応じて、複数の料金プランを設定するモデルです。顧客のペルソナと必要とされる機能の把握ができていると設定しやすく、使用できる機能の数が多くなるほど価格は高くなります。

3. 従量課金制

従量課金制は、ユーザー数や使用時間などの利用した“量”に“従”って課金する、価格体系です。顧客目線だと「使った分だけお金を払う」仕組みになります。

ユーザーの使用状況に応じて単価が確定し、請求されるため、金額に対する顧客の納得を得やすくなります。また、ユーザーの利用状況によっては、一定の金額で使い放題の場合と比べ、より多くの金額を請求できるため収益の最大化につながります。

一方、サービス利用前に課金タイミングを設置できない点や、事前に収益予測をする難易度が上がる点が難点となります。

メリット

  • 顧客の納得を得やすい
  • 収益を最大化させやすい

デメリット

  • 前払いをしてもらえない
  • 事前に収益予測ができない
  • 利用を控えられる可能性がある


従量課金制の種類を紹介します。

1.使用量課金

使用量課金は、特定の機能を利用した回数や保存できるデータの量、アクセスできるストレージの量など、サービスの何かを利用・アクセスした量に応じて課金されるモデルです。

Datadog(データドッグ)

使用量課金型の従量課金モデルの代表例として、監視アプリケーションサービスを提供するデータドッグが挙げられます。

次の画像のようにデータドッグが提供するリアルユーザーモニタリングのサービスでは1マンセッションごとに課金される仕組みになっています。

(出典:Datadog)

2.成果報酬型

成果報酬型は、成果が発生した場合に課金されるモデルです。例えば、採用媒体で人材を獲得した場合に課金が発生する場合はこれに該当します。

月額利用料に加えて成果報酬が発生するサービスもあれば、月額利用料はなく成果報酬のみ発生するサービスもあります。

BIZREACH(ビズリーチ)

成果報酬型の従量課金モデルとして転職支援サービスを提供するビズリーチが挙げられます。

ビズリーチではシステム利用料に加えて、入社した際の成功報酬が発生します。

(出典:ビズリーチ)

3.ユーザー課金

ユーザー数課金は、顧客企業に付与したアカウントの数に応じて単価が上がるモデルです。顧客の利用アカウント数が増える度に、自動で単価が増加するため、追加営業やパッケージの変更なく売上を増加させることが可能になり、使い方次第では非常に強力な収益増加のドライバーになります。

Salesforce(セールスフォース)

ユーザー課金型の従量課金モデルを用いている企業の代表例として、顧客管理クラウドで有名なセールスフォースが挙げられます。

セールスフォースでは次の画像のように、価格表には1ユーザーごとの金額が表示されており、サービスを使う使うユーザーの数によって金額が変わるのです。(出典:Salesforce)

4.アクティブユーザー課金

ユーザー課金モデルの場合は、サービスの利用状況に関わらず料金が発生する一方、アクティブユーザー課金モデル(Per active user pricing)は、サービスを利用していないアカウントには料金が発生せず、過去のログイン履歴などを参照し、サービスを利用しているアカウント数のみに料金が発生するモデルです。

ユーザー課金よりも単価を抑えやすいぶん、顧客に好まれやすいというメリットがある反面、収益や業務内容、コスト面で様々な懸念点があるため、自社の状況をしっかりと鑑みて実施することが望ましくなります。

Slack(スラック)

アクティブユーザー課金型の従量課金モデルを用いているサービスとして、ビジネス用メッセージングアプリのスラックが挙げられます。

実際は次の画像のようにアクティブユーザーの数が全体の金額に換算されます。(出典:Slack)

スラックでは自社サイト上にて次のように表記しています。

「企業向けソフトウェアの料金プランではほとんどの場合、チームのユーザー数をもとに請求が行われ、ソフトウェアを実際に使用しているユーザー数は考慮されません。しかし、Slack では実際に利用した分のみの料金が請求されるので、Slack を使用していないメンバー分の料金を支払うことはありません。」

(出典:Slack help center)

4. フリーミアム

フリーミアムとは、無料プランと有料プランの2つの段階に分類し、運用する価格体系です。顧客は、基本的な機能を無料で利用できますが、機能や容量などを追加して利用する際に課金が必要になります。

フリーミアムを使うことで、顧客は無料でサービスを利用できることから、導入ハードルを大きく下げることが可能です。フリーミアムを正しく運用することで、顧客獲得単価を下げ、大幅な顧客数増加のドライバーにできます。

一方、設計を間違うと、収益化の難易度が格段に上がるため、注意が必要です。また、カスタマイズ性が高く、カスタマーサクセス工数が多くかかるようなサービスでは、採算が合わず、適応は難しくなります。

メリット

  • 顧客獲得が容易
  • サービス理解が促進されやすい
  • 有料化が必要なタイミングに、やめにくくなっている

デメリット

  • 収益化の難易度が高い
  • カスタマイズ性が高いサービスでは、採算が合わない

まとめ

SaaSの価格体系として、単一価格モデル・複数パッケージ価格・従量課金制・フリーミアムを紹介しました。

価格・プライシングに関してお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。

プライスハック監修

執筆者

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役社長

これまでリクルートをはじめとする大手企業から中小企業まで数十サービスの価格決定を支援。また、公的機関、学会、雑誌などへのプライシングに関する論文提出や講演会、寄稿などを通じ、プライシングに対するノウハウを積極的に発信。慶應義塾大学在学中に起業。

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(この記事は、プライシングスタジオ 高橋 嘉尋のnoteを再構成して転載しています) 料金表のトレンドを知っておくことは、自社の料金表を検討する際、非常に重要なことであると考えています。そこで、今回は国内のB2Cサブスクリプションサービスのトレンドをご紹介しようと思います。是非お付き合いください。 調査対象2 契約期間の状況3 料金プランの種類4 オプション課金の有無4.1 利用量追加オプション4.2 機能追加オプション5 ディスカウントの有無5.1 期間で割引を行う企業は95%6 まとめ 調査対象 今回は、国内サービスで、資本金3億円以上、ARR(年間経常収益)2億円以上の1つ以上にに該当する企業200社に絞って調査を行いました。主な領域は以下になります。 契約期間の状況 まず、契約期間についてです。 今回調査した企業のうち、80%の企業では1ヶ月契約のみのプランが採用されているようです。自動更新にしている場合がほとんどですが、年間契約が少ないのはB2Cサービスならではの傾向と言えるでしょう。 逆に年契約のみのサービスは、サービス利用にはモノが必要で製造原価が大きくかかり、長期間契約されないと利益が出ない構造になっているビジネスにおいて採用されていました。アプリケーションなどの、いわゆるインターネットサービスにおいては1ヶ月契約が主流となるようです。 Ex)キリン ホームタップ (出典:キリンホームタップ) 料金プランの種類 料金プランの種類を見ていくと業界毎に傾向が別れました。そこで、料金プラン毎に考察していきます。 【単一プランが多い業界】 飲食、オンラインレッスン、ナビ、音楽、書籍、動画、ヘルスケア、レシピ、医療、見守り、専門家相談、ニュースなど Ex)ディズニープラス 【段階利用量プラン X 機能別プランが多い業界】 ファッション、不動産 Ex)ブリスタ (出典:Brista) 機能(今回の場合は借りられる服の数)に加え、ポイントの購入で追加利用ができるサービスがこれに該当します。このモデルはサブスクリプションのストック収益に加え、購買意欲の高い層からより多くの収益を得ることができるモデルのため、工夫次第では大きな武器になります。ただし、あくまでも通常のプランにユーザーが満足していることが大切になります。 他にも、年齢によって価格を変えたり(主に音楽業界)、性別によって変えたり(主にマッチングアプリ)、Netflixのようにアカウント数で料金を変えたりと、支払い意欲が異なるセグメント毎にプランを分けたり、顧客が価値を感じてくれている変数に基づいて価格を変えたりする企業も散見されました。 Ex)AWA (出典:AWA) このように、顧客のWTP(支払い意欲)が異なるセグメントの特定や、WTPに影響を与える変数を私たちはプライスレバーと呼んでいますが、これを特定することがサブスクリプションのプライシングを考える上で、非常に重要になります。 オプション課金の有無 次に課金オプションの有無について調べてみました。最初に採用率について調べたところ、次のようになりました。 驚くべきことは、91%の企業がオプションによる課金を採用していないことです。サブスクリプションビジネスは、価格体系がシンプルが故に、全ての顧客セグメントのニーズに対応できない場合が多いです。オプション課金は、多くのニーズに対応することができるかつ、客単価アップに繋がるため、多くの企業に検討の余地がありそうです。 Ex)AmazonPrime Video チャンネル内で月額499円支払うことで、1950~90年代の懐かしの特撮ヒーロー等の作品を視聴できる「マイ★ヒーロー」は、子ども向けのコンテンツを必要としており、そのためにはもっとお金を支払ってもいいと考えている顧客セグメントの単価アップに成功しました。これはオプション課金の好例と言えるでしょう。 一方、オプションを採用している9%の企業は新たな機能の追加による課金(以下、機能追加オプション)と、利用量による課金(以下、利用料追加オプション)の二種類となっていました。 利用量追加オプション 利用量追加オプションは、月額料金で決められた範囲内で利用し放題、範囲を超える分に対し、追加で課金が発生するオプションです。 Ex)港区自転車シェアリングの月額会員 延長料金 (出典:港区自転車シェアリング) ちなみに、利用量追加オプションはモビリティサービスやマッチングサービスなどの業界に採用されていました。 機能追加オプション 機能追加オプションは、月額利用料に加え、追加で課金することで、他の会員が利用することができない機能を利用することが可能になるオプションです。アプリ内のアイテムが買えるポイントを購入する場合もこれに該当します。 Ex)Omiaiのポイント (出典:Omiai) 機能追加オプションはマッチングサービスなどで採用されているようです。 ディスカウントの有無 最後に割引について調べて見ました。まずは採用率です。 割引は全体の30%の企業が採用しているようです。 期間で割引を行う企業は95% 割引は14日間無料といったような一定期間で割引が適応されるものと、連携サービスの利用をすることで適応されるものの二種類あるようです。 Ex)連携サービスによる割引の例 ウェザーニュース (出典:ウェザーニュース) ちなみに、ほとんどの場合において、一定期間での割引が採用されています。 ちなみに、期間で割引を行う企業は、どのくらいの期間で採用しているのでしょうか。次は期間ごとの割引の比率について調べてみました。 このように、割引を実施している企業のうち67%の企業が初月の割引を採用していました。最後に補足で、最初の2週間や2ヶ月など、初月以外の期間で割引を行う企業の割引日数の平均を出してみたところ、19.9日になりました。初月以外だと、2-3週間の割引が平均となるようです。 まとめ 今回は国内サブスクサービスの料金トレンドについて考察しました。実は、業界によって、面白い特徴もたくさんあるようです。 プライシングによって皆様の事業成長が、より加速することを願っております。価格についてのご相談はお気軽にプライシングスタジオまで宜しくお願い致します。

BI(ビジネスインテリジェンス)ツール業界の料金体系比較まとめ調査・価格設定...

2021/05/22

この記事では、BI(ビジネスインテリジェンス)ツール業界における各社の価格調査および価格設定に関する考察をおこないます。 BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは2 BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格・料金体系の概要3 BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格体系比較4 BIツールでよく使われている価格体系5 単一価格モデル5.1 概要6 複数パッケージ価格モデル6.1 概要7 BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格体系に関する考察7.1 月額料金は複数パッケージ価格モデルを推奨7.2 無料トライアルを推奨8 プライシングを適正化するためには BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは BIツールとは、日々企業に蓄積されるデータを分析し、意思決定に活用することを助けるシステムです。BIは「Business Intelligence」の略語で、組織のデータを収集・蓄積・分析して可視化することで、経営上の意思決定に役立てる技術や手法を指します。 近年は「データドリブン経営」や「データドリブン・マーケティング」に注目が高まっており、BIツールは、こうしたデータを活用した経営やマーケティングを支援するツールです。BIツールは可視化・分析・計画までをツール上で可能にするため、次のような機能が備わっています。 機能 概要 レポーティング 必要なデータを抽出し、見やすいようにまとめて表示する OLAP分析 蓄積したデータを分析処理し、データの要因を深堀り特定する データマイニング 蓄積したデータに対して統計的な処理を行い、有益な情報を引き出す プランニング 過去のデータをもとに、計画のシミュレーションを行う BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格・料金体系の概要 BIツールは、主に月額制の利用料金を設定しています。その中でも「単一価格モデル」「複数価格モデル」という2つの価格体系が設定されています。さらに、無料でサービスを試用できる体系として、無料トライアルが設定されています。 SaaSの価格体系まとめ|代表例と共にメリット・デメリットを解説 SaaSにおける価格体系の特徴・メリット・デメリットを解説します。それぞれの価格体系の特徴を踏まえて、各事業者様が価格を設定する際に役に立てば幸いです。…… BIツールと似た料金体系を採用している業界には、採用管理システムやMAが挙げられます。契約した企業ごとの価格になる理由として、一部の部署でしか利用しないシステムはユーザー数が増えることが見込みにくいからです。 採用管理システム(ATS)業界の料金体系比較まとめ調査・価格設定の考察 採用管理システム(ATS)業界における各社の価格調査および価格設定に関する考察をおこないます。…… BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格体系比較 現在、公開されているBIツールの価格一覧は以下の通りです。 サービス名 月額料金 価格体系 無料 トライアル ボリューム ディスカウント Data Knowledge 500,000円〜 単一価格モデル(※1) ◯ ー Canbus 10,000円〜 複数パッケージ価格モデル ◯ ー GoodDate 40,000円〜 複数パッケージ価格モデル ◯ ー Zoho Analytics 2,700円〜 複数パッケージ価格モデル ◯ ◯ (※1)追加オプション機能は、従量課金モデル×複数価格モデル (調査日:2021年4月2日) BIツールでよく使われている価格体系 BIツールにおいては、従量課金モデルと複数パッケージ価格モデルの2種類の価格体系が採用されています。 単一価格モデル 概要 単一価格モデル(Flat rate pricing model)とは、サービスに対して料金体系が1つであるサブスクリプションモデルです。全てのユーザーに対して単一の製品・機能・価格を提供するため、SaaSの価格体系の中でも最もシンプルなものになります。例えば、ターゲットセグメントが画一的であったり、機能や価値が単一化されているシンプルなサービスで利用されます。 また、事業ニーズがあるかを仮説検証しやすいという観点から、PMFが優先されるシード(新規事業フェーズを含む)・アーリーステージなどで利用されることが多いです。 複数パッケージ価格モデル 概要 複数のパッケージ(いわゆる「プラン」のこと)を提示する、SaaSで広く取り入れられている価格体系です。さまざまなニーズに対応でき、顧客ごとの売上最適化に近づきます。また、質の高い機能や多くのストレージを提供する必要がある顧客に対して、価値に見合った金額を受け取ることができることから、利益を増加させることが可能です。一方で、選択肢が多すぎたり、プランの差が複雑だと顧客にとって検討事項が増えてしまい、購入障壁を高めることにつながるため、顧客ニーズに合致した選択肢を3つ程度に留めるように注意が必要です。 BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格体系に関する考察 BIツールのプライシングにあたっておすすめしたい価格体系は次のモデルです。 月額料金は複数パッケージ価格モデルを推奨 BIツールには、複数パッケージ価格モデルが推奨されます。複数パッケージ価格モデルは、複数の価格帯で提供することで、複数の顧客セグメントに対してのニーズを満たすことが可能です。例えば、個人向けのサービスであれば、ユーザーの利用頻度や利用量、法人向けのサービスであれば、大企業か中小企業かで、セグメントごとに価値と合う価格で提供できます。 また、貯めるデータ数が多いほど利用価値が高まるため、データ数や連携できるシステム数の上限をパッケージの区分とするのが推奨されます。 複数パッケージ価格モデルとは?メリット・デメリット・導入企業例【SaaS価格体系】 複数パッケージ価格モデルは2つ以上の料金プランを提供する価格体系です。複数のプランを用意することで、顧客のニーズに応じた料金を提示することができるため、SaaSの中でも主要な価格体系になります。…… 無料トライアルを推奨 無料トライアルを採用している企業が多く、無料トライアルを提供している企業に潜在的な顧客が流れてしまう恐れがあります。業界で確固たる地位がない限り、無料トライアルでまずは使ってもらうようにすることが大切でしょう。 無料トライアルとよく混同されるフリーミアムですが、BIツールにおけてフリーミアムは相性が悪いです。フリーミアムは、基本的な機能を無料で利用できるものの、機能や容量などを追加して利用する際に課金が発生します。多岐にわたる分析の過程で適切に制限をかけることは難しく、価値を正しく理解されない場合が多いためです。 フリーミアムとは?メリット・デメリット・導入企業例【SaaS価格体系】 SaaSの価格体系のうちの1つ、フリーミアムについて、無料トライアルとの違い、メリット・デメリット、事例などを解説します。…… プライシングを適正化するためには ここまで、BIツールに最適な価格体系について考察してきました。最適なプライシングは、大きく3つの要素から決まります。 ①顧客:顧客は誰か、顧客は自社の製品の何に価値を感じるか(ある機能、ユーザー体験、外部ツール連携など)、顧客セグメント(SMB、エンタープライズなど)によって支払意欲は大きく変わります。どんな顧客の課題を解決するために生まれたプロダクトか、現在の顧客はどのような属性かといった内容をプライシングに反映させる必要があります。 ②競合:誰が競合なのか、競合はいくらで提供しているか、競合との価値の違いは何かを把握する必要があります。SaaSにとっては、同じSaaSの競合の他、買い切りソフトウェアや代替サービスも競合となるので注意が必要です。 ③コスト:販売するほど生まれるコストはいくらか、販売量によってコスト構造は変わるかを検討します。SaaSにとっては、開発コストの他、カスタマーサクセスのコストを検討する必要があります。 これらの要素は、絶えず行われる機能アップデートや、大型ファイナンスによる積極的なマーケティング、組織拡大などから日々変化します。理想は四半期に一度、少なくとも半期に一度は、価格改定をするべきです。米国では約40%のSaaSスタートアップが少なくとも半期毎に価格を見直しているというデータもあります。 今こそ見直すSaaSのプライシング戦略 価格調査分析から決め方まで徹底解説 SaaSプライシングの要点を解説したセミナーが開催 SaaS/サブスクビジネスにおける価格戦略は、事業成長に影響する非常に重要な要素である一方で、設定や適正化、タイミングが難しい。こうした問題に頭を…… 社内で画一化された分析手法を確立し、迅速な意思決定ができる体制を構築する必要があるでしょう。それには、プライシング分析の専任者を採用するか、プライシングの分析ツールを導入するのが最も効果的です。実際のところ、国内スタートアップでは、まだまだ価格分析におけるアプローチが浸透していないのが現状で、専任者の採用は困難を極めます。費用的にも圧倒的にお得なPricing Sprintなどのプライシングの分析ツールが最も手軽なアプローチといえるでしょう。 戦略的なSaaSプライシングを実践したい方は、無料ホワイトペーパーをご一読いただくか、プライスハックまでお問い合わせください。