チャットボット業界の料金体系比較まとめ調査・価格設定の考察
2020/12/26
この記事では、チャットボット業界における各社の価格調査および価格設定に関する考察をおこないます。
チャットボットとは2 チャットボット業界の市場規模3 チャットボットの価格・料金体系の概要4 チャットボット業界の価格体系比較4.1 初期費用が設定されている理由4.2 フリーミアムと無料トライアル4.3 月額料金における複数機能パッケージ5 チャットボットの価格体系に関する考察5.1 初期費用は非推奨5.2 サービス提供している企業の負担が低い場合はフリーミアムを推奨5.3 月額料金はユーザーごとの従量課金が推奨6 プライシングを適正化するためには7 まとめ
チャットボットとは
チャットボットとは「会話(chat)」と「ロボット(bot)」を組み合わせたもので、チャットボットを導入した企業のウェブサイトなどに訪れた人とチャットツール上で自動で答えを返すサービスです。
チャットボット業界の市場規模
株式会社ITRの調査によると、チャットボットは2019年度に100億円を突破しています。2024年度まで年平均成長率は20%と、今後も強い成長が見込まれます。
出典:株式会社ITR調査
チャットボットの価格・料金体系の概要
チャットボットは、月額料金制で「機能数によって値段が変動する複数パッケージモデル」の価格体系が設定されています。
また、一部のサービスでは設定費用として初期費用を設定している場合がありますが、チャットボット業界の中では一般的ではありません。
無料でサービスを試用できる体系として、フリーミアム・無料トライアルが設定されています。
チャットボットと似た料金体系を採用している業界としては、マーケティングオートメーションなどがあげられますユーザーごとの従量課金制が設定されにくい理由として、一部の部署でしか利用しないシステムはユーザー数が増えることが見込みにくいためです。
チャットボット業界の価格体系比較
サービス名
月額料金
価格体系
初期費用
無料トライアル
minarai
50,000円〜(※1)
複数価格
フリーミアム
ー
ー
sAI Chat
80,000円〜(※1)
複数価格
300,000円
ー
ENOKI
100,000円〜(※1)
複数価格
ー
◯
Chai
4,980円〜(※2)
複数価格
ー
ー
DialogPlay
50,000円〜(※2)
複数価格
ー
◯
CHORDSHIP
500,000円〜(※2)
複数価格
ー
ー
QA ENGINE
300,000円〜(※1,2)
複数価格
ー
ー
スグレス
94,000円〜
複数価格
500,000円
ー
※1:登録できるFAQの上限数によって、プランが区分される
※2:対応できるチャット数の上限数によって、プランが区分される
(調査日:2020年12月15日)
初期費用が設定されている理由
初期費用は一般的に初期費用はシステムを導入しても活用できなかった場合にも売上が回収できるようにするために設定されています。
フリーミアムと無料トライアル
minarai CS Chatでは、チャットボットを作成し顧客のサイト上で利用可能できるが、その対話結果を確認ができない形でフリーミアムを提供しています。ENOKIとDialogPlayは一定期間試用できる無料トライアルが設定されています。
月額料金における複数機能パッケージ
チャットボット業界の複数機能パッケージは主に「サイト訪問者の質問に受け答え可能なFAQのパターン数の上限」と「サイト訪問者とチャットボットのチャットできる数の上限」の2つでプランを区分しています。
チャットボットの価格体系に関する考察
初期費用は非推奨
チャットボットでは初期費用の設定は通例的ではなく、導入検討時にユーザーが割高に感じ足切りする可能性を高めるため、収益性を改善するには初期費用を設定するよりはその他の料金の値上げを推奨します。
サービス提供している企業の負担が低い場合はフリーミアムを推奨
フリーミアムは、リード獲得を目的とする他に、ユーザーがサービスに価値を感じるまでの期間の利用を促進し、有料プランへアップセルさせるという重要な目的を持っています。
そのため、無料トライアルでは有料プランへアップセルする前に離脱してしまう可能性があるため、フリーミアムが推奨されます。
ただし、チャットボットのトライアル運用であっても、顧客ごとのカスタマイズが必要で、企業側の負担が大きい場合はフリーミアムの運用は推奨されません。
月額料金はユーザーごとの従量課金が推奨
複数機能パッケージを設定していく中で「サイト訪問者の質問に受け答え可能なFAQのパターン数の上限」と「サイト訪問者とチャットボットのチャットできる数の上限」のどちらが適切なのかは一概には言えません。ターゲットとする顧客層によって「多くのFAQを必要とするのか」「多くのチャット数を必要とするのか」などサービスのどこに価値を感じているのかに合わせて設定するべきです。
プライシングを適正化するためには
これまで業界全体の価格体系について解説してきました。しかし、これはあくまで現在のトレンドであり、日々の変化に対応していく姿勢が大切になります。また、価格体系はあくまでプライシング戦略の表現方法です。
プライシングは、売上最大化や顧客数最大化などに最も効果的な手段です。自社のビジョンを考えた際、今何が必要なのかを適切に把握し、それに合わせた価格戦略を検討しましょう。
以下の記事を読めば、どんな価格戦略を実行すればいいかがわかると思います。それを踏まえて、価格戦略を策定し、この記事で解説した価格体系という表現方法を検討してみてください。驚くほど、数字に結びつくでしょう。
SaaSプライシング戦略|SaaS事業に適した価格戦略
SaaS業界でプライシングが注目されているわけ
近年、SaaS業界におけるプライシングに対する注目度は、他の業界と比べ異常なほど高いです。理由は簡単で、海外VCを中心にプライシングの重要性、その効果……
まとめ
チャットボットでは、月額料金は複数パッケージモデルで、プランの区分として「サイト訪問者の質問に受け答え可能なFAQのパターン数の上限」「サイト訪問者とチャットボットのチャットできる数の上限」が設定されています。一部のサービスでは初期費用・無料トライアル・フリーミアムが設定されています。
また、各料金体系に関しては下記のような設定が推奨されます。
初期費用は設定せずその他の料金に反映
月額料金はターゲットによって複数パッケージモデルのプランを設定
サービス提供している企業の負担が低い場合はフリーミアムを推奨
価格に対して、お悩みの事業者様は一度、プライスハックにお問い合わせください。