SaaSの価格体系の従量課金制のなかで利用されるユーザー課金モデル(Per User Pricing)について紹介します。
目次
ユーザー課金モデル(Per User Pricing)とは
ユーザー課金モデル(Per user pricing)とは、ユーザーの使用状況に応じて単価が決まる従量課金の一種の課金体系で、顧客に対し発行(付与)したアカウント数にもとづいて料金が発生します。
ユーザー課金モデルを設定している例としては、Microsoft 365があげられます。「Business Basic」では1人あたり月額540円で、「Business Standard」では1人あたり月額1,360円で、「Business Premium」では2,180円でサービスを提供しています。
ユーザー課金モデルのメリット
ユーザー課金モデルのメリットは次の2点です。
顧客の成長に伴い売上が拡大する
顧客の利用アカウント数が増える度に、自動で単価が増加するため、追加営業やパッケージの変更なく売上を増加させることが可能になります。
追加営業やパッケージの変更による単価のアップは、解約意思決定の余地を与えるきっかっけにもつながるため、ユーザー課金モデルの導入は顧客との摩擦を生みにくい単価アップ施策と言えるでしょう。
価格体系がシンプルなので顧客が理解しやすい
ユーザー課金モデルのSaaSは、「サービスを利用する従業員数×価格」で月にかかる固定費を簡単に計算することが可能です。そのため、ユーザー課金モデルのSaaSを販売する営業は、顧客にいくらかかるかを伝えやすくなります。
ユーザー課金モデルのデメリット
ユーザー課金モデルのデメリットは次の2点です。
アカウントを共有される可能性がある
利用アカウント数が増えるにつれて単価が上がるため、一部の顧客はアカウントを共有して支払金額を低く抑えようとします。そのため、社内でアカウント共有をしてもサービス利用に支障がないものは、ユーザー課金モデルに適していません。
アカウント数に比例して利用価値が高まらないサービスではメリットが発揮されない
利用アカウント数が増えることで価値が高まらないサービスにユーザー課金モデルを設定しても売上の向上は期待できません。社内で利用する人が増えれば増えるほど、サービスの価値が増大するサービスと相性がいいモデルといえます。
ユーザー課金モデルに向いているサービス・不向きなサービス
サービスの価値がユーザー数に直結しているかどうかが、ユーザー課金モデルを設定するべきかを見極めるポイントになります。
ユーザー課金モデルに向いているサービス
チャットワークのようなビジネスチャットや、楽楽精算のような経費精算システムなど企業全体で利用することで業務効率化が図れるサービスではユーザー数が増えることでサービスの価値が高まります。そのためユーザー課金モデルを設定することで安定した売上が見込めます。
ユーザー課金モデルに不向きなサービス
採用管理システムや、チャットボットのようにサービスを数人でのみ利用するようなサービスではユーザー数が増えることで価値が高まるわけではありません。そのためユーザー課金モデルを設定しても売上を作りにくくなります。
ユーザー課金モデルを検討する際は、サービスの開発状況や特性に応じて、適切に検討することが大切になります。
まとめ
価格体系の1つであるユーザー課金モデルは利用アカウント数ごとに料金が発生する価格体系です。顧客あたりの単価を上げやすい、顧客が金額を理解しやすいというメリットがある反面、アカウント共有される可能性がある、アカウント数に比例して利用価値が高まらないサービスではメリットが発揮されない、といった2つのデメリットがあります。
企業全体で利用することで業務効率化が図れ、価値が高まるサービスに向いている価格体系である一方、一部の部署で数人が利用するようなサービスには不向きです。
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ユーザー課金モデルを設定している例としては、Microsoft 365があげられます。「Business Basic」では1人あたり月額540円で、「Business Standard」では1人あたり月額1,360円で、「Business Premium」では2,180円でサービスを提供しています。
ユーザー課金モデルのメリット
ユーザー課金モデルのメリットは次の2点です。
顧客の成長に伴い売上が拡大する
顧客の利用アカウント数が増える度に、自動で単価が増加するため、追加営業やパッケージの変更なく売上を増加させることが可能になります。
追加営業やパッケージの変更による単価のアップは、解約意思決定の余地を与えるきっかっけにもつながるため、ユーザー課金モデルの導入は顧客との摩擦を生みにくい単価アップ施策と言えるでしょう。
価格体系がシンプルなので顧客が理解しやすい
ユーザー課金モデルのSaaSは、「サービスを利用する従業員数×価格」で月にかかる固定費を簡単に計算することが可能です。そのため、ユーザー課金モデルのSaaSを販売する営業は、顧客にいくらかかるかを伝えやすくなります。
ユーザー課金モデルのデメリット
ユーザー課金モデルのデメリットは次の2点です。
アカウントを共有される可能性がある
利用アカウント数が増えるにつれて単価が上がるため、一部の顧客はアカウントを共有して支払金額を低く抑えようとします。そのため、社内でアカウント共有をしてもサービス利用に支障がないものは、ユーザー課金モデルに適していません。
アカウント数に比例して利用価値が高まらないサービスではメリットが発揮されない
利用アカウント数が増えることで価値が高まらないサービスにユーザー課金モデルを設定しても売上の向上は期待できません。社内で利用する人が増えれば増えるほど、サービスの価値が増大するサービスと相性がいいモデルといえます。
ユーザー課金モデルに向いているサービス・不向きなサービス
サービスの価値がユーザー数に直結しているかどうかが、ユーザー課金モデルを設定するべきかを見極めるポイントになります。
ユーザー課金モデルに向いているサービス
チャットワークのようなビジネスチャットや、楽楽精算のような経費精算システムなど企業全体で利用することで業務効率化が図れるサービスではユーザー数が増えることでサービスの価値が高まります。そのためユーザー課金モデルを設定することで安定した売上が見込めます。
ユーザー課金モデルに不向きなサービス
採用管理システムや、チャットボットのようにサービスを数人でのみ利用するようなサービスではユーザー数が増えることで価値が高まるわけではありません。そのためユーザー課金モデルを設定しても売上を作りにくくなります。
ユーザー課金モデルを検討する際は、サービスの開発状況や特性に応じて、適切に検討することが大切になります。
まとめ
価格体系の1つであるユーザー課金モデルは利用アカウント数ごとに料金が発生する価格体系です。顧客あたりの単価を上げやすい、顧客が金額を理解しやすいというメリットがある反面、アカウント共有される可能性がある、アカウント数に比例して利用価値が高まらないサービスではメリットが発揮されない、といった2つのデメリットがあります。
企業全体で利用することで業務効率化が図れ、価値が高まるサービスに向いている価格体系である一方、一部の部署で数人が利用するようなサービスには不向きです。
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