サブスクリプションは、近年さまざまな業界で段々と取り入れられています。目新しいもののように考えられることが多いですが、実は時価総額トップ企業30社のうち、14社がサブスクビジネスを事業の一部に導入しています。
今回はそのサブスクリプションで成功している企業の事例とその成功要因について解説します。
目次
サブスクリプションビジネスの現状
世界トップ企業の約半分が導入
驚くべきことに時価総額トップ企業30社のうち、14社でサブスクビジネスが導入されています。(2021/5/6現在)
さらにトップ10社に絞れば8社が導入しており、今後は様々な業界で導入が進んでいくと予想されます。
事例紹介
Amazon
Amazonが導入しているサブスクサービスは、クラウド上にサーバーがあり、それをレンタルするAWSという企業向けのサービスと、書籍、動画が見放題、配送料が安くなるAmazon Primeという個人向けのサービスの2種類があります。
Apple
Appleの導入しているサブスクサービスは、音楽が聴き放題のApple Musicやゲームがプレイし放題のApple Arcadeのような個人に向けたサービスがメインになっています。
ネットフリックス
ネットフリックスは時価総額トップ30社の中に入ってはいませんが、サブスクリプションで成長し続けている企業です。こちらも動画見放題サービスを提供しています。
Googleは企業向けにクラウド経由で共同作業がしやすい環境を構築するGoogle Workspaceやスマホアプリやwebサービスのサーバー、データベースを簡単に用意できるFarebaseの他に、個人向けに、広告なしでオフライン再生も可能になるYoutube Premiumや音楽聴き放題のGoogle Play Musicといった2種類のサービスを用意しています。
NVIDIA
NVIDIAは、クラウドを利用し、快適にゲームができるGeForce Nowというサブスクサービスを導入しています。ゲームに必要な処理をクラウド上でおこなうため、使用しているハードのスペックに依存せず、ゲームを楽しめるサービスです。
サブスク導入の多い業界
サブスクリプションは、ほとんどがデジタル系サービス(例:アマゾンプライムで音楽、映像、書籍の配信サービス)で導入されています。
デジタル系サービスでは、顧客が追加でサービスを得ようとする際に企業側にかかるコスト負担が低いため、導入がしやすいのです。例えばサブスクリプションの音楽配信サービスでは、顧客の購入時応じて製品を製作する必要がなく、需要に応じてコンテンツを配信するだけで良いので追加コストがほとんどかかりません。
このような背景があるため、デジタル系サービスでサブスクリプションが多く採用されています。
しかし、必ずしもデジタル系サービスでなければならない訳ではありません。国内ではキリンで生ビールのサブスクリプションがあるように、非デジタル系サービスでも導入が進んでいます。
成功要因
ここではネットフリックスを例にとって考えていきましょう。
ネットフリックスは元々ウェブサイトによるDVDレンタルサービスをやっている会社で、当初扱っていた作品数は925タイトルで、1週間レンタルにつき4ドル、送料・手数料として2ドル(追加でレンタルする場合はさらに1ドル)を支払う仕組みでした。月額15ドルでDVDを本数制限なしにレンタルできる定額制のレンタルサービス「マーキー・プログラム」を開始し、躍進しました。
サブスクリプションは、「顧客との継続的な付き合いから利益を拡大していこう」という考えを前提としているのはいうまでもなく、顧客との関係性強化がとても重要になります。
ネットフリックスは、この顧客との関係性強化のために、バリューベースプライシングを活用していると考えられます。
バリューベースプライシングとは、顧客が商品・サービスに感じている価値に基づいて価格を設定する手法で、コストに対してマークアップを乗せる従来の価格設定に、顧客の知覚価値を上乗せさることで単価をアップすることができます。
ネットフリックスはこのバリューベースプライシングをうまく活用しています。下図をご覧ください。
これは、企業努力で顧客の支払い意欲が上がったタイミングで値上げをし、それを新たなコンテンツに投資しています。コンテンツの追加によって、ユーザーの満足度が上がり、支払い意欲が上がる、そして値上げする。このようなことを繰り返しているのです。
これによって実際の売上も着実に伸びています。
このように、継続的な支払い意欲調査と積極的な値上げ、増加収益の投資を繰り返し、顧客との関係性強化をはかることが成功要因の一つと言えるでしょう。
プライスハックを運営するプライシングスタジオでは、バリューベースプライシングなどの手法を活用した戦略的なサブスクリプションプライシングを提案可能です。プライシングについてお悩みの方は、プライシングスタジオまでお問い合わせください。
まとめ
世界の時価総額トップ企業30社のうち、14社で導入されているサブスクビジネスの成功事例について解説しました。
サブスクビジネスで成功するには顧客との関係性強化が重要であり、定期的な調査と分析による価格の見直しがとても重要と言えます。
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目次
サブスクリプションビジネスの現状
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驚くべきことに時価総額トップ企業30社のうち、14社でサブスクビジネスが導入されています。(2021/5/6現在)
さらにトップ10社に絞れば8社が導入しており、今後は様々な業界で導入が進んでいくと予想されます。
事例紹介
Amazon
Amazonが導入しているサブスクサービスは、クラウド上にサーバーがあり、それをレンタルするAWSという企業向けのサービスと、書籍、動画が見放題、配送料が安くなるAmazon Primeという個人向けのサービスの2種類があります。
Apple
Appleの導入しているサブスクサービスは、音楽が聴き放題のApple Musicやゲームがプレイし放題のApple Arcadeのような個人に向けたサービスがメインになっています。
ネットフリックス
ネットフリックスは時価総額トップ30社の中に入ってはいませんが、サブスクリプションで成長し続けている企業です。こちらも動画見放題サービスを提供しています。
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NVIDIA
NVIDIAは、クラウドを利用し、快適にゲームができるGeForce Nowというサブスクサービスを導入しています。ゲームに必要な処理をクラウド上でおこなうため、使用しているハードのスペックに依存せず、ゲームを楽しめるサービスです。
サブスク導入の多い業界
サブスクリプションは、ほとんどがデジタル系サービス(例:アマゾンプライムで音楽、映像、書籍の配信サービス)で導入されています。
デジタル系サービスでは、顧客が追加でサービスを得ようとする際に企業側にかかるコスト負担が低いため、導入がしやすいのです。例えばサブスクリプションの音楽配信サービスでは、顧客の購入時応じて製品を製作する必要がなく、需要に応じてコンテンツを配信するだけで良いので追加コストがほとんどかかりません。
このような背景があるため、デジタル系サービスでサブスクリプションが多く採用されています。
しかし、必ずしもデジタル系サービスでなければならない訳ではありません。国内ではキリンで生ビールのサブスクリプションがあるように、非デジタル系サービスでも導入が進んでいます。
成功要因
ここではネットフリックスを例にとって考えていきましょう。
ネットフリックスは元々ウェブサイトによるDVDレンタルサービスをやっている会社で、当初扱っていた作品数は925タイトルで、1週間レンタルにつき4ドル、送料・手数料として2ドル(追加でレンタルする場合はさらに1ドル)を支払う仕組みでした。月額15ドルでDVDを本数制限なしにレンタルできる定額制のレンタルサービス「マーキー・プログラム」を開始し、躍進しました。
サブスクリプションは、「顧客との継続的な付き合いから利益を拡大していこう」という考えを前提としているのはいうまでもなく、顧客との関係性強化がとても重要になります。
ネットフリックスは、この顧客との関係性強化のために、バリューベースプライシングを活用していると考えられます。
バリューベースプライシングとは、顧客が商品・サービスに感じている価値に基づいて価格を設定する手法で、コストに対してマークアップを乗せる従来の価格設定に、顧客の知覚価値を上乗せさることで単価をアップすることができます。
ネットフリックスはこのバリューベースプライシングをうまく活用しています。下図をご覧ください。
これは、企業努力で顧客の支払い意欲が上がったタイミングで値上げをし、それを新たなコンテンツに投資しています。コンテンツの追加によって、ユーザーの満足度が上がり、支払い意欲が上がる、そして値上げする。このようなことを繰り返しているのです。
これによって実際の売上も着実に伸びています。
このように、継続的な支払い意欲調査と積極的な値上げ、増加収益の投資を繰り返し、顧客との関係性強化をはかることが成功要因の一つと言えるでしょう。
プライスハックを運営するプライシングスタジオでは、バリューベースプライシングなどの手法を活用した戦略的なサブスクリプションプライシングを提案可能です。プライシングについてお悩みの方は、プライシングスタジオまでお問い合わせください。
まとめ
世界の時価総額トップ企業30社のうち、14社で導入されているサブスクビジネスの成功事例について解説しました。
サブスクビジネスで成功するには顧客との関係性強化が重要であり、定期的な調査と分析による価格の見直しがとても重要と言えます。
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