この記事では、SaaSの価格体系の従量課金制のなかで利用されるアクティブユーザー課金モデル(Per Active User Pricing)について紹介します。
目次
アクティブユーザー課金モデル(Per Active User Pricing)とは
ユーザー課金モデルの場合は、発行したアカウント数に応じて、サービスの利用状況に関わらず料金が発生しますが、アクティブユーザー課金モデル(Per Active User Pricing)の場合は、過去のログイン履歴などを参照し、実際にサービスを利用しているアカウント数のみに対して課金が発生し、サービスを利用していないアカウントには課金が発生しない価格体系のことで、ユーザー課金モデルの1つのバリエーションです。
アクティブユーザー課金モデルを設定している例としては、Slackがあげられます。Slackでは14日間サービスを利用していない場合や管理者によって削除された場合はアクティブユーザーから除外されます。
(出典:Slack フェアリングポリシー)
アクティブユーザー課金モデルのメリット
「顧客あたりの単価を上げやすい」「価格体系がシンプルなので顧客が理解しやすい」といったユーザー課金モデルと同様のメリットを持ちつつ、さらに「ユーザー課金モデルよりも顧客に好まれやすい」というメリット点があります。
ユーザー課金モデルと比べて導入ハードルが低い
エンタープライズ企業をターゲットとしユーザー課金モデルを採用すると、従業員数(課金対象のアカウント数)が多いため、サービスの導入に踏み切れない場合があります。アクティブユーザー課金ならサービスを利用しているユーザーにのみ料金が発生するため、そのような心理的障壁を取り除いてくれることがメリットです。
アクティブユーザー課金モデルのデメリット
「アカウントを共有される可能性がある」「アカウント数に比例して利用価値が高まらないサービスではメリットが発揮されない」といったユーザー課金モデルのデメリットだけでなく、アクティブユーザー課金モデルがかかえる固有のデメリットをあげます。
ユーザー課金モデルよりも請求が複雑になる
自社で決めたアクティブユーザーの定義に沿って請求できる仕組みを構築し、適切に運用する必要があります。必然的に、請求作業のミスやオペレーションコストの増加が懸念になることになります。また、アクティブユーザーの定義(最終ログインなど)と期間(最終ログインから14日間、30日間など)を、顧客にしっかりと理解してもらう必要もあります。
アクティブユーザー課金モデルが効果的なサービス・効果が低いサービス
効果的なサービス
ユーザー課金モデルを採用しているサービスで、見込み顧客がサービスを導入しても定期的に利用することはないかもしれない”という心理的障壁を築いてしまいサービスの購入に至っていない場合、有効な価格体系だと言えます。
効果が低いサービス
中小企業向けに特化したサービスではあまり効果的な価格体系ではありません。この価格体系は、従業員数が少ない中小企業では、ユーザー課金モデルと料金の差異が出にくいため収益を最大化させるという観点で有効ではありません。
まとめ
ユーザー課金モデルの場合は、サービスの利用状況に関わらず料金が発生しますが、アクティブユーザー課金モデルは、過去のログイン履歴などを参照し、サービスを利用しているアカウント数のみに料金が発生し、サービスを利用していないアカウントには料金が発生しない価格体系です。
ユーザー課金よりも顧客に好まれやすいというメリットがある反面、収益面や業務内容、コスト面での懸念点があるため、自社の状況をしっかりと鑑みて実施することが望ましくなります。
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アクティブユーザー課金モデルを設定している例としては、Slackがあげられます。Slackでは14日間サービスを利用していない場合や管理者によって削除された場合はアクティブユーザーから除外されます。
(出典:Slack フェアリングポリシー)
アクティブユーザー課金モデルのメリット
「顧客あたりの単価を上げやすい」「価格体系がシンプルなので顧客が理解しやすい」といったユーザー課金モデルと同様のメリットを持ちつつ、さらに「ユーザー課金モデルよりも顧客に好まれやすい」というメリット点があります。
ユーザー課金モデルと比べて導入ハードルが低い
エンタープライズ企業をターゲットとしユーザー課金モデルを採用すると、従業員数(課金対象のアカウント数)が多いため、サービスの導入に踏み切れない場合があります。アクティブユーザー課金ならサービスを利用しているユーザーにのみ料金が発生するため、そのような心理的障壁を取り除いてくれることがメリットです。
アクティブユーザー課金モデルのデメリット
「アカウントを共有される可能性がある」「アカウント数に比例して利用価値が高まらないサービスではメリットが発揮されない」といったユーザー課金モデルのデメリットだけでなく、アクティブユーザー課金モデルがかかえる固有のデメリットをあげます。
ユーザー課金モデルよりも請求が複雑になる
自社で決めたアクティブユーザーの定義に沿って請求できる仕組みを構築し、適切に運用する必要があります。必然的に、請求作業のミスやオペレーションコストの増加が懸念になることになります。また、アクティブユーザーの定義(最終ログインなど)と期間(最終ログインから14日間、30日間など)を、顧客にしっかりと理解してもらう必要もあります。
アクティブユーザー課金モデルが効果的なサービス・効果が低いサービス
効果的なサービス
ユーザー課金モデルを採用しているサービスで、見込み顧客がサービスを導入しても定期的に利用することはないかもしれない”という心理的障壁を築いてしまいサービスの購入に至っていない場合、有効な価格体系だと言えます。
効果が低いサービス
中小企業向けに特化したサービスではあまり効果的な価格体系ではありません。この価格体系は、従業員数が少ない中小企業では、ユーザー課金モデルと料金の差異が出にくいため収益を最大化させるという観点で有効ではありません。
まとめ
ユーザー課金モデルの場合は、サービスの利用状況に関わらず料金が発生しますが、アクティブユーザー課金モデルは、過去のログイン履歴などを参照し、サービスを利用しているアカウント数のみに料金が発生し、サービスを利用していないアカウントには料金が発生しない価格体系です。
ユーザー課金よりも顧客に好まれやすいというメリットがある反面、収益面や業務内容、コスト面での懸念点があるため、自社の状況をしっかりと鑑みて実施することが望ましくなります。
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