(この記事は、Youtube動画のスポーツ業界でダイナミックプライシングを簡易的に始める方法|の解説記事です。)
現在スポーツ業界では、ダイナミックプライシングというプライシング戦略が、徐々に導入されています。スポーツ業界以外にも、様々な業界で普及しているダイナミックプライシングについて、興味がある方も多いのではないでしょうか。
しかし実装コストなどの問題から、なかなか導入まで踏み切れないというケースも多いのが現状です。そこで今回は、スポーツ業界のプライシングトレンドや、ダイナミックプライシングのスモールスタートの方法について解説します。この記事は以下の方におすすめです。
- 費用対効果が高いダイナミックプライシングとは何か知りたい
- ダイナミックプライシングの導入方法を知りたい
- プライシング戦略で収益を向上させた事例を知りたい
目次
スポーツ業界にダイナミックプライシングが普及している背景
ダイナミックプライシングがスポーツ業界で普及している背景として、下記2つの要因で、収益改善に向けた動きが急務となっていることがあります。
- チケット代への⽀払い⾦額が減少している
- ファン⼈⼝⾃体が減少している。
チケット代への支払い金額が減少している
スタジアム観戦にかける出費の中で、チケット代への支払金額が昨対比で減少しています。
上の図表からも分かるように、チケット料金の一回当たりの出費金額は、昨対比2.4%減の3,859円となっており、チケット料金の年間の出費総額は、昨対比25.3%減の12,155円となっています。
(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティングとマクロミルが実施した「2022年スポーツマーケティング基礎調査」)
ファン人口自体が減少している
上の図表からも分かるように、プロ野球ファン人口は2,099万人で、昨年比179万人減となっており、サッカーJリーグファン人口は788万人で、昨年比で90万人減となっています。
ダイナミックプライシングを導入し、成功した事例
このような中で、収益を改善するために、「ダイナミックプライシング」を導入することで、収益を最大化する動きが特にスポーツ業界でトレンドとなっています。実際にスポーツ業界でダイナミックプライシングを導入し、収益が改善した事例として下記2つが挙げられます。
- オリックス:販売数量が17%UP、チケット収⼊が14%UP
- 町⽥ゼルビア:オンライン販売総数が昨対⽐118%UP、販売総額は115%UP
ただし価格の上昇傾向が続いた際に、⾼騰した価格による顧客離れや、新規顧客の獲得のハードルを高くしてしまうという課題はあります。
上述の通り、ダイナミックプライシングを導入することで、収益を向上させることができた事例がありますが、導入にはコストがかかるため、なかなか導入できないのが実態です。そこでダイナミックプライシングを3つのステップに分け、費用対効果の高いダイナミックプライシングの導入方法をご紹介します。
ダイナミックプライシングの導入方法
ダイナミックプライシングには下記3つのステップがあります。
- ステップ1:⼀律価格での価格運⽤
- ステップ2:ルールベースでのダイナミックプライシング
- ステップ3:機械学習ベースでのダイナミックプライシング
ステップごとの特徴としては、下記図表のような特徴があります。
上記のようなステップごとの特徴がありますが、ダイナミックプライシングのスモールスタ ートとしては、「ステップ2:ルールベースでのダイナミックプライシング」の導⼊が進んでいます。なぜでしょうか。次にその要因を解説します。
ルールベースでのダイナミックプライシングの導入が進んでいる理由
ステップ2のダイナミックプライシングの導入が進んでいる理由として、下記3つの観点から見た際に、ステップ2が優れていることが分かります。
<ステップ2:ルールベースでのダイナミックプライシングの導入が進んでいる理由>
- 収益性の拡⼤性:ステップ1の従来の⼀律価格での価格運⽤より、ステップ2のルールベースでは、収益性が⾼まる。
- 顧客⼼理の尊重:ステップ3の機械学習での価格運⽤は、時に⾼すぎる価格になる場合があり、顧客の⼼理とは乖離した価格になるケースがあるが、ステップ2のルールベースでは顧客⼼理を反映し易い。
- 実装コスト:ステップ3の機械学習での価格運⽤は、システムの開発費⽤や⼈材確保など必須コストが⼤きいが、それと⽐べてステップ2のルールベースでは⼤幅に安価での実装が可能。
以上のことから分かるように、実装コストが少なく、顧客心理を尊重していることから、顧客の反感を買いにくいので、STEP2のルールベースでのダイナミックプライシングを採用するのがおすすめです。
収益の拡大可能性、顧客心理の尊重、実装コストのバランスを鑑みると、気軽に採用できるダイナミックプライシングでもあります。ここで実際にルールベースでのダイナミックプライシングを導入した事例をご紹介します。
スピッツの公演料金の事例
人気バンドであるスピッツは、土日公演の混雑抑制と、平日公演へ観客誘導を狙い、シェア拡大と顧客満足度の向上に取り組んでいます。下記図表のように、平日→日曜・祝日→土曜と三段階で価格設定をしています。
このようなダイナミックプライシングを実施することで、「土日の混雑を抑制したい」「平日の集客を増やしたい」という狙いをルールベースのダイナミックプライシングで実現しました。
まとめ
今回は、スポーツ業界のトレンドを紹介しながら、ダイナミックプライシングの導入事例や、ダイナミックプライシングのスモールスタートの方法まで解説しました。
実施コストが高いと思われがちなダイナミックプライシングですが、導入にはステップが存在し、スモールスタートとしてルールベースでのダイナミックプライシングが費用対効果が高くおすすめです。
バリューベースの価格設定を実現したい事業者様は、お気軽に、プライシング スタジオにお問い合わせください。
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また、プライスハックでは、こうしたプライシングに関わるお役立ち情報やセミナー情報を発信しています。よりプライシングについて学ばれたい方は、下記リンクよりニュースレターをお受け取りください。
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(この記事は、Youtube動画のスポーツ業界でダイナミックプライシングを簡易的に始める方法|の解説記事です。)
現在スポーツ業界では、ダイナミックプライシングというプライシング戦略が、徐々に導入されています。スポーツ業界以外にも、様々な業界で普及しているダイナミックプライシングについて、興味がある方も多いのではないでしょうか。
しかし実装コストなどの問題から、なかなか導入まで踏み切れないというケースも多いのが現状です。そこで今回は、スポーツ業界のプライシングトレンドや、ダイナミックプライシングのスモールスタートの方法について解説します。この記事は以下の方におすすめです。
- 費用対効果が高いダイナミックプライシングとは何か知りたい
- ダイナミックプライシングの導入方法を知りたい
- プライシング戦略で収益を向上させた事例を知りたい
目次
スポーツ業界にダイナミックプライシングが普及している背景
ダイナミックプライシングがスポーツ業界で普及している背景として、下記2つの要因で、収益改善に向けた動きが急務となっていることがあります。
- チケット代への⽀払い⾦額が減少している
- ファン⼈⼝⾃体が減少している。
チケット代への支払い金額が減少している
スタジアム観戦にかける出費の中で、チケット代への支払金額が昨対比で減少しています。
上の図表からも分かるように、チケット料金の一回当たりの出費金額は、昨対比2.4%減の3,859円となっており、チケット料金の年間の出費総額は、昨対比25.3%減の12,155円となっています。
(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティングとマクロミルが実施した「2022年スポーツマーケティング基礎調査」)
ファン人口自体が減少している
上の図表からも分かるように、プロ野球ファン人口は2,099万人で、昨年比179万人減となっており、サッカーJリーグファン人口は788万人で、昨年比で90万人減となっています。
ダイナミックプライシングを導入し、成功した事例
このような中で、収益を改善するために、「ダイナミックプライシング」を導入することで、収益を最大化する動きが特にスポーツ業界でトレンドとなっています。実際にスポーツ業界でダイナミックプライシングを導入し、収益が改善した事例として下記2つが挙げられます。
- オリックス:販売数量が17%UP、チケット収⼊が14%UP
- 町⽥ゼルビア:オンライン販売総数が昨対⽐118%UP、販売総額は115%UP
ただし価格の上昇傾向が続いた際に、⾼騰した価格による顧客離れや、新規顧客の獲得のハードルを高くしてしまうという課題はあります。
上述の通り、ダイナミックプライシングを導入することで、収益を向上させることができた事例がありますが、導入にはコストがかかるため、なかなか導入できないのが実態です。そこでダイナミックプライシングを3つのステップに分け、費用対効果の高いダイナミックプライシングの導入方法をご紹介します。
ダイナミックプライシングの導入方法
ダイナミックプライシングには下記3つのステップがあります。
- ステップ1:⼀律価格での価格運⽤
- ステップ2:ルールベースでのダイナミックプライシング
- ステップ3:機械学習ベースでのダイナミックプライシング
ステップごとの特徴としては、下記図表のような特徴があります。
上記のようなステップごとの特徴がありますが、ダイナミックプライシングのスモールスタ ートとしては、「ステップ2:ルールベースでのダイナミックプライシング」の導⼊が進んでいます。なぜでしょうか。次にその要因を解説します。
ルールベースでのダイナミックプライシングの導入が進んでいる理由
ステップ2のダイナミックプライシングの導入が進んでいる理由として、下記3つの観点から見た際に、ステップ2が優れていることが分かります。
<ステップ2:ルールベースでのダイナミックプライシングの導入が進んでいる理由>
- 収益性の拡⼤性:ステップ1の従来の⼀律価格での価格運⽤より、ステップ2のルールベースでは、収益性が⾼まる。
- 顧客⼼理の尊重:ステップ3の機械学習での価格運⽤は、時に⾼すぎる価格になる場合があり、顧客の⼼理とは乖離した価格になるケースがあるが、ステップ2のルールベースでは顧客⼼理を反映し易い。
- 実装コスト:ステップ3の機械学習での価格運⽤は、システムの開発費⽤や⼈材確保など必須コストが⼤きいが、それと⽐べてステップ2のルールベースでは⼤幅に安価での実装が可能。
以上のことから分かるように、実装コストが少なく、顧客心理を尊重していることから、顧客の反感を買いにくいので、STEP2のルールベースでのダイナミックプライシングを採用するのがおすすめです。
収益の拡大可能性、顧客心理の尊重、実装コストのバランスを鑑みると、気軽に採用できるダイナミックプライシングでもあります。ここで実際にルールベースでのダイナミックプライシングを導入した事例をご紹介します。
スピッツの公演料金の事例
人気バンドであるスピッツは、土日公演の混雑抑制と、平日公演へ観客誘導を狙い、シェア拡大と顧客満足度の向上に取り組んでいます。下記図表のように、平日→日曜・祝日→土曜と三段階で価格設定をしています。
このようなダイナミックプライシングを実施することで、「土日の混雑を抑制したい」「平日の集客を増やしたい」という狙いをルールベースのダイナミックプライシングで実現しました。
まとめ
今回は、スポーツ業界のトレンドを紹介しながら、ダイナミックプライシングの導入事例や、ダイナミックプライシングのスモールスタートの方法まで解説しました。
実施コストが高いと思われがちなダイナミックプライシングですが、導入にはステップが存在し、スモールスタートとしてルールベースでのダイナミックプライシングが費用対効果が高くおすすめです。
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