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2022.05.10(更新日:2024.03.04)

SaaSビジネスのサービス開始時は無料にすべきか、有料にすべきか?

【YouTube記事】SaaSビジネスのサービス開始時は無料にすべきか、有料にすべきか?
【YouTube記事】SaaSビジネスのサービス開始時は無料にすべきか、有料にすべきか?
SaaS・サブスク
#SaaS・サブスク
#価格戦略

(この記事は、SaaSビジネスのサービス開始時は無料にすべきか、有料にすべきか?の解説記事です)

【質問】
SaaSビジネスを始めようと思っています。無料と有料、どちらで始めるべきでしょうか?
【回答】
ケースバイケースですが、ほとんどの場合有料で始めるべきです。

無料で始める際の注意点

無料で始めた場合「お金を払う気は無いが、とりあえずやってみた」というユーザーが増えます。このようなユーザーからのフィードバックには注意が必要です。

無料で始めた場合「お金を払う気は無いが、とりあえずやってみた」というお客さんが増えます。このような「本来ユーザーにはならない人」からのフィードバックを基にサービスの改善を行うとサービスの方針を誤ってしまう恐れがあります。
サービスの方針を間違えないためにも、まずは有料でサービスを開始し、有料でも来てくれる少数のお客さんに徹底的に向き合いながらサービスを作っていくことをおすすめします

無料で始めてもよいサービス

「ユーザーがいないと価値を出せないサービス」では無料で始めてもよいと考えます。ビジネスマッチングアプリなどが例として挙げられます。

上述のビジネスマッチングアプリなどでは、そもそもユーザーがいないとサービスの価値が出せません。求人掲載企業が少なければサービスの価値が出せないでしょう。このようなサービスでは「どれだけ最初にユーザーを集められるか」が勝負になってくるので、無料でサービスを始めてユーザーを確保することも戦略の1つとして考えられます。無料で始めた後で、サービスの価値を高めてから有料化を検討してみましょう。

有料の場合の価格決定の考え方

有料ではじめる場合の価格は、正直なところ適当でいいと思っています。まずはシンプルな価格で販売して「このサービスは売れるんだ」ということを明らかにしましょう

サービスを始める段階では、ニーズがあるのか無いのか明らかではありません。この状態で複雑な価格設定にしてしまうと、売れなかった場合の原因が「ニーズが無いから」なのか「価格設定のミス」ないのか分かりにくくなってしまいます。お客さんが買ってくれる最低限の価格でも良いので、まずはシンプルな価格で販売しましょう。そして、サービスにニーズがあるのか無いのか明らかにしましょう。
誰でも買ってくれるシンプルな価格設定で始めると、そのうち様々なタイプのユーザーが得られると思います。同じサービスでも、個人と法人、中小企業と大企業など財布の大きさが異なるユーザーに対しては提供できる価値も異なるでしょう。ユーザーのタイプが増えてくると「大企業向けのプラン」「中小企業向けのプラン」「個人向けのプラン」など価格のテコ入れが必要になってきますが、それまでは割と適当な価格設定で大丈夫だと思います。
一方で例外もあります。既存ビジネスのお客さんに追加でクロスセル商材として新しいSaaSを始める場合や、大企業の新規事業で売り上げ目標が重要な場合、1年目から成果を要求される場合などが例外として挙げられます。このような場合はマーケットを慎重に選ばないといけないため、ターゲットの仮説を立てるときにプライシングも一緒に考えるときがあるでしょう。

まとめ

本日は「SaaSビジネスのサービス開始時は無料にすべきか、有料にすべきか?」について解説しました。ケースバイケースですが、ほとんどの場合有料で始めることをおすすめします。これからSaaSを始める方で、ニーズが不明な場合は適当な価格設定でまずは売りましょう。売れる価格で販売して、ニーズの有無を明らかにすることがまずは重要です。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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【回答】
ケースバイケースですが、ほとんどの場合有料で始めるべきです。

無料で始める際の注意点

無料で始めた場合「お金を払う気は無いが、とりあえずやってみた」というユーザーが増えます。このようなユーザーからのフィードバックには注意が必要です。

無料で始めた場合「お金を払う気は無いが、とりあえずやってみた」というお客さんが増えます。このような「本来ユーザーにはならない人」からのフィードバックを基にサービスの改善を行うとサービスの方針を誤ってしまう恐れがあります。
サービスの方針を間違えないためにも、まずは有料でサービスを開始し、有料でも来てくれる少数のお客さんに徹底的に向き合いながらサービスを作っていくことをおすすめします

無料で始めてもよいサービス

「ユーザーがいないと価値を出せないサービス」では無料で始めてもよいと考えます。ビジネスマッチングアプリなどが例として挙げられます。

上述のビジネスマッチングアプリなどでは、そもそもユーザーがいないとサービスの価値が出せません。求人掲載企業が少なければサービスの価値が出せないでしょう。このようなサービスでは「どれだけ最初にユーザーを集められるか」が勝負になってくるので、無料でサービスを始めてユーザーを確保することも戦略の1つとして考えられます。無料で始めた後で、サービスの価値を高めてから有料化を検討してみましょう。

有料の場合の価格決定の考え方

有料ではじめる場合の価格は、正直なところ適当でいいと思っています。まずはシンプルな価格で販売して「このサービスは売れるんだ」ということを明らかにしましょう

サービスを始める段階では、ニーズがあるのか無いのか明らかではありません。この状態で複雑な価格設定にしてしまうと、売れなかった場合の原因が「ニーズが無いから」なのか「価格設定のミス」ないのか分かりにくくなってしまいます。お客さんが買ってくれる最低限の価格でも良いので、まずはシンプルな価格で販売しましょう。そして、サービスにニーズがあるのか無いのか明らかにしましょう。
誰でも買ってくれるシンプルな価格設定で始めると、そのうち様々なタイプのユーザーが得られると思います。同じサービスでも、個人と法人、中小企業と大企業など財布の大きさが異なるユーザーに対しては提供できる価値も異なるでしょう。ユーザーのタイプが増えてくると「大企業向けのプラン」「中小企業向けのプラン」「個人向けのプラン」など価格のテコ入れが必要になってきますが、それまでは割と適当な価格設定で大丈夫だと思います。
一方で例外もあります。既存ビジネスのお客さんに追加でクロスセル商材として新しいSaaSを始める場合や、大企業の新規事業で売り上げ目標が重要な場合、1年目から成果を要求される場合などが例外として挙げられます。このような場合はマーケットを慎重に選ばないといけないため、ターゲットの仮説を立てるときにプライシングも一緒に考えるときがあるでしょう。

まとめ

本日は「SaaSビジネスのサービス開始時は無料にすべきか、有料にすべきか?」について解説しました。ケースバイケースですが、ほとんどの場合有料で始めることをおすすめします。これからSaaSを始める方で、ニーズが不明な場合は適当な価格設定でまずは売りましょう。売れる価格で販売して、ニーズの有無を明らかにすることがまずは重要です。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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