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2020.12.29(更新日:2023.07.13)

ARR(年間経常収益)とACV(年間契約金額)の違いとは

ARR(年間経常収益)とACV(年間契約金額)の違いとは
ARR(年間経常収益)とACV(年間契約金額)の違いとは
SaaS・サブスク
#SaaS・サブスク
#価格戦略

企業の収益状況を表す2つの指標、ARR(年間経常収益)とACV(年間契約金額)の違いを解説します。

ARR(年間経常収益)とACV(年間契約金額)の違い

ARRは、1年間契約した場合に見込める経常収益を表します。ARRを求める際は、ある月の経常収益をもとに、1年間契約した場合の収益を計算することが多いです。ARRを活用すると、企業は、自社の成長を知れるうえ、その年に見込める収益を推定できます。

一方、ACVは契約した顧客から将来的に得られる経常収益の1年分を示します。ACVは、顧客1人ずつに着目し、契約により確定している1年間に得られる収益を求めます。

ARRとACVの算出方法の比較

ARR=MRR(月間経常収益:1ヶ月間の経常収益)×12ヶ月
ACV=月額料金×利用期間n(1ヶ月≦n≦12ヶ月)+オプション料金(初期費用など)

顧客A:月額5,000円の契約を2年間
顧客B:月額5,000円の契約を2年間+初期費用10,000円(初年度)

<顧客Aの場合>
ARR=60,000円(5,000円/月×12ヶ月)
ACV=60,000円(5,000円/月×12ヶ月)

<顧客Bの場合>
ARR=60,000円(5,000円/月×12ヶ月)
1年目のACV=70,000円(5,000円/月×12ヶ月+10,000円)
2年目のACV=60,000円(5,000円/月×12ヶ月+0円)

ARRとACVの利用タイミングの違い

ARRとACVは、利用すべきタイミングが異なります。

ARRとACVそれぞれの、特に使うべき時について解説します。

ARR:事業の成長を測りたいとき

ARRの利用は、企業の成長率を測りたいときに適しています。ビジネスの収益状況が健全かどうかを検証し、そして企業の目標から逆算して求められる成長速度を計算することができます。

特に、サブスクリプションサービスの場合、得られるARRは価格戦略やビジネスモデルの土台になり得ます。ARRを理解することで、サービスの成長状況が把握可能です。

また、ARRは長期的な計画を立てるのに活用されますが、その月間版であるMRR(Monthly Recurring Revenue)を活用すれば、短期的な計画を立てることもできます。

ACV:契約状況を確認するとき

ACVは企業の契約状況を確認するのに役に立ちます。正確に契約によって得られる収益を計上しているため、自社の契約状況の確認に適しています。

まとめ

ARRとACVは、どちらも1年間の収益を表す指標ですが、現在の経常収益から、年間での経常収益を予測するARRと、契約した金額から年間で得られる収益を求めるACVは異なった指標です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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ARRは、1年間契約した場合に見込める経常収益を表します。ARRを求める際は、ある月の経常収益をもとに、1年間契約した場合の収益を計算することが多いです。ARRを活用すると、企業は、自社の成長を知れるうえ、その年に見込める収益を推定できます。

一方、ACVは契約した顧客から将来的に得られる経常収益の1年分を示します。ACVは、顧客1人ずつに着目し、契約により確定している1年間に得られる収益を求めます。

ARRとACVの算出方法の比較

ARR=MRR(月間経常収益:1ヶ月間の経常収益)×12ヶ月
ACV=月額料金×利用期間n(1ヶ月≦n≦12ヶ月)+オプション料金(初期費用など)

顧客A:月額5,000円の契約を2年間
顧客B:月額5,000円の契約を2年間+初期費用10,000円(初年度)

<顧客Aの場合>
ARR=60,000円(5,000円/月×12ヶ月)
ACV=60,000円(5,000円/月×12ヶ月)

<顧客Bの場合>
ARR=60,000円(5,000円/月×12ヶ月)
1年目のACV=70,000円(5,000円/月×12ヶ月+10,000円)
2年目のACV=60,000円(5,000円/月×12ヶ月+0円)

ARRとACVの利用タイミングの違い

ARRとACVは、利用すべきタイミングが異なります。

ARRとACVそれぞれの、特に使うべき時について解説します。

ARR:事業の成長を測りたいとき

ARRの利用は、企業の成長率を測りたいときに適しています。ビジネスの収益状況が健全かどうかを検証し、そして企業の目標から逆算して求められる成長速度を計算することができます。

特に、サブスクリプションサービスの場合、得られるARRは価格戦略やビジネスモデルの土台になり得ます。ARRを理解することで、サービスの成長状況が把握可能です。

また、ARRは長期的な計画を立てるのに活用されますが、その月間版であるMRR(Monthly Recurring Revenue)を活用すれば、短期的な計画を立てることもできます。

ACV:契約状況を確認するとき

ACVは企業の契約状況を確認するのに役に立ちます。正確に契約によって得られる収益を計上しているため、自社の契約状況の確認に適しています。

まとめ

ARRとACVは、どちらも1年間の収益を表す指標ですが、現在の経常収益から、年間での経常収益を予測するARRと、契約した金額から年間で得られる収益を求めるACVは異なった指標です。

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高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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