TCV(Total Contract Value)は合計契約金額のことで、企業が契約の中で支払われる合計額をあらわす指標です。TCVの計算方法や重要な理由について解説します。
目次
TCV(合計契約金額)とは
TCV(Total Contract Value)は合計契約金額のことで、契約中の全期間に支払われる合計額をあらわす指標です。サービスに契約している顧客からの経常収益に加えて、追加コンサルタント料金や、導入料金などの契約期間中に発生する料金全般が含まれます。
TCV(合計契約金額)の計算方法
TCVの計算方法は、非常に単純です。
TCV=(毎月の経常収益×契約期間の長さ)+その他契約期間内の料金(初期費用、オプション料金など)
ここで重要なポイントは、TCVは予測ではなく、実際の契約から算出されることです。
そのため、平均的な継続率から、長期的に収益を予測するLTVなどの指標よりも、正確な収益の予測ができます。
一方、月毎の更新など契約更新が頻繁な場合、仮に長く利用するユーザーでも契約期間を1ヶ月として計算するように、契約期間を正しく反映しにくいため、活用しにくいです。
また、考慮していない契約更新や価格変動が行われた場合、算出したTCVと実態が離れてしまう場合があります。
TCV計算の例
とあるサービスを利用する顧客Aと顧客Bを用意し、TCV計算の例を示します。
・顧客A:月額5,000円の基本料金で1年間契約
・顧客B:月額5,000円の基本料金で1年間契約。追加のオプション料金で、60,000円の支払いも。
顧客AのTCVは次のように計算されます。
(5,000円×12ヶ月)+ 0円= 60,000円
顧客BのTCVは次のように計算されます。
(5,000円×12ヶ月)+ 60,000円=120,000円
TCV(合計契約金額)の重要性
TCVはサブスクリプションサービスを行う企業にとって、見過ごしてはならない指標です。TCVが重要な理由を4点から紹介します。
正確な収益予測
TCVは、現実の契約をもとに算出します。そのため、予測をもとに算出するLTVと比べても、より実態に沿った数値となります。これにより、組織拡大やマーケティング拡大への間違ったタイミングでの投資を防ぐことが可能です。また、正確な収益予測は投資家を安心させられるでしょう。
収益性の高い顧客の特定
TCVを使用して顧客あたりのTCVを算出すると、高い収益を得られる顧客がどんな属性を持つのかがわかります。それをもとに、収益性の高い見込み顧客を中心に営業に行くことで、収益を増やしてコストを削減可能です。
契約期間の最適化
TCV算出の過程で、顧客ごと、顧客属性ごとの契約期間を見れます。1度の契約で、1ヶ月しか契約しない顧客もいれば、3年間契約する顧客もいます。これらの情報から、顧客層ごとに提案するべき最適な契約期間がわかるため、顧客層ごとの適切な期間での契約提案が可能になり、長期間の契約の成約率を高められます。
マーケティング支出の最適化
算出したTCVをCAC(顧客獲得単価)で割ることで、現状のマーケティングへの投資の効果が測定できます。それにより、投資すべきマーケティングチャネルを判別できます。
TCV(合計契約金額)とACV(年間契約金額)の違い
同じく契約に生まれる金額を計算する指標として、ACV(Anual Contract Value)があげられます。
TCVは契約期間すべてで得られる収益を示しますが、ACVは1年間の間で得られる収益を示します。
ACVは、複数の顧客を比較する際や、企業の成長を知りたい場合により有用です。契約期間を年換算するため、契約期間が異なる企業同士の支払い状況を比較することが可能になります。さらに、新規契約の量が増え続けているのかどうか、その新規契約は本当に質が高いものなのかがわかります。
一方、期間に関係なく、純粋にその顧客から得られる収益を知りたい際は、TCVを測定することが良いでしょう
ACVについて詳しくはこちらの記事をご覧ください
まとめ
TCVは、LTVなどの他の全体収益を表す指標と比べ、より契約状況に忠実に算出できることが特徴です。
TCVを扱えると、収益状況をより正確に見積もれるうえ、顧客の理解を進めて、販売施策を最適化することができます。
他にもSaaSやサブスクリプションにおける用語を知りたい方はこちらの記事を参照してください。
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TCV(合計契約金額)の計算方法
TCVの計算方法は、非常に単純です。
TCV=(毎月の経常収益×契約期間の長さ)+その他契約期間内の料金(初期費用、オプション料金など)
ここで重要なポイントは、TCVは予測ではなく、実際の契約から算出されることです。
そのため、平均的な継続率から、長期的に収益を予測するLTVなどの指標よりも、正確な収益の予測ができます。
一方、月毎の更新など契約更新が頻繁な場合、仮に長く利用するユーザーでも契約期間を1ヶ月として計算するように、契約期間を正しく反映しにくいため、活用しにくいです。
また、考慮していない契約更新や価格変動が行われた場合、算出したTCVと実態が離れてしまう場合があります。
TCV計算の例
とあるサービスを利用する顧客Aと顧客Bを用意し、TCV計算の例を示します。
・顧客A:月額5,000円の基本料金で1年間契約
・顧客B:月額5,000円の基本料金で1年間契約。追加のオプション料金で、60,000円の支払いも。
顧客AのTCVは次のように計算されます。
(5,000円×12ヶ月)+ 0円= 60,000円
顧客BのTCVは次のように計算されます。
(5,000円×12ヶ月)+ 60,000円=120,000円
TCV(合計契約金額)の重要性
TCVはサブスクリプションサービスを行う企業にとって、見過ごしてはならない指標です。TCVが重要な理由を4点から紹介します。
正確な収益予測
TCVは、現実の契約をもとに算出します。そのため、予測をもとに算出するLTVと比べても、より実態に沿った数値となります。これにより、組織拡大やマーケティング拡大への間違ったタイミングでの投資を防ぐことが可能です。また、正確な収益予測は投資家を安心させられるでしょう。
収益性の高い顧客の特定
TCVを使用して顧客あたりのTCVを算出すると、高い収益を得られる顧客がどんな属性を持つのかがわかります。それをもとに、収益性の高い見込み顧客を中心に営業に行くことで、収益を増やしてコストを削減可能です。
契約期間の最適化
TCV算出の過程で、顧客ごと、顧客属性ごとの契約期間を見れます。1度の契約で、1ヶ月しか契約しない顧客もいれば、3年間契約する顧客もいます。これらの情報から、顧客層ごとに提案するべき最適な契約期間がわかるため、顧客層ごとの適切な期間での契約提案が可能になり、長期間の契約の成約率を高められます。
マーケティング支出の最適化
算出したTCVをCAC(顧客獲得単価)で割ることで、現状のマーケティングへの投資の効果が測定できます。それにより、投資すべきマーケティングチャネルを判別できます。
TCV(合計契約金額)とACV(年間契約金額)の違い
同じく契約に生まれる金額を計算する指標として、ACV(Anual Contract Value)があげられます。
TCVは契約期間すべてで得られる収益を示しますが、ACVは1年間の間で得られる収益を示します。
ACVは、複数の顧客を比較する際や、企業の成長を知りたい場合により有用です。契約期間を年換算するため、契約期間が異なる企業同士の支払い状況を比較することが可能になります。さらに、新規契約の量が増え続けているのかどうか、その新規契約は本当に質が高いものなのかがわかります。
一方、期間に関係なく、純粋にその顧客から得られる収益を知りたい際は、TCVを測定することが良いでしょう
ACVについて詳しくはこちらの記事をご覧ください
まとめ
TCVは、LTVなどの他の全体収益を表す指標と比べ、より契約状況に忠実に算出できることが特徴です。
TCVを扱えると、収益状況をより正確に見積もれるうえ、顧客の理解を進めて、販売施策を最適化することができます。
他にもSaaSやサブスクリプションにおける用語を知りたい方はこちらの記事を参照してください。
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