ACV(Annual Contract Value)とは、年間契約金額のことで、顧客との契約から得られる1年あたりの収益を指します。サブスクリプション企業にとって重要なACVと、その計算方法について解説します。
ACV(年間契約金額)とは
ACV(Annual Contract Value)とは、年間契約金額のことで、顧客との契約から得られる1年あたりの収益です。ACVは契約金額であるため、初期費用などの単発収益を含めます。
ACVの計算方法
ACVを計算する基本の式は次のものになります。
ACV=月額料金×利用期間n(1ヶ月≦n≦12ヶ月)+オプション料金(初期費用など)
ACVは、計算式を見てもわかるよう、1年間契約した場合の収益です。似た年間指標であるARRは1年間の経常収益のみをあらわすため、ACVはARRよりも正確な収益状況を知れます。
ACVとARRの違いについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
長期契約の場合
1年以上の長期契約の顧客の場合は、ACVの計算が簡単です。
例えば、顧客Aが6,000,000円で3年間契約した場合、ACVは6,000,000円/3年で、2,000,000円となります。
この場合、ACVはARRと同じ数値になります。
短期契約の場合
一方、1年未満の短期契約の場合のACVの計算は注意しなければいけません。
ACVは、1年間利用された場合の仮定ではなく、確定している契約をもとに算出するため、契約期間が1年間に満たない場合は、あくまで契約期間の中で得られる収益がACVとして計上されます。
例えば、顧客Bが500,000円で6ヶ月間契約している場合、ACVは500,000円と計算されます。
この場合、顧客Bが6ヶ月後に契約更新すると仮定すると、ARRは1,000,000円となります。
全体ACVの計算
全体のACVを試算する場合は、顧客のACVの平均を求めるため、次の式で計算します。
全体ACV=その年の顧客ごとのACVの合計/顧客数
先ほどの事例を用いて全体のACVを計算してみます。
1年目:{2,000,000円(顧客A)+500,000円(顧客B)}/2=1,250,000円
2,3年目:2,000,000円(顧客A)/1=2,000,000円
契約1年目は、顧客Aと顧客Bが契約しているのに対し、2,3年目は顧客Aしか契約していないため、ACVはこのように算出されます。
ACVが重要な理由
ACVの計算が重要な理由は、企業の契約状況を確認できるためです。
ACVは契約の年間の価値や規模を測る指標です。正確に契約によって得られる収益を計上しているため、自社の契約状況の確認に適しています。
さらに、顧客あたりのACVと、その平均値である全体ACVを比較することで、契約1つ1つの規模を理解が可能です。
ACVとTCVの違い
同じく契約から生まれる金額を計算する指標として、TCV(Total Contract Value)があげられます。ACVとTCVの違いは、計算する期間の違いがあげられます。ACVは1年間で得られる収益を示す一方、TCVは契約期間すべてで得られる収益です。
ACVは、「長い期間高い支払いをしてくれる顧客を知りたい」など、収益を年度別に把握したい場合に利用すべきです。また、ACVなら利用期間が異なる顧客を、年単位で得られる収益に揃えて比較できるというメリットもあります。
一方、期間に関係なく、純粋にその顧客から得られる収益を知りたい際は、TCVを測定することがよいでしょう。
TCVについてはこの記事をご覧ください。
まとめ
ACV(年間契約金額)は、1年間の収益をあらわします。
他にもSaaSやサブスクリプションにおける用語を知りたい方はこちらの記事を参照してください。
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ACVの計算方法
ACVを計算する基本の式は次のものになります。
ACV=月額料金×利用期間n(1ヶ月≦n≦12ヶ月)+オプション料金(初期費用など)
ACVは、計算式を見てもわかるよう、1年間契約した場合の収益です。似た年間指標であるARRは1年間の経常収益のみをあらわすため、ACVはARRよりも正確な収益状況を知れます。
ACVとARRの違いについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
長期契約の場合
1年以上の長期契約の顧客の場合は、ACVの計算が簡単です。
例えば、顧客Aが6,000,000円で3年間契約した場合、ACVは6,000,000円/3年で、2,000,000円となります。
この場合、ACVはARRと同じ数値になります。
短期契約の場合
一方、1年未満の短期契約の場合のACVの計算は注意しなければいけません。
ACVは、1年間利用された場合の仮定ではなく、確定している契約をもとに算出するため、契約期間が1年間に満たない場合は、あくまで契約期間の中で得られる収益がACVとして計上されます。
例えば、顧客Bが500,000円で6ヶ月間契約している場合、ACVは500,000円と計算されます。
この場合、顧客Bが6ヶ月後に契約更新すると仮定すると、ARRは1,000,000円となります。
全体ACVの計算
全体のACVを試算する場合は、顧客のACVの平均を求めるため、次の式で計算します。
全体ACV=その年の顧客ごとのACVの合計/顧客数
先ほどの事例を用いて全体のACVを計算してみます。
1年目:{2,000,000円(顧客A)+500,000円(顧客B)}/2=1,250,000円
2,3年目:2,000,000円(顧客A)/1=2,000,000円
契約1年目は、顧客Aと顧客Bが契約しているのに対し、2,3年目は顧客Aしか契約していないため、ACVはこのように算出されます。
ACVが重要な理由
ACVの計算が重要な理由は、企業の契約状況を確認できるためです。
ACVは契約の年間の価値や規模を測る指標です。正確に契約によって得られる収益を計上しているため、自社の契約状況の確認に適しています。
さらに、顧客あたりのACVと、その平均値である全体ACVを比較することで、契約1つ1つの規模を理解が可能です。
ACVとTCVの違い
同じく契約から生まれる金額を計算する指標として、TCV(Total Contract Value)があげられます。ACVとTCVの違いは、計算する期間の違いがあげられます。ACVは1年間で得られる収益を示す一方、TCVは契約期間すべてで得られる収益です。
ACVは、「長い期間高い支払いをしてくれる顧客を知りたい」など、収益を年度別に把握したい場合に利用すべきです。また、ACVなら利用期間が異なる顧客を、年単位で得られる収益に揃えて比較できるというメリットもあります。
一方、期間に関係なく、純粋にその顧客から得られる収益を知りたい際は、TCVを測定することがよいでしょう。
TCVについてはこの記事をご覧ください。
まとめ
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