Pricing Studio
プライシングに対するすべての悩みを解決するWebメディア
2022.04.04(更新日:2024.03.04)

価格が「1,480円」のように中途半端になる理由

【YouTube解説記事】なぜ商品の価格は「98円」「1,480円」など中途半端な価格で売られているのか?
【YouTube解説記事】なぜ商品の価格は「98円」「1,480円」など中途半端な価格で売られているのか?
その他・価格業界情報
#価格分析
#消費者心理

(この記事は、なぜ商品の価格は「98円」「1,480円」など中途半端な価格で売られているのか?の解説記事です)

スーパーやコンビニだけでなく、いろいろなお店で1,480円や98円といったキリの悪い数字を見かけると思います。今回は、なぜこのようなキリの悪い数字で販売されているのかについて解説します。

【この記事の結論】
・キリの悪い数字で売られているのには科学的な根拠がある!
・超えると売上げが極端に変わってしまうポイントを価格の閾値と言う!
・閾値を超えないようにした結果、キリの悪い数字で売られている!

なぜキリの悪い数字で売られているのか

キリの悪い数字で販売するのには科学的な根拠があります!

なぜキリの悪い数字で売られているのかについては諸説あり、実際どれが本当なのかはわかっていません。都市伝説的なものもありますが科学的な根拠に基づいたものもあります。今回は科学的な根拠に基づいて1,480円や98円といったキリの悪い数字で販売する理由について解説していきます。

閾値という概念

それを超えると売上げに極端に差を及ぼすポイント」のことを価格の閾値と言います!

例えば、2,380円から2,480円に100円の値上げをするだけで10%以上お客さんが買ってくれなくなることがあります。このとき2,380円から2,480円の間に閾値が存在しているといえます。ですが、このような極端な売上の変化は100円ごとに起こるわけではありません。「300円値上げをしても全く影響がないのにそこからさらに100円上げるとお客さんが激減する。そこからまた300〜500円上げても大丈夫なのに、さらにその100円上に行くとまた客が激減する。」このように、あるポイントで減った後にあるポイントでまたガクンと減ることがあります。閾値は複数存在し、決まった間隔ごとに現れるとは限りません。
なので、今まで100円単位で値上げをして成功してきたからといってそのまま安直に値上げを繰り返していくと急にお客さんが減ってしまうことがあります。それを避けるためにも閾値の把握は重要です。閾値を分かっていると価格を決めやすくなりますし、逆に分かっていないと大きな事業リスクに成りかねません。

閾値になりやすい価格

閾値は100円500円1,000円などキリのいい価格になりやすいです。それを超えないように販売価格はキリが悪くなります!

一般的に100円500円1,000円などキリのいい価格の近くが閾値になりやすいと言われています。そのため、閾値を考えて意思決定を行う人は価格を1,480円、98円といったキリの悪い数字にします。他の人がそうしているのを見てなんとなく1,480円で売っている人もいるかもしれませんが、実はそういう根拠があってキリの悪い数字が価格として選ばれやすくなっています。

閾値を知る方法

閾値を特定するための方法としてPSM分析があります!

閾値を超えない範囲で徐々に値上げを繰り返していくと、顧客離れを防ぎつつ収益を最大化することができます。閾値を特定するための方法の1つとしてPSM分析があります。詳しくは別の記事で解説をしているので、そちらの記事もご覧ください。

まとめ

本日はなぜ1,480円や98円といったキリの悪い数字で売られているのかについて解説してきました。閾値をコントロールできるようになると経営戦略の幅は、グンと広がっていくので閾値を頑張って特定してみてください!

SHARE
リンクコピー
Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

この執筆者のほかの記事

関連記事

その他・価格業界情報
#価格分析
#消費者心理

(この記事は、なぜ商品の価格は「98円」「1,480円」など中途半端な価格で売られているのか?の解説記事です)

スーパーやコンビニだけでなく、いろいろなお店で1,480円や98円といったキリの悪い数字を見かけると思います。今回は、なぜこのようなキリの悪い数字で販売されているのかについて解説します。

【この記事の結論】
・キリの悪い数字で売られているのには科学的な根拠がある!
・超えると売上げが極端に変わってしまうポイントを価格の閾値と言う!
・閾値を超えないようにした結果、キリの悪い数字で売られている!

なぜキリの悪い数字で売られているのか

キリの悪い数字で販売するのには科学的な根拠があります!

なぜキリの悪い数字で売られているのかについては諸説あり、実際どれが本当なのかはわかっていません。都市伝説的なものもありますが科学的な根拠に基づいたものもあります。今回は科学的な根拠に基づいて1,480円や98円といったキリの悪い数字で販売する理由について解説していきます。

閾値という概念

それを超えると売上げに極端に差を及ぼすポイント」のことを価格の閾値と言います!

例えば、2,380円から2,480円に100円の値上げをするだけで10%以上お客さんが買ってくれなくなることがあります。このとき2,380円から2,480円の間に閾値が存在しているといえます。ですが、このような極端な売上の変化は100円ごとに起こるわけではありません。「300円値上げをしても全く影響がないのにそこからさらに100円上げるとお客さんが激減する。そこからまた300〜500円上げても大丈夫なのに、さらにその100円上に行くとまた客が激減する。」このように、あるポイントで減った後にあるポイントでまたガクンと減ることがあります。閾値は複数存在し、決まった間隔ごとに現れるとは限りません。
なので、今まで100円単位で値上げをして成功してきたからといってそのまま安直に値上げを繰り返していくと急にお客さんが減ってしまうことがあります。それを避けるためにも閾値の把握は重要です。閾値を分かっていると価格を決めやすくなりますし、逆に分かっていないと大きな事業リスクに成りかねません。

閾値になりやすい価格

閾値は100円500円1,000円などキリのいい価格になりやすいです。それを超えないように販売価格はキリが悪くなります!

一般的に100円500円1,000円などキリのいい価格の近くが閾値になりやすいと言われています。そのため、閾値を考えて意思決定を行う人は価格を1,480円、98円といったキリの悪い数字にします。他の人がそうしているのを見てなんとなく1,480円で売っている人もいるかもしれませんが、実はそういう根拠があってキリの悪い数字が価格として選ばれやすくなっています。

閾値を知る方法

閾値を特定するための方法としてPSM分析があります!

閾値を超えない範囲で徐々に値上げを繰り返していくと、顧客離れを防ぎつつ収益を最大化することができます。閾値を特定するための方法の1つとしてPSM分析があります。詳しくは別の記事で解説をしているので、そちらの記事もご覧ください。

まとめ

本日はなぜ1,480円や98円といったキリの悪い数字で売られているのかについて解説してきました。閾値をコントロールできるようになると経営戦略の幅は、グンと広がっていくので閾値を頑張って特定してみてください!

SHARE
リンクコピー
Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

この執筆者のほかの記事

関連記事