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2022.04.04(更新日:2024.03.04)

価格戦略論:コストベースプライシングについて解説

【YouTube記事】原価率から値段を決めるコストベースプライシングはありか?値付けの専門家が解説
【YouTube記事】原価率から値段を決めるコストベースプライシングはありか?値付けの専門家が解説
その他・価格業界情報
#価格戦略

(この記事は、原価率から値段を決めるコストベースプライシングはありか?値付けの専門家が解説の解説記事です)

【質問】
原価率の相場が決まっていない業界ではどのように価格を決めれば良いのでしょうか?
【回答】
顧客の払える金額をベースに価格を考えましょう。原価を基に価格を決めることはおすすめしていません!


本日も質問にお答えしていきます。飲食業界においては原価率30%にすればよいという通説がありますが、原価率の相場が決まっていない業界も存在します。今回は原価率の定まっていない業界での原価率の考え方について解説していきます。

原価率の定まっていない業界での価格の決め方

コストをかけた分価格を高くするのではなく、顧客の払える金額をベースにコストを決定していく」が正しい考え方です。

私は原価率で価格を決定することを推奨しません。原価を基に決定した価格がお客さんの予算を超えてしまったら買ってもらえないからです。
例えば、仕事の合間のランチについて考えてみましょう。1,500円の予算で店を探していたところ、入店したお店の商品がすべて3,000円だったとします。高級な素材が使用されていたとしても、あなたは3,000円を支払いたくなるでしょうか?予算である1,500円を上回るため、進んで購入したいとはならないはずです。
この例から分かることは、「良いものを使っているから」と価格を上げても、お客さんの予算を超えてしまったら買ってもらえないということです。つまり、コストにお金をかけたからと言ってその分値段を高くしても売れるとは限らないのです。
コストをかけた分価格を高くするのではなく、顧客の払える金額(予算)をベースに価格を決定していく方が良いでしょう。

原価率の相場が決まっている業界は例外です。飲食店のように30%と決まっているなかで、「原価率60%にします!お得ですよ!」と宣伝することは、お店が損しながら安くしているアピールになるため良いと思います。

コストベースプライシングってアリ?

コストベースプライシングとは原価から利益を計算する価格決定方法です。


顧客のターゲット層を決めると、高価格帯・中価格帯・低価格帯のどれで勝負していくのかも大まかに決まると思います。「その価格帯で利益を出すためにはコストをこのくらいにする必要がある」と顧客の払える金額(予算)から逆算してコスト構造を考えるのが良いでしょう。
その上でコストを価格の何パーセントにすべきかという問題は、答えのない問題であると思います。ただ、損益分岐ギリギリのラインでの価格設定は避けるべきだと考えます。「消費者の満足度に影響を与えない範囲でコストを削減し、そこで得られた利益をサービスに投資する。サービスへの投資によってサービスのバリューアップを実現し、価格を上げていく」という流れがとても大切です。
コストベースプライシング(原価率から逆算した価格の決定)をするのではなく、お客さんの予算から逆算してコストを整えるというアプローチで価格設定をしていきましょう。

まとめ

原価率の相場が定まっていない業界においては、顧客の払える金額をベースにコストを決定していくことを推奨します。顧客の満足度に影響のない範囲内でなるべくコストを抑え、利益率を上げていくことが大切です。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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【回答】
顧客の払える金額をベースに価格を考えましょう。原価を基に価格を決めることはおすすめしていません!


本日も質問にお答えしていきます。飲食業界においては原価率30%にすればよいという通説がありますが、原価率の相場が決まっていない業界も存在します。今回は原価率の定まっていない業界での原価率の考え方について解説していきます。

原価率の定まっていない業界での価格の決め方

コストをかけた分価格を高くするのではなく、顧客の払える金額をベースにコストを決定していく」が正しい考え方です。

私は原価率で価格を決定することを推奨しません。原価を基に決定した価格がお客さんの予算を超えてしまったら買ってもらえないからです。
例えば、仕事の合間のランチについて考えてみましょう。1,500円の予算で店を探していたところ、入店したお店の商品がすべて3,000円だったとします。高級な素材が使用されていたとしても、あなたは3,000円を支払いたくなるでしょうか?予算である1,500円を上回るため、進んで購入したいとはならないはずです。
この例から分かることは、「良いものを使っているから」と価格を上げても、お客さんの予算を超えてしまったら買ってもらえないということです。つまり、コストにお金をかけたからと言ってその分値段を高くしても売れるとは限らないのです。
コストをかけた分価格を高くするのではなく、顧客の払える金額(予算)をベースに価格を決定していく方が良いでしょう。

原価率の相場が決まっている業界は例外です。飲食店のように30%と決まっているなかで、「原価率60%にします!お得ですよ!」と宣伝することは、お店が損しながら安くしているアピールになるため良いと思います。

コストベースプライシングってアリ?

コストベースプライシングとは原価から利益を計算する価格決定方法です。


顧客のターゲット層を決めると、高価格帯・中価格帯・低価格帯のどれで勝負していくのかも大まかに決まると思います。「その価格帯で利益を出すためにはコストをこのくらいにする必要がある」と顧客の払える金額(予算)から逆算してコスト構造を考えるのが良いでしょう。
その上でコストを価格の何パーセントにすべきかという問題は、答えのない問題であると思います。ただ、損益分岐ギリギリのラインでの価格設定は避けるべきだと考えます。「消費者の満足度に影響を与えない範囲でコストを削減し、そこで得られた利益をサービスに投資する。サービスへの投資によってサービスのバリューアップを実現し、価格を上げていく」という流れがとても大切です。
コストベースプライシング(原価率から逆算した価格の決定)をするのではなく、お客さんの予算から逆算してコストを整えるというアプローチで価格設定をしていきましょう。

まとめ

原価率の相場が定まっていない業界においては、顧客の払える金額をベースにコストを決定していくことを推奨します。顧客の満足度に影響のない範囲内でなるべくコストを抑え、利益率を上げていくことが大切です。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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