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2021.01.24(更新日:2023.07.13)

PSM分析とは|適正価格を見つける調査方法と手順

PSM分析とは|最適価格を見つける調査方法と手順
PSM分析とは|最適価格を見つける調査方法と手順
その他・価格業界情報
#データ分析
#価格分析

PSM分析とはどのような分析手法なのでしょうか。この記事では、適正価格を見つける価格調査である、PSM分析について解説します。

PSM分析(価格感応度分析)とは

PSM分析(価格感応度分析)とは、バリューベースの価格設定を実現するために、顧客の支払意欲を調査するために使われる手法です。1976年にオランダの経済学者VanWestendorpによって開発されたことから、PSM分析は「Van Westendorpモデル」と言われることもあります。

PSM分析を応用することで、商品・サービスがどの程度の価格なら最も顧客に受け入れられるかを把握でき、売り上げや顧客数を最大化できる価格を試算できます。

また弊社代表の高橋が執筆したnoteでは、日本国内向けサービスの料金変更を行ったネットフリックス(Netflix)の事例を取り上げて解説しています。こちらも合わせて参考にしてみてください。

なぜ支払い意欲を調査すべきなのか

顧客に対して支払い意欲を調査することで、根拠をもって価格設定ができるようになります。

価格設定は、事業成功のために重要な要因ですが、多くの事業で価格設定の確信を持つことができません。いくらなら顧客が購買するかの予測ができず、見当による価格設定となってしまうためです。特に自社の製品が他社の製品と類似でなく革新的な価値を持つ製品であればあるほど、価格設定は困難になります。

PSM分析と他の調査手法との比較

支払意欲の調査で最も一般的な方法は、潜在的な購入者に、製品に支払う金額を聞くことです。これは直接質問法と呼ばれ、簡単に実行することができますが、いくつかの欠点があり支払意欲調査として不足です。

購買可能な金額は点ではなくレンジであり、単一な価格を聞くことでは勘案しきれません。

また、直接質問では、潜在的な購入者が実際の支払意欲よりも低い価格で回答が集まると言われています。これは、基本的に購入者が企業に対して、価格を下げるように交渉したい心理が働くためです。

PSM分析では、直接質問と異なり、間接的な質問を複数おこなうため、間接的に支払意欲を測定し、バイアスの少ないレンジを持った支払意欲を測定することができます。

PSM分析の方法・手順

一般的なPSM分析の手順は、次の2段階のステップでおこなわれます。

1.アンケート調査

2.可視化

ステップ1.アンケート調査

PSM分析では、アンケートを通じて、実際に顧客が製品・サービスに対して、どれほどの支払意欲を持っているのかを調べます。

PSM分析で実際に使用されるアンケート項目は次の4つです。

PSM分析のアンケート項目

  • その製品・サービスについて、あなたが高いと感じ始める金額はいくらくらいですか?
  • その製品・サービスについて、あなたが安いと感じ始める金額はいくらくらいですか?
  • その製品・サービスについて、あなたがこれ以上高いと検討に乗らない金額はいくらくらいですか?
  • その製品・サービスについて、あなたがこれ以上安いと品質や効果に不安を感じる金額はいくらくらいですか?

直接的に購入したい価格を尋ねるのではなく、製品・サービスの価格に対する顧客の感覚を把握します。

ステップ2.可視化

次に、価格調査の結果を集計し、以下のようにグラフに回答者を累積してプロットします。
PSM分析
X軸が価格を、Y軸が当てはまる顧客の割合をあらわします。

価格が上がると、「安すぎて品質が低い」「安く感じる」と思う顧客が減り、「高すぎて検討に乗らない」「高く感じる」と思う顧客が増えます。

価格設定の参考となる4つの交点がわかります。

・最適価格
最も価格拒否感がないと見られる価格

・妥協価格
高い・安いの評価が分かれる価格

・上限価格
これ以上高くなると、消費者の購入されなくなると見られる価格

・下限価格
これ以上安くなると、消費者が「品質が悪いのではないかと不安になる」と感じる価格さ

交点の価格を参考にすることで、価格設定に目安をつけることができます。

PSM分析の不足点

ここまで一般的なPSM分析について説明しましたが、実際の価格設定では、PSM分析だけだと不足な点もあります。

交点の取り扱い

PSM分析の交点はわかりやすい反面、正確性にかけるという欠点があります。実際には上限価格以上でも購入が検討に乗る人はいますし、同様に下限価格以下でも品質が悪いと思わない人が存在します。

最適価格に関しても、本来顧客が最大化する価格は安すぎて品質が低いと思う人と高すぎて検討に乗らないと思う人が最小となる価格で、必ずしも交点と一致しません。

PSMで収集したデータをプロットするだけでなく、集計して価格ごとの購買人数を推計した方が正確な結果となります。

Pricing Sprintとは?

プライシングスタジオでは、PSM分析をもとに価格戦略の策定を提供するサービス「Pricing Sprint」を提供しています。

Pricing Sprintでは、PSM分析で顧客の支払意欲を把握するだけでなく、支払意欲をもとに顧客数、売上のシミュレーションをおこなえます。価格決定で重要な価格戦略の策定や価格策定サイクルの定着も専属のコンサルタントが伴走しますので、価格に課題を抱える企業の皆様ごとに最適なサービスを提供します。

「Pricing Sprint」サービスページはこちら

まとめ

PSM分析は、製品・サービスの適正価格を導くために用いられる分析手法です。顧客のアンケートにもとづき適切な価格を導くため、顧客価値から価格を算出可能です。バリューベースの価格設定を実現したい事業者様は、まずはお気軽に、プライシングスタジオにお問い合わせください。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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PSM分析(価格感応度分析)とは

PSM分析(価格感応度分析)とは、バリューベースの価格設定を実現するために、顧客の支払意欲を調査するために使われる手法です。1976年にオランダの経済学者VanWestendorpによって開発されたことから、PSM分析は「Van Westendorpモデル」と言われることもあります。

PSM分析を応用することで、商品・サービスがどの程度の価格なら最も顧客に受け入れられるかを把握でき、売り上げや顧客数を最大化できる価格を試算できます。

また弊社代表の高橋が執筆したnoteでは、日本国内向けサービスの料金変更を行ったネットフリックス(Netflix)の事例を取り上げて解説しています。こちらも合わせて参考にしてみてください。

なぜ支払い意欲を調査すべきなのか

顧客に対して支払い意欲を調査することで、根拠をもって価格設定ができるようになります。

価格設定は、事業成功のために重要な要因ですが、多くの事業で価格設定の確信を持つことができません。いくらなら顧客が購買するかの予測ができず、見当による価格設定となってしまうためです。特に自社の製品が他社の製品と類似でなく革新的な価値を持つ製品であればあるほど、価格設定は困難になります。

PSM分析と他の調査手法との比較

支払意欲の調査で最も一般的な方法は、潜在的な購入者に、製品に支払う金額を聞くことです。これは直接質問法と呼ばれ、簡単に実行することができますが、いくつかの欠点があり支払意欲調査として不足です。

購買可能な金額は点ではなくレンジであり、単一な価格を聞くことでは勘案しきれません。

また、直接質問では、潜在的な購入者が実際の支払意欲よりも低い価格で回答が集まると言われています。これは、基本的に購入者が企業に対して、価格を下げるように交渉したい心理が働くためです。

PSM分析では、直接質問と異なり、間接的な質問を複数おこなうため、間接的に支払意欲を測定し、バイアスの少ないレンジを持った支払意欲を測定することができます。

PSM分析の方法・手順

一般的なPSM分析の手順は、次の2段階のステップでおこなわれます。

1.アンケート調査

2.可視化

ステップ1.アンケート調査

PSM分析では、アンケートを通じて、実際に顧客が製品・サービスに対して、どれほどの支払意欲を持っているのかを調べます。

PSM分析で実際に使用されるアンケート項目は次の4つです。

PSM分析のアンケート項目

  • その製品・サービスについて、あなたが高いと感じ始める金額はいくらくらいですか?
  • その製品・サービスについて、あなたが安いと感じ始める金額はいくらくらいですか?
  • その製品・サービスについて、あなたがこれ以上高いと検討に乗らない金額はいくらくらいですか?
  • その製品・サービスについて、あなたがこれ以上安いと品質や効果に不安を感じる金額はいくらくらいですか?

直接的に購入したい価格を尋ねるのではなく、製品・サービスの価格に対する顧客の感覚を把握します。

ステップ2.可視化

次に、価格調査の結果を集計し、以下のようにグラフに回答者を累積してプロットします。
PSM分析
X軸が価格を、Y軸が当てはまる顧客の割合をあらわします。

価格が上がると、「安すぎて品質が低い」「安く感じる」と思う顧客が減り、「高すぎて検討に乗らない」「高く感じる」と思う顧客が増えます。

価格設定の参考となる4つの交点がわかります。

・最適価格
最も価格拒否感がないと見られる価格

・妥協価格
高い・安いの評価が分かれる価格

・上限価格
これ以上高くなると、消費者の購入されなくなると見られる価格

・下限価格
これ以上安くなると、消費者が「品質が悪いのではないかと不安になる」と感じる価格さ

交点の価格を参考にすることで、価格設定に目安をつけることができます。

PSM分析の不足点

ここまで一般的なPSM分析について説明しましたが、実際の価格設定では、PSM分析だけだと不足な点もあります。

交点の取り扱い

PSM分析の交点はわかりやすい反面、正確性にかけるという欠点があります。実際には上限価格以上でも購入が検討に乗る人はいますし、同様に下限価格以下でも品質が悪いと思わない人が存在します。

最適価格に関しても、本来顧客が最大化する価格は安すぎて品質が低いと思う人と高すぎて検討に乗らないと思う人が最小となる価格で、必ずしも交点と一致しません。

PSMで収集したデータをプロットするだけでなく、集計して価格ごとの購買人数を推計した方が正確な結果となります。

Pricing Sprintとは?

プライシングスタジオでは、PSM分析をもとに価格戦略の策定を提供するサービス「Pricing Sprint」を提供しています。

Pricing Sprintでは、PSM分析で顧客の支払意欲を把握するだけでなく、支払意欲をもとに顧客数、売上のシミュレーションをおこなえます。価格決定で重要な価格戦略の策定や価格策定サイクルの定着も専属のコンサルタントが伴走しますので、価格に課題を抱える企業の皆様ごとに最適なサービスを提供します。

「Pricing Sprint」サービスページはこちら

まとめ

PSM分析は、製品・サービスの適正価格を導くために用いられる分析手法です。顧客のアンケートにもとづき適切な価格を導くため、顧客価値から価格を算出可能です。バリューベースの価格設定を実現したい事業者様は、まずはお気軽に、プライシングスタジオにお問い合わせください。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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