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2022.03.22(更新日:2024.03.04)

いきなりステーキの緊急値上げを徹底解説

【YouTube記事】いきなりステーキがいきなり値上げした件についてプライシングのプロが解説します
【YouTube記事】いきなりステーキがいきなり値上げした件についてプライシングのプロが解説します
その他・価格業界情報
#価格事例

(この記事は、いきなりステーキがいきなり値上げした件についてプライシングのプロが解説しますの解説記事です)

1年ぶりにいきなりステーキが値上げを発表しました。今回は、それについてモノ申します!

【この記事の結論】
価格変更で重要なのは、顧客が離れないかどうか!
・飲食店は顧客の支払い意欲を定期的に分析すべき!

今回の値上げに対して我々が価格調査を行なったわけではありません。そのため、値上げ後の価格が顧客離れの起こるラインを超えたか否か正確なところは分かりません。

値上げに至った経緯

まずは、今回の値上げがどのような手順や理由で行われたのか説明します。


2021年12月1日にいきなりステーキはホームページ上で値上げを発表し、その日から値上げを実行しました。値上げの原因は牛肉価格の高騰とされています。原材料費の高騰による値上げは仕方ないものですが、値上げの手順は適切だったと言えるでしょうか?

顧客視点で考える今回の値上げ

発表した日に値上げを実行するという、顧客からすると非常に急な値上げとなりました。

原材料費の高騰による値上げは仕方のないものですが、顧客目線で考えると値上げ自体は喜ばしいことではありません。サービス提供者側の言い分も理解できますが、事前に対策を打って価格を設定した方が適切だったと考えます。

値上げを行う上で最も大切なこと

値上げを行う上で最も大切なことは「価格を上げてもお客さんが離れない」ことです!

このことから、飲食店のように原材料費の急な高騰が起こり得るビジネスでは顧客が自社のサービスに対して「いくらまで払ってくれるか」を常に把握しておくことが非常に重要です。そのため、1年に数回、定期的に顧客の支払い意欲調査を実施しましょう。

顧客の支払い意欲の調査方法

顧客の支払い意欲を調べる方法として、PSM分析があります。


調査方法としてはPSM分析などが挙げられます。これを活用することにより「いくらまでなら値上げしても買ってくれるか」を知ることができます。このような分析によって顧客の支払い意欲を把握できていれば原材料費の急な高騰が起きても確信をもって値上げに踏み切ることができます。詳しくは関連記事をご覧ください。

今後のプライシング戦略

とはいえ、いきなりステーキは値上げに対してしっかりと工夫も凝らしています。

具体的には期間限定の値下げを行うそうです。これは基本価格を基準よりも高めに設定し、クーポンや割引を中心に販売していくプライシング戦略です。消費者が割安感を感じるため有効な価格戦略となり得ます。一方で、定価で売らずに割引でのみ販売すると法律に触れる可能性があるためこの戦略を用いる際は注意が必要です

まとめ

価格変更で重要なのは、顧客が離れないかどうか!
・飲食店は顧客の支払い意欲を定期的に分析すべき!

本日はいきなり値上げをしたいきなりステーキについて説明しました。原価高騰による緊急の値上げも、PSM分析をはじめとした分析を定期的に行っていれば顧客を失わずに行えるでしょう。顧客目線を常に意識し、最適なプライシングを目指しましょう!

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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価格変更で重要なのは、顧客が離れないかどうか!
・飲食店は顧客の支払い意欲を定期的に分析すべき!

今回の値上げに対して我々が価格調査を行なったわけではありません。そのため、値上げ後の価格が顧客離れの起こるラインを超えたか否か正確なところは分かりません。

値上げに至った経緯

まずは、今回の値上げがどのような手順や理由で行われたのか説明します。


2021年12月1日にいきなりステーキはホームページ上で値上げを発表し、その日から値上げを実行しました。値上げの原因は牛肉価格の高騰とされています。原材料費の高騰による値上げは仕方ないものですが、値上げの手順は適切だったと言えるでしょうか?

顧客視点で考える今回の値上げ

発表した日に値上げを実行するという、顧客からすると非常に急な値上げとなりました。

原材料費の高騰による値上げは仕方のないものですが、顧客目線で考えると値上げ自体は喜ばしいことではありません。サービス提供者側の言い分も理解できますが、事前に対策を打って価格を設定した方が適切だったと考えます。

値上げを行う上で最も大切なこと

値上げを行う上で最も大切なことは「価格を上げてもお客さんが離れない」ことです!

このことから、飲食店のように原材料費の急な高騰が起こり得るビジネスでは顧客が自社のサービスに対して「いくらまで払ってくれるか」を常に把握しておくことが非常に重要です。そのため、1年に数回、定期的に顧客の支払い意欲調査を実施しましょう。

顧客の支払い意欲の調査方法

顧客の支払い意欲を調べる方法として、PSM分析があります。


調査方法としてはPSM分析などが挙げられます。これを活用することにより「いくらまでなら値上げしても買ってくれるか」を知ることができます。このような分析によって顧客の支払い意欲を把握できていれば原材料費の急な高騰が起きても確信をもって値上げに踏み切ることができます。詳しくは関連記事をご覧ください。

今後のプライシング戦略

とはいえ、いきなりステーキは値上げに対してしっかりと工夫も凝らしています。

具体的には期間限定の値下げを行うそうです。これは基本価格を基準よりも高めに設定し、クーポンや割引を中心に販売していくプライシング戦略です。消費者が割安感を感じるため有効な価格戦略となり得ます。一方で、定価で売らずに割引でのみ販売すると法律に触れる可能性があるためこの戦略を用いる際は注意が必要です

まとめ

価格変更で重要なのは、顧客が離れないかどうか!
・飲食店は顧客の支払い意欲を定期的に分析すべき!

本日はいきなり値上げをしたいきなりステーキについて説明しました。原価高騰による緊急の値上げも、PSM分析をはじめとした分析を定期的に行っていれば顧客を失わずに行えるでしょう。顧客目線を常に意識し、最適なプライシングを目指しましょう!

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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