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2022.04.08(更新日:2024.03.04)

PSM分析について解説します。(Pricing Sensitivity Meter)

【YouTube記事】PSM分析について解説します。(Pricing Sensitivity Meter)
【YouTube記事】PSM分析について解説します。(Pricing Sensitivity Meter)
その他・価格業界情報
#データ分析
#価格分析

(この記事は、PSM分析について解説します。(Pricing Sensitivity Meter)の解説記事です)

今回のテーマは「PSM分析」です。以前竹内社長のYouTubeのチャンネルでも触れましたが、これはプライシングのプロである私たちが最も信頼している分析の手法です。この記事ではPSM分析の用い方、正しい使い方について細かく解説していきます。

【この記事の結論】
・PSM分析により、顧客が支払える金額を知ることができる!
・アンケートでは「いくらなら買ってくれますか?」とは質問しない!
・セグメント毎にPSM分析を行うことが成功の秘訣!

PSM分析とは?

PSM分析は「お客さんがいくらで買ってくれるか」を知るための価格分析方法です!

PSMとはPricing  Sensitivity  Meter の略であり、これらの頭文字をとってPSM分析というネーミングとなっています。オランダの経済学者 Van  Westendorp によって開発されたモデルであることからVan  Westendorp モデルと呼ばれることもあります。PSMはお客さんの支払い意欲を特定するために開発されたモデルです。値段を下げようと考える時や値上げを模索する際、PSM分析を用いることによって「お客さんがいくらで買ってくれるか」を知ることができます。

PSM分析の手順

実際にPSM分析を行う際の手順について解説します。アンケート調査を行いそれをグラフで表現するというのが大まかな流れです。それぞれの手順について詳しく説明していきます。

1.アンケート調査

アンケートを行う際のポイントは「いくらなら買ってくれますか?」と聞かないことです!

お客さんには安く買いたい心理があります。この心理のせいで「いくらなら買ってくれますか?」と直接的に聞くと、実際に買ってくれる価格よりも安い価格をお客さんは答えてしまいます。そのため、この質問で得られた結果は精度が悪いです。
これを避けるためにPSM分析では間接的にいくらで買ってくれるかを聞き出します。
具体的には以下の4つの項目を質問に混ぜ込むことでバイアスの無い答えを聞き出すことができます。

1.高いと感じ始める金額
2.これ以上高いと買いたくなくなる金額
3.これ以上安いと品質や効果に不安を感じ始める金額
4.やすく感じ始める金額

2.グラフの作成・読み取り

アンケートを取り終えたら集計をして、次のようなグラフを作成します。図を見ると交点が4つあることがわかります。4つの中で左にあるのが下限価格、上にあるのが妥当価格、下にあるのが最適価格、右にあるのが上限価格です。

PSM分析では、グラフの交点に着目してはいけません!交点をそのまま価格に反映するのは間違いです。

実はPSM分析のグラフから得られた交点には根拠がなく、「交点に全く意味がない」という弱点があります。そのため、グラフ上の最適価格をそのまま価格として選べば良い訳ではありません。同じサービスを購入している人の中でも新規の顧客やリピーター、所得の大小など様々な属性の人が存在します。異なる属性を持つ人々がアンケートに回答しているため、すべてのアンケート結果から得られた最適価格は回答者全員の平均的な答えであり、それが売り手の設定したターゲットに刺さるとは限りません。従ってPSM分析の交点をそのまま価格にすると精度が低下してしまいます。

3.価格決定

セグメント毎に分析を行い、ターゲット層にあった価格を決めることが大切です!

先ほど弱点について触れましたが、PSM分析をセグメントごとに行うことは非常に効果的です。お客さんには様々な属性の人がいます。サービスによってお客さんの支払い意欲が変わる要素や条件が存在しており、その条件ごとにお客さんをセグメント分けし、そのセグメントごとにPSM分析を行なっていきます。それぞれのセグメントについて分析すると、お金持ちの人はいくらくらいまで払ってくれる、そうでない人はこれくらいまで払ってくれるというように分析することができます。
セグメント毎の支払い意欲を見た後は、誰に合わせて価格を決めるのか について考えます。例えば、今後はお金持ちの層を中心に売っていきたいという経営戦略を取るのであれば、そのお客さんのセグメントに合わせて価格を決めることになります。

まとめ

今回はPSM分析について解説しました。

【この記事の結論】
・PSM分析により、顧客の支払える金額を知ることができる!
・アンケートでは「いくらなら買ってくれますか?」とは質問しない!
・セグメント毎にPSM分析を行うことが成功の秘訣!


これら3つのポイントを抑えることが重要です。特にセグメント毎にPSM分析を行うことで分析の精度が向上します。正しくPSM分析をすることができれば、強力な武器となりますので皆さんもぜひやってみてください。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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【この記事の結論】
・PSM分析により、顧客が支払える金額を知ることができる!
・アンケートでは「いくらなら買ってくれますか?」とは質問しない!
・セグメント毎にPSM分析を行うことが成功の秘訣!

PSM分析とは?

PSM分析は「お客さんがいくらで買ってくれるか」を知るための価格分析方法です!

PSMとはPricing  Sensitivity  Meter の略であり、これらの頭文字をとってPSM分析というネーミングとなっています。オランダの経済学者 Van  Westendorp によって開発されたモデルであることからVan  Westendorp モデルと呼ばれることもあります。PSMはお客さんの支払い意欲を特定するために開発されたモデルです。値段を下げようと考える時や値上げを模索する際、PSM分析を用いることによって「お客さんがいくらで買ってくれるか」を知ることができます。

PSM分析の手順

実際にPSM分析を行う際の手順について解説します。アンケート調査を行いそれをグラフで表現するというのが大まかな流れです。それぞれの手順について詳しく説明していきます。

1.アンケート調査

アンケートを行う際のポイントは「いくらなら買ってくれますか?」と聞かないことです!

お客さんには安く買いたい心理があります。この心理のせいで「いくらなら買ってくれますか?」と直接的に聞くと、実際に買ってくれる価格よりも安い価格をお客さんは答えてしまいます。そのため、この質問で得られた結果は精度が悪いです。
これを避けるためにPSM分析では間接的にいくらで買ってくれるかを聞き出します。
具体的には以下の4つの項目を質問に混ぜ込むことでバイアスの無い答えを聞き出すことができます。

1.高いと感じ始める金額
2.これ以上高いと買いたくなくなる金額
3.これ以上安いと品質や効果に不安を感じ始める金額
4.やすく感じ始める金額

2.グラフの作成・読み取り

アンケートを取り終えたら集計をして、次のようなグラフを作成します。図を見ると交点が4つあることがわかります。4つの中で左にあるのが下限価格、上にあるのが妥当価格、下にあるのが最適価格、右にあるのが上限価格です。

PSM分析では、グラフの交点に着目してはいけません!交点をそのまま価格に反映するのは間違いです。

実はPSM分析のグラフから得られた交点には根拠がなく、「交点に全く意味がない」という弱点があります。そのため、グラフ上の最適価格をそのまま価格として選べば良い訳ではありません。同じサービスを購入している人の中でも新規の顧客やリピーター、所得の大小など様々な属性の人が存在します。異なる属性を持つ人々がアンケートに回答しているため、すべてのアンケート結果から得られた最適価格は回答者全員の平均的な答えであり、それが売り手の設定したターゲットに刺さるとは限りません。従ってPSM分析の交点をそのまま価格にすると精度が低下してしまいます。

3.価格決定

セグメント毎に分析を行い、ターゲット層にあった価格を決めることが大切です!

先ほど弱点について触れましたが、PSM分析をセグメントごとに行うことは非常に効果的です。お客さんには様々な属性の人がいます。サービスによってお客さんの支払い意欲が変わる要素や条件が存在しており、その条件ごとにお客さんをセグメント分けし、そのセグメントごとにPSM分析を行なっていきます。それぞれのセグメントについて分析すると、お金持ちの人はいくらくらいまで払ってくれる、そうでない人はこれくらいまで払ってくれるというように分析することができます。
セグメント毎の支払い意欲を見た後は、誰に合わせて価格を決めるのか について考えます。例えば、今後はお金持ちの層を中心に売っていきたいという経営戦略を取るのであれば、そのお客さんのセグメントに合わせて価格を決めることになります。

まとめ

今回はPSM分析について解説しました。

【この記事の結論】
・PSM分析により、顧客の支払える金額を知ることができる!
・アンケートでは「いくらなら買ってくれますか?」とは質問しない!
・セグメント毎にPSM分析を行うことが成功の秘訣!


これら3つのポイントを抑えることが重要です。特にセグメント毎にPSM分析を行うことで分析の精度が向上します。正しくPSM分析をすることができれば、強力な武器となりますので皆さんもぜひやってみてください。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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