（この記事は、Youtube動画のダイナミックプライシングの導入と運用のポイントを解説の解説記事です。）

今回は、ダイナミックプライシングの導入と運用についてのポイントを解説しています。この記事は以下のような方におすすめです。

アメリカではダイナミックプライシングによって、ボウリングの利⽤料⾦が「2時間5万円」と⾼騰し、消費者の反感を買いました。今回はダイナミックプライシングが広く受け入れられるには何が必要なのかを、独⾃調査の結果をもとに、適切な運⽤法について考察します。ぜひご一読ください。

ダイナミックプライシングとは？

ダイナミックプライシングとは、高い頻度で価格を変更する仕組みです。どのように価格を変更するかというと、需要が多く、供給が間に合わない場合は価格を高くし、それでも購入する顧客に絞りつつ、収益を最大化します。一方で、供給が多く在庫処分または機会損失が発生する場合は価格を低くし、購入者数を増加し、売り上げ向上を図ります。次にメリットとデメリットについて解説します。

ダイナミックプライシングのメリット

ダイナミックプライシングの最大のメリットは「需要に基づいた収益最大化」です。一定価格制のもとでは失っていた、本来需要変動により生まれる「定価より高価での販売機会」「価格を下げれば獲得できたであろう販売機会」を逃さずつかみ、収益の最大化を実現できるのです。

ダイナミックプライシングのデメリット

一方で、ダイナミックプライシングのデメリットは、同じサービスにもかかわらず価格が変化することについて、顧客は納得しにくいということです。つまり、付加価値が変わらない状況で販売すると、同じ商品を高く買ってしまい「損した人」と、安く買うことができた「得をした人」が存在し、最安値で購入することができた顧客以外（ほとんどの顧客）にとっては、受け入れ難い事実となるのです。冒頭のボーリングの事例でも述べたように、むやみな導入は顧客の反感を買う恐れもあります。 それを防ぐ上で注意すべきポイントは、「ビジネスとの相性」と「適切な運⽤」の2点があります。

ダイナミックプライシングとの相性

ダイナミックプライシングには、相性がいい業界と悪い業界が存在します。では、ダイナミックプライシングと相性がいい業界には、どのような特徴があるのでしょうか。その一つの特徴として、「キャパシティビジネス」があります。「キャパシティビジネス」とは、あらかじめ販売させる個数に制限があるビジネスのことを指します。例えば、ホテルだったら、部屋数は決まっていますし、飛行機だったら席数が決まっています。

プライスの原則として、高く買うときは、安く買うときよりも、付加価値を感じないと消費者は、納得しない傾向にあります。キャパシティビジネスだと、早めに買って高い値段を払ったとしても、手に入らなくなるというリスクを回避できることが付加価値になるのです。

また、もう一つの特徴として、業界慣習的に価格が頻繁に変わっている業界です。価格が頻繁に変わっていると、ダイナミックプライシングにより、価格を変更しても、反感を買いにくくなります。このような業界でない限り、買う時間によって値段が変わるということは、損した気分になり、反感を買いやすいので、相性がいい業界を見極めることがポイントです。次にダイナミックプライシングを適切に設定・運用する方法を説明します。

ダイナミックプライシングの適切な設定・運用

前述のとおり、AIを導入したダイナミックプライシングによるボーリングの価格設定は、消費者から反感を買いました。これは、完全にAIにダイナミックプライシングを任せてしまうと、収益を上げるという目的のためだけに価格を設定してしまいます。その結果、極端に高くなったり、低くなったりする可能性があるのです。そのため、これ以上は高くしないという「上限価格」とこれ以上は安くしないという「下限価格」を決める必要があります。このような運⽤ルールを設定し、多くの顧客が離反しないラインを⾒極め、顧客が⽀払える最⼤価格と、売上を維持するための最低価格を割り出すことが重要です。そのためには、マーケットリサーチや消費者調査をすることが必要です。

まとめ

バリューベースの価格設定を実現したい事業者様は、お気軽に、プライシング スタジオにお問い合わせください。

プライシングスタジオが提供するホワイトペーパーも配布中！ SaaS∕サブスク業界や⽇⽤消費財業界などの事業成⻑に向けた価格戦略の考え⽅と価格プロジェクトのフレームワークを収録した資料もダウンロードいた だくことが可能です。

ホワイトペーパーダウンロードはこちら

また、プライスハックでは、こうしたプライシングに関わるお役立ち情報やセミナー情報を発信しています。よりプライシングについて学ばれたい方は、下記リンクよりニュースレターをお受け取りください。

ニュースレターを受け取る