高価格戦略をご存知でしょうか。高価格戦略とは、商品やサービスの質を限りなく高め、それに伴った高い価格設定を行うことで売上を上げる価格戦略です。
この記事では高価格戦略について、事例を紹介しながら解説します。
目次
高価格戦略とは
高価格戦略とは、iPhoneのように高いサービス価値の商品やサービスを、高価格で販売し、売上を上げる戦略です。
ラグジュアリー価格戦略と少し似ていますが、この戦略では威光効果はあまり発揮されません。威光効果とは、高価格の商品を所有・サービスを享受すること自体がステータスとなり、買い手に付加的レベルの社会的心理効用を与える効果です。
次は高価格戦略で成功した企業について紹介していきます。
高価格戦略で成功した企業の事例
Apple(アップル)
iPhoneやAirPodsで有名なアップルは、高価格戦略で成功している例として有名です。例えば2020年に発売された、iPhone12は一番安い機種でも8万円程で、他社のスマートフォンと比較すると、およそ二倍の価格設定になっています。
しかし強いブランド、デザイン性の高さ、利便性などの理由から、高値でもスマホシェアトップを争うほど高い人気を誇っており、高価格戦略として成功していると言えます。
BOSE(ボーズ)
音響機器開発製造をしており、ノイズキャンセリングヘッドホンを世界で初めて開発したことでも有名な、ボーズも高価格戦略で成功している例と言えます。
例えば、ボーズのイヤホンは基本的に3万円ほどで、他にも多様な製品ジャンルを展開しています。どの商品も高い価格設定がなされていますが、音質、完成度、使いやすさなどで高いレベルの商品を提供し続けているため、高い人気を誇っています。
高価格戦略の成功要因
25カ国に39の拠点をもつマーケティングコンサルティング会社、サイモン・クチャー&パートナーズを創設し、Confessions of the Pricing Manの著者でもあるハーマン・サイモンは、高価格戦略において成功する要因を次の7つであると述べています。
提供する価値が優れている
顧客は価値に見合った物が手に入る時にのみ、その商品やサービスに高い価格を支払います。そのため提供する価値が優れていることは必須条件となってくるのです。
商品そのものの価値で勝負する
高価格戦略では、商品そのものの価値で勝負する必要があります。ラグジュアリー価格戦略では主に、高い価格を設定し、商品を所有・サービスを享受すること自体をステータスにするという戦略をとります。
しかし、そのような高価格戦略でそのようなやり方をしてしまうと、顧客は感じている価値に見合っていないと判断してしまうため成功しない恐れがあります。
イノベーションを途切らせない
高価格戦略において継続的に高価格ポジジョンを取る場合、提供する商品やサービスの価値を高いと感じ続けてもらう必要があります。そのためイノベーションを途切らせないことにより、商品やサービスの改善を繰り返していくことが大切なのです。
商品やサービスが一貫して高品質である
商品やサービスの一部が高品質であっても、バラツキがあると、顧客の近く価値を上げることは難しいです。そのため、商品やサービスが一貫して高品質である必要があるのです。
ブランド力が強い
高価格戦略では、商品力の高さが購買につながるため、高い技術を持っていることを認知されることはとても重要です。ブランド力が強いと、一時的な技術上の優位性を長期的なイメージにすることができるのです。
商品の価値やメリットを顧客に理解してもらう
仮に商品やサービスが優れていたとしても、顧客がそれを認知していなかったり、うまく理解できていないと価値を感じてもらうことは難しいです。そのため、商品の価値やメリットを顧客に理解してもらうよう努めることは大切なのです。
特別提供など値引きを避ける
売上をあげたいからといって、頻繁に値引きを行ったり、大々的なプロモーションを行うと、顧客の価格に対する信頼が薄くなってしまいます。そのため特別提供など値引きやそのプロモーションはむやみに行わないことが大切です。
高価格戦略の注意点
価格が高すぎると、販売量が伸びない
仮に高い価値を提供できたとしても、高すぎる価格設定をしてしまうと、販売量が伸びず利益が出ないことがあります。そのため、自社の商品に対して顧客が高いと感じる価格や安いと感じる価格を知っておく必要があるのです。
顧客の支払意欲を調査するために使われる手法としてPSM分析という手法があります。
PSM分析について詳しくはコチラ。
商品の価値が認知されていないと、低価格のものが売れる
高価格戦略を成功させるために、高い価値を提供できる商品を作ったとしても、顧客がその価値を理解していないと低価格のものが売れる傾向にあります。
例えばある企業が、従来の3倍長持ちする洗濯機を開発したとします。そこで価格は従来の物の2倍で販売しました。コストパフォーマンスの面でいうと、従来の物より圧倒的に良いはずですが、顧客は従来のものを選ぶことがあるです。
それは顧客はどのくらいの期間で損益が分岐するかという計算をせず、表面的な価格を見て決めることが多いからなのです。そのため高価格戦略を行う場合、顧客に商品の価値やメリットをより具体的に伝え、理解してもらうよう努める必要があるのです。
まとめ
今回は高価格戦略について解説しました。顧客は価値に見合った物が手に入る時にのみ、その商品やサービスに高い価格を支払います。そのため高価格戦略を行う際は、特に提供する価値が優れていることが重要になります。
プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライシングスタジオにお問い合わせください。
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高価格戦略とは、iPhoneのように高いサービス価値の商品やサービスを、高価格で販売し、売上を上げる戦略です。
ラグジュアリー価格戦略と少し似ていますが、この戦略では威光効果はあまり発揮されません。威光効果とは、高価格の商品を所有・サービスを享受すること自体がステータスとなり、買い手に付加的レベルの社会的心理効用を与える効果です。
次は高価格戦略で成功した企業について紹介していきます。
高価格戦略で成功した企業の事例
Apple(アップル)
iPhoneやAirPodsで有名なアップルは、高価格戦略で成功している例として有名です。例えば2020年に発売された、iPhone12は一番安い機種でも8万円程で、他社のスマートフォンと比較すると、およそ二倍の価格設定になっています。
しかし強いブランド、デザイン性の高さ、利便性などの理由から、高値でもスマホシェアトップを争うほど高い人気を誇っており、高価格戦略として成功していると言えます。
BOSE(ボーズ)
音響機器開発製造をしており、ノイズキャンセリングヘッドホンを世界で初めて開発したことでも有名な、ボーズも高価格戦略で成功している例と言えます。
例えば、ボーズのイヤホンは基本的に3万円ほどで、他にも多様な製品ジャンルを展開しています。どの商品も高い価格設定がなされていますが、音質、完成度、使いやすさなどで高いレベルの商品を提供し続けているため、高い人気を誇っています。
高価格戦略の成功要因
25カ国に39の拠点をもつマーケティングコンサルティング会社、サイモン・クチャー&パートナーズを創設し、Confessions of the Pricing Manの著者でもあるハーマン・サイモンは、高価格戦略において成功する要因を次の7つであると述べています。
提供する価値が優れている
顧客は価値に見合った物が手に入る時にのみ、その商品やサービスに高い価格を支払います。そのため提供する価値が優れていることは必須条件となってくるのです。
商品そのものの価値で勝負する
高価格戦略では、商品そのものの価値で勝負する必要があります。ラグジュアリー価格戦略では主に、高い価格を設定し、商品を所有・サービスを享受すること自体をステータスにするという戦略をとります。
しかし、そのような高価格戦略でそのようなやり方をしてしまうと、顧客は感じている価値に見合っていないと判断してしまうため成功しない恐れがあります。
イノベーションを途切らせない
高価格戦略において継続的に高価格ポジジョンを取る場合、提供する商品やサービスの価値を高いと感じ続けてもらう必要があります。そのためイノベーションを途切らせないことにより、商品やサービスの改善を繰り返していくことが大切なのです。
商品やサービスが一貫して高品質である
商品やサービスの一部が高品質であっても、バラツキがあると、顧客の近く価値を上げることは難しいです。そのため、商品やサービスが一貫して高品質である必要があるのです。
ブランド力が強い
高価格戦略では、商品力の高さが購買につながるため、高い技術を持っていることを認知されることはとても重要です。ブランド力が強いと、一時的な技術上の優位性を長期的なイメージにすることができるのです。
商品の価値やメリットを顧客に理解してもらう
仮に商品やサービスが優れていたとしても、顧客がそれを認知していなかったり、うまく理解できていないと価値を感じてもらうことは難しいです。そのため、商品の価値やメリットを顧客に理解してもらうよう努めることは大切なのです。
特別提供など値引きを避ける
売上をあげたいからといって、頻繁に値引きを行ったり、大々的なプロモーションを行うと、顧客の価格に対する信頼が薄くなってしまいます。そのため特別提供など値引きやそのプロモーションはむやみに行わないことが大切です。
高価格戦略の注意点
価格が高すぎると、販売量が伸びない
仮に高い価値を提供できたとしても、高すぎる価格設定をしてしまうと、販売量が伸びず利益が出ないことがあります。そのため、自社の商品に対して顧客が高いと感じる価格や安いと感じる価格を知っておく必要があるのです。
顧客の支払意欲を調査するために使われる手法としてPSM分析という手法があります。
PSM分析について詳しくはコチラ。
商品の価値が認知されていないと、低価格のものが売れる
高価格戦略を成功させるために、高い価値を提供できる商品を作ったとしても、顧客がその価値を理解していないと低価格のものが売れる傾向にあります。
例えばある企業が、従来の3倍長持ちする洗濯機を開発したとします。そこで価格は従来の物の2倍で販売しました。コストパフォーマンスの面でいうと、従来の物より圧倒的に良いはずですが、顧客は従来のものを選ぶことがあるです。
それは顧客はどのくらいの期間で損益が分岐するかという計算をせず、表面的な価格を見て決めることが多いからなのです。そのため高価格戦略を行う場合、顧客に商品の価値やメリットをより具体的に伝え、理解してもらうよう努める必要があるのです。
まとめ
今回は高価格戦略について解説しました。顧客は価値に見合った物が手に入る時にのみ、その商品やサービスに高い価格を支払います。そのため高価格戦略を行う際は、特に提供する価値が優れていることが重要になります。
プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライシングスタジオにお問い合わせください。
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