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2021.06.02(更新日:2023.07.13)

小売業で代表されるHi-Lo価格政策、EDLP(Everyday Low Price)政策とは

Hi-Lo(ハイロー)価格政策、EDLP(Everyday Low Price)政策とは|小売業で代表される低価格戦略
Hi-Lo(ハイロー)価格政策、EDLP(Everyday Low Price)政策とは|小売業で代表される低価格戦略
その他・価格業界情報
#価格戦略

あなたは、Hi-Lo価格政策をご存知でしょうか。

スーパーマーケットでは商品の特売や値引きセールがよく行われますが、これはHi-Lo価格政策という低価格戦略のうちの一つなのです。

低価格戦略はスーパーマーケットなどの小売業で多く用いられ、他に代表的なものとしてEDLP政策があります。

この記事では、低価格戦略の代表的な二つであるHi-Lo価格政策、EDLP政策について、実際の事例を交えながら解説します。

Hi-Lo価格政策とは

Hi-Lo価格政策とは、一時的に商品を特売価格で販売することで集客をする低価格戦略です。High-Low Priceの略であり、一定の期間に価格がHigh、Lowするためそのように名付けられました。

Hi-Lo価格政策を行う際、原価割れの価格設定をした商品のことを目玉商品(ロス・リーダー)と言います。

小売店は目玉商品を作り、プロモーションを行うことで、来店頻度の少ない顧客や見込み顧客の増加を図る他、衝動買いの誘発により、客単価を上げることを目的とします。日本の多くのスーパーはHi-Lo価格政策を行なっています。

Hi-Lo価格政策のメリット

Hi-Lo価格政策のメリットは主に次の3つです。

・来店頻度の少ない顧客や見込み顧客など、顧客の幅を広げることができる

・値引き対象以外の商品が売れることで、収益が期待できる

・低価格のプロモーションにより、即効性のある集客ができる

このようにHi-Lo価格政策では、来店頻度の少ない顧客や見込み顧客の増加を図る他、特売商品を買いに来た際に衝動買いを誘発することができます。

Hi-Lo価格政策のデメリット

Hi-Lo価格政策のメリットは主に次の4つです。

・顧客が特売価格に慣れると、通常価格で売れにくくなる

・価格表示カードの張り替えなど、店のオペレーションコストが大きい

・売れ残り在庫など、在庫管理が難しい

・頻繁に価格が上下するため、価格に対する信頼感が失われる

このようにHi-Lo価格政策では、短期的には効果を発揮するものの、長期的な利用はむしろ逆効果になってしまう恐れがあるのです。

EDLP政策とは

EDLP政策とは、Everyday Low Priceの略で、「毎日、低価格で商品を販売する」価格戦略です。この価格戦略を行なっている際は、Hi-Lo価格政策のように一時的な値引きはしません。

先述しましたが、Hi-Lo価格政策では顧客が慣れてしまうと、値引き期間しか店に来てもらえなくなったり、値引きされた商品しか買わなくなることがあります。

その点、EDLP政策では常時安い価格で商品を提供するため、それらを防ぐことができます。

EDLP政策を行なっている事例

EDLP政策を行い業績を伸ばしている例として、食品スーパー「OK」が挙げられます。OKとは「高品質・Everyday Low Price」をコンセプトにし、関東を中心に展開されているディカウントスーパーです。

(出典:OK)

OKでは「万一、他店より高い商品がございましたら、お知らせください。値下げします。」という表示があるように、地域一番の安値を目指しています。EDLP政策を継続して、業績を伸ばすため次のような工夫がなされています。

割り切り商法

売場では、品揃えが特定のメーカーに偏った商品が存在します。それは安売りできないブランドの取引は縮小したり、条件が合わない場合品揃えから外しているからなのです。

仮にトップブランドであったとしてもし入れ条件が合わないと、品揃え時から外すという割り切りにより、低価格を実現しているのです。

オネスト(正直)カード

低価格の理由や、品質に関わる理由を正直に開示することで、消費者に納得してもらう手法です。具体的には次のようなものです。

「長雨の影響で、レタスの品質が普段に比べ悪く、値段も高騰しています。暫くの間、他の商品で代替されることをお薦めします。」(出典:OK)

このように顧客に対して、店にとって都合の悪い商品情報でも、正直に開示することによって店の価値を上げているのです。同時に消費者の期待値をさげるという効果も果たし、ワケあり商品を安く仕入れることにも繋がっています。

EDLP政策のメリット

EDLP政策のメリットは、主に次の4つです。

・常に一定の価格なため、店舗間の買い周りが減少する

・特売日を設定する必要がないため、チラシの配布回数が減る

・価格表示カードの張り替えなど、店舗のオペレーションコストを削減できる

・毎日安定した需要が見込めるため、在庫管理が容易である

このように、EDLP政策では毎日低価格であるという安心感から、商品価値の低下を防止できるだけでなく、一つの店舗だけで買い物を完結させることが可能になるのです。

EDLP政策のデメリット

EDLP政策のデメリットは、主に次の4つです。

・特売日を設けないため、一時的に売上を増加させることが難しい

・常に商品を低価格で維持する必要があるため、ローコスト経営ができないと、政策の継続が難しい

・チラシを配らないため、来店のきっかけを作るのが難しい

・メーカー直仕入などの原価の低減が必要である

このようにEDLP政策では、様々なメリットがありますが、ローコスト経営や商品の原価の低減ができないと、思うように利益が出ない可能性があるのです。

まとめ

今回の記事ではHi-Lo価格政策とEDLP政策について解説しました。日本では、Hi-Lo価格政策からEDLP政策に変更する企業が徐々に増えて来ていますが、まだ「完全なEDLP政策」をとっている企業は数少ないです。

それぞれのメリットとデメリットを把握し、自社に合った価格戦略を立てることはとても大切です。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライシングスタジオにお問い合わせください。

 

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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#価格戦略

あなたは、Hi-Lo価格政策をご存知でしょうか。

スーパーマーケットでは商品の特売や値引きセールがよく行われますが、これはHi-Lo価格政策という低価格戦略のうちの一つなのです。

低価格戦略はスーパーマーケットなどの小売業で多く用いられ、他に代表的なものとしてEDLP政策があります。

この記事では、低価格戦略の代表的な二つであるHi-Lo価格政策、EDLP政策について、実際の事例を交えながら解説します。

Hi-Lo価格政策とは

Hi-Lo価格政策とは、一時的に商品を特売価格で販売することで集客をする低価格戦略です。High-Low Priceの略であり、一定の期間に価格がHigh、Lowするためそのように名付けられました。

Hi-Lo価格政策を行う際、原価割れの価格設定をした商品のことを目玉商品(ロス・リーダー)と言います。

小売店は目玉商品を作り、プロモーションを行うことで、来店頻度の少ない顧客や見込み顧客の増加を図る他、衝動買いの誘発により、客単価を上げることを目的とします。日本の多くのスーパーはHi-Lo価格政策を行なっています。

Hi-Lo価格政策のメリット

Hi-Lo価格政策のメリットは主に次の3つです。

・来店頻度の少ない顧客や見込み顧客など、顧客の幅を広げることができる

・値引き対象以外の商品が売れることで、収益が期待できる

・低価格のプロモーションにより、即効性のある集客ができる

このようにHi-Lo価格政策では、来店頻度の少ない顧客や見込み顧客の増加を図る他、特売商品を買いに来た際に衝動買いを誘発することができます。

Hi-Lo価格政策のデメリット

Hi-Lo価格政策のメリットは主に次の4つです。

・顧客が特売価格に慣れると、通常価格で売れにくくなる

・価格表示カードの張り替えなど、店のオペレーションコストが大きい

・売れ残り在庫など、在庫管理が難しい

・頻繁に価格が上下するため、価格に対する信頼感が失われる

このようにHi-Lo価格政策では、短期的には効果を発揮するものの、長期的な利用はむしろ逆効果になってしまう恐れがあるのです。

EDLP政策とは

EDLP政策とは、Everyday Low Priceの略で、「毎日、低価格で商品を販売する」価格戦略です。この価格戦略を行なっている際は、Hi-Lo価格政策のように一時的な値引きはしません。

先述しましたが、Hi-Lo価格政策では顧客が慣れてしまうと、値引き期間しか店に来てもらえなくなったり、値引きされた商品しか買わなくなることがあります。

その点、EDLP政策では常時安い価格で商品を提供するため、それらを防ぐことができます。

EDLP政策を行なっている事例

EDLP政策を行い業績を伸ばしている例として、食品スーパー「OK」が挙げられます。OKとは「高品質・Everyday Low Price」をコンセプトにし、関東を中心に展開されているディカウントスーパーです。

(出典:OK)

OKでは「万一、他店より高い商品がございましたら、お知らせください。値下げします。」という表示があるように、地域一番の安値を目指しています。EDLP政策を継続して、業績を伸ばすため次のような工夫がなされています。

割り切り商法

売場では、品揃えが特定のメーカーに偏った商品が存在します。それは安売りできないブランドの取引は縮小したり、条件が合わない場合品揃えから外しているからなのです。

仮にトップブランドであったとしてもし入れ条件が合わないと、品揃え時から外すという割り切りにより、低価格を実現しているのです。

オネスト(正直)カード

低価格の理由や、品質に関わる理由を正直に開示することで、消費者に納得してもらう手法です。具体的には次のようなものです。

「長雨の影響で、レタスの品質が普段に比べ悪く、値段も高騰しています。暫くの間、他の商品で代替されることをお薦めします。」(出典:OK)

このように顧客に対して、店にとって都合の悪い商品情報でも、正直に開示することによって店の価値を上げているのです。同時に消費者の期待値をさげるという効果も果たし、ワケあり商品を安く仕入れることにも繋がっています。

EDLP政策のメリット

EDLP政策のメリットは、主に次の4つです。

・常に一定の価格なため、店舗間の買い周りが減少する

・特売日を設定する必要がないため、チラシの配布回数が減る

・価格表示カードの張り替えなど、店舗のオペレーションコストを削減できる

・毎日安定した需要が見込めるため、在庫管理が容易である

このように、EDLP政策では毎日低価格であるという安心感から、商品価値の低下を防止できるだけでなく、一つの店舗だけで買い物を完結させることが可能になるのです。

EDLP政策のデメリット

EDLP政策のデメリットは、主に次の4つです。

・特売日を設けないため、一時的に売上を増加させることが難しい

・常に商品を低価格で維持する必要があるため、ローコスト経営ができないと、政策の継続が難しい

・チラシを配らないため、来店のきっかけを作るのが難しい

・メーカー直仕入などの原価の低減が必要である

このようにEDLP政策では、様々なメリットがありますが、ローコスト経営や商品の原価の低減ができないと、思うように利益が出ない可能性があるのです。

まとめ

今回の記事ではHi-Lo価格政策とEDLP政策について解説しました。日本では、Hi-Lo価格政策からEDLP政策に変更する企業が徐々に増えて来ていますが、まだ「完全なEDLP政策」をとっている企業は数少ないです。

それぞれのメリットとデメリットを把握し、自社に合った価格戦略を立てることはとても大切です。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライシングスタジオにお問い合わせください。

 

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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