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2020.12.30(更新日:2023.03.13)

抱き合わせ価格とは|セット(バンドル)販売・まとめ買いを誘うプライシング戦略

抱き合わせ価格とは|セット(バンドル)販売・まとめ買いを誘うプライシング戦略
抱き合わせ価格とは|セット(バンドル)販売・まとめ買いを誘うプライシング戦略
その他・価格業界情報
#価格戦略

企業が複数の異なる商品・サービスを1つのパッケージにし、1つの価格で販売する、抱き合わせ価格(セット価格)について解説します。

抱き合わせ価格とは

抱き合わせ価格とは、企業が複数の異なる商品・サービスを1つのパッケージにし、1つの価格で販売する戦略です。抱き合わせ価格は、セット価格・バンドル価格などとも呼ばれます。

抱き合わせ価格で販売されるものは、通常、個別に購入した場合よりも低価格で販売されます。セットのものは個別に見ると割引価格で販売されていますが、この戦略を取ることで、顧客単価と顧客のエンゲージメントを向上させられます。

抱き合わせ価格の一般的な事例

抱き合わせ価格は、多くの業界で使用されており、顧客に企業が価値があるとわかっている追加の商品やサービスを購入するように促します。

抱き合わせ価格の例
・ファストフードハンバーガー店のハンバーガー・ポテトセット
・宿泊費・交通費が一緒になった旅行プラン
・Microsoft Office365やAdobe CCなどのソフトウェア

抱き合わせ価格のメリット

抱き合わせ価格は、次のようなメリットがあげられます。

購入体験を簡素化する

顧客は目的達成のために商品やサービズを購入していますが、課題が潜在的である場合、特定のものを購入するというのが困難である場合があります。その場合、企業があらかじめ顧客ニーズと合致するであろうものを抱き合わせとして販売しておくことで、顧客の購入の決定を簡素化することが可能です。

売上が向上する

抱き合わせ価格は、売上・利益率を高めるために有効な手段です。セット販売を促すことで、本来顧客が購入する予定のなかったものが売りやすくなるため、顧客単価が向上します。ただし、抱き合わせ価格にした場合、個別で購入するよりも、顧客が「お得である」と感じる価格にしなければいけません。

顧客エンゲージメントが向上する

抱き合わせ価格では、1つの会社からより多くの商品・サービスを購入するため顧客エンゲージメントを高めるのに役に立ちます。

抱き合わせ価格のデメリット

抱き合わせ価格は、注意しなければ、顧客にとってあまり役に立たない商品やサービスを抱き合わせしてしまい、価値を低下させている可能性があります。

デメリットとして次のことがあげられます。

価格設定が難しい

抱き合わせ価格は、企業にとっては売上・利益率の向上を目的とし、顧客にとってはお得であると感じる見せ方をしなければいけないため、価格設定が難しいです。

顧客は個別に購入することを好むかもしれない

顧客の中には、個別で購入することを望む人もいます。すべての商品・サービスをセットにしてしまうと、選択要素がなくなってしまいます。抱き合わせ販売が、顧客にもどのように付加価値を提供するかを検討しなければいけません。

顧客は抱き合わせのすべてを必要としない場合がある

実際の顧客ニーズを満たしていることを常に確認することが重要です。抱き合わせで販売されている特定のものを必要としない顧客は、不必要にお金を払っているように感じてしまいます。その場合、購入の検討をしてくれない場合があるので、注意しなければいけません。

まとめ

抱き合わせ価格とは、企業が複数の異なる商品・サービスを1つのパッケージにし、1つの価格で販売する、いわゆるセット販売で提供される価格です。

抱き合わせ価格は、顧客にとって価値のある追加の商品やサービスを購入するように促すため、多くの業界で使用されています。

価格・プライシングに関してお悩みの事業者様は一度、プライシングスタジオにお問い合わせください。

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Akihiko Hori

堀 晃彦

プライシングスタジオ株式会社

プライスコンサルタント

大学卒業後、大手IT機器メーカーにて、当時国内で未成熟であった契約業務のデジタライゼーションを推進・実現。その後、広告分析を行うSaaSを展開する株式会社サイカにて、カスタマーサクセスを担当。その後、大手医療機器メーカーでマーケティングを経験後、プライシングスタジオに入社。これまでの幅広い経験から顧客目線に立った戦略立案と、意思決定に役立つ分析設計を強みとする。

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