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サブスクリプションとは?導入メリット・ビジネスの成功事例

2021/01/22 (更新日:2022/03/15)

サブスクリプションは、近年拡大しているビジネスモデルです。この記事では、サブスクリプションとは何かを売り切りモデルと比較し、メリット・代表企業を紹介します。

サブスクリプションとは

サブスクリプションとは、商品やサービスの使用権を定期購入するビジネスモデルです。単発的に購入してもらう「売り切りモデル」と比較されます。

売り切りモデルと比較すると、顧客との長期的な関係が築けるため、顧客データが集まりやすい、収益が安定するなどのメリットがあります。

有名なサブスクリプションの事例として、「Netflix」などの動画配信サービス、「Spotify」に代表される音楽配信サービスがあげられます。さらに近年は、お菓子やコーヒー、車などの実商品や、企業向けサービスにもサブスクリプションは適用されています。

サブスクリプションのメリット

サブスクリプションのメリットを顧客視点、企業視点から解説します。

顧客のメリット

サブスクリプションサービスを利用するメリットは次の3点です!

・消費の選択肢の増加
テクノロジーの発達とサブスクリプションの普及により、消費者はモノを所有・消費するという考え方だけでなく、体験を享受する「コト消費」という選択肢も持つようになりました。

契約期間内のみで「コト消費」のできるサブスクリプションは、消費者にとって合理的なビジネスモデルです。

 

・コストパフォーマンスが良い

動画・音楽などのストリーミングであげられるような使い放題型のサブスクリプションサービスでは、月額料金を払うことで期間内にサービスを無制限に楽しめます。そのため、売り切りモデルの商品を都度購入するよりもコストパフォーマンスが良いです。

・手厚いサポート

サブスクリプションサービスは、顧客の継続率が非常に重要であるため、顧客の課題を積極的に解決しようとします。売り切り型ビジネスの購入後のサポートに比べて、サブスクリプションサービスでのサポートは、問題対応のスピードや手厚さが優れていることが多いです。

企業のメリット

「長期契約をねらう」サブスクリプションの特性から生まれる、サブスクリプションのメリットは次の3点です。

・継続的な収益が見込める

サブスクリプションは、顧客に定額でかつ継続的に課金してもらうことで、収益に持続性があるビジネスモデルです。そのため、一度サービスが確立すると、安定的な収益構造を構築できます。

・顧客データやフィードバックにもとづく商品開発

サブスクリプションでは、売り切りモデルよりも、顧客との接点が多くなり、顧客データを多く得られます。そのため、顧客のニーズに沿ったサービス改善をおこなうことが可能です。

・新規顧客を獲得しやすい

サブスクリプションは、売り切りモデルと比較して、導入時のコストを安くすることが可能です。そのため、顧客は気軽に導入でき、新規顧客の獲得につながります。

サブスクリプションを取り入れて作られたサービス

サブスクリプションモデルを導入し、開始したサービスを紹介します。

Salesforce

Salesforceは、クラウド型のビジネスアプリケーションで、顧客管理(CRM)を中心に、目的に合わせて複数の製品を組み合わせて使えるプラットフォームです。

CEOのベニオフ氏は売り切りモデルのソフトウェアを販売していたオラクルで、「このサービスをオンデマンド(ソフトウェアを内製化するのではなく、外部のソフトウェアを好きな時に利用できる仕組み)化できないか」と考えて、SaaSとして、Salesforceを販売し始めました。

そのため、SalesforceのSaaSにおけるサブスクリプションモデルは、その後のソフトウェア事業のスタンダードになっていきました。

AWS(Amazon Web Service)

AWS(Amazon Web Service)は、従量課金モデルのサブスクリプションを採用しているサービスです。

IaaS(Infrastructure as a Service)と呼ばれる、企業向けにオンラインインフラを提供するサービスなのですが、その特徴として、サービス提供開始当初から従量課金モデルで展開していることがあげられます。

安く始めることができ、利用拡大したら課金し、使わなくなったら課金しない従量課金により、AWSはインフラとしてさまざまな企業や個人に利用されるようになりました。

air Closet

air Closetは2015年に開始された洋服レンタルサービスです。月額定額課金で、洋服レンタルに加えてプロのスタイリストのコーディネート提案を受けることができます。

また、サブスクリプションのメリットである「顧客データやフィードバックにもとづく商品開発」を実践している企業でもあり、コーディネート提案に対するコメントや感想を蓄積していき、それをもとに顧客が求めるコーディネートができるように改善しています。

タイムズカーシェア

タイムズカーシェアは、パーキング「Times」で有名なパーク24が手がけるカーシェアサービスです。課金モデルは、超過従量課金制モデルとなっており、月額880円を支払った上で、880円分は無料で使え、それ以上の利用は利用時間単位で支払います。

各地の駐車場などの「ステーション」から気軽に利用できることに加え、より日常の中での利用を促すという点から、既存のレンタカーとは差別化されています。

テーラードカフェ

カフェ業界にも、サブスクリプションは取り入れられ始めています。2020年開店のテイラードカフェはその1つで、開店当初から、月額3,800円で1杯400円のコーヒーが飲み放題になるというサブスクリプションモデルを取り入れています。

サブスクリプションに移行した事例

売り切りモデルからサブスクリプションへと移行した代表例を3社紹介します。

Apple

Appleは、2003年に発表された世界一の音楽販売プラットフォーム「iTunes」を展開していました。

サブスクリプションへの移行は、2015年に発表された「Apple Music」で行われています。Apple Musicは、音楽ストリーミングサービスで、7,000万もの曲が聴き放題です。現在は推定で前回5,600万人が利用していると言われています。

Adobe

「Photoshop」や「Illustrator」などのソフトウェアを提供するAdobeは、2011年に売り切りモデルの販売に加えて、年契約のサブスクリプションプランを開始しました。

売り切りモデルではヴァージョンをアップデートするのに数年の歳月がかかってしまうのに対し、サブスクリプションモデルを導入することで、短いスパンでのアップデートを可能にしました。

Adobeの場合は、いきなり売り切りモデルをやめてサブスクリプションにするのではなく、サブスクリプションプランをお得になるように設定し、自然に顧客をサブスクリプションモデルへと移行させることで成功しました。

Microsoft

Mirosoftは、WordやPowerPointなどの誰にも馴染み深いソフトウェアを、売り切りモデルで提供していました。しかし、2011年に、サブスクリプションモデルのMicrosoft365(企業向けサービスはOffice365)を提供し始めました。

まとめ

サブスクリプションは、近年拡大しており、特にオンラインサービスにおいては、中心的な課金モデルになっています。既存のサービスをサブスクリプション化させる企業もあれば、サブスクリプションモデルの事業を新しく始める企業もあります。

サブスクリプションサービスでは、バリューベースプライシングという価格戦略が有効です。価格設定・プライシングにお困りの事業者様は一度プライスハックにお問い合わせください。

プライスハック監修

執筆者

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役社長

これまでリクルートをはじめとする大手企業から中小企業まで数十サービスの価格決定を支援。また、公的機関、学会、雑誌などへのプライシングに関する論文提出や講演会、寄稿などを通じ、プライシングに対するノウハウを積極的に発信。慶應義塾大学在学中に起業。

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サブスクリプションの成功事例解説|適した業界、成功要因は?

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サブスクリプションは、近年さまざまな業界で段々と取り入れられています。目新しいもののように考えられることが多いですが、実は時価総額トップ企業30社のうち、14社がサブスクビジネスを事業の一部に導入しています。 今回はそのサブスクリプションで成功している企業の事例とその成功要因について解説します。 サブスクリプションビジネスの現状1.1 世界トップ企業の約半分が導入2 事例紹介2.1 Amazon2.2 Apple2.3 ネットフリックス2.4 Google2.5 NVIDIA3 サブスク導入の多い業界4 成功要因5 まとめ サブスクリプションビジネスの現状 世界トップ企業の約半分が導入 驚くべきことに時価総額トップ企業30社のうち、14社でサブスクビジネスが導入されています。(2021/5/6現在) さらにトップ10社に絞れば8社が導入しており、今後は様々な業界で導入が進んでいくと予想されます。 事例紹介 Amazon Amazonが導入しているサブスクサービスは、クラウド上にサーバーがあり、それをレンタルするAWSという企業向けのサービスと、書籍、動画が見放題、配送料が安くなるAmazon Primeという個人向けのサービスの2種類があります。 Apple Appleの導入しているサブスクサービスは、音楽が聴き放題のApple Musicやゲームがプレイし放題のApple Arcadeのような個人に向けたサービスがメインになっています。 ネットフリックス ネットフリックスは時価総額トップ30社の中に入ってはいませんが、サブスクリプションで成長し続けている企業です。こちらも動画見放題サービスを提供しています。 Google Googleは企業向けにクラウド経由で共同作業がしやすい環境を構築するGoogle Workspaceやスマホアプリやwebサービスのサーバー、データベースを簡単に用意できるFarebaseの他に、個人向けに、広告なしでオフライン再生も可能になるYoutube Premiumや音楽聴き放題のGoogle Play Musicといった2種類のサービスを用意しています。 NVIDIA NVIDIAは、クラウドを利用し、快適にゲームができるGeForce Nowというサブスクサービスを導入しています。ゲームに必要な処理をクラウド上でおこなうため、使用しているハードのスペックに依存せず、ゲームを楽しめるサービスです。 サブスク導入の多い業界 サブスクリプションは、ほとんどがデジタル系サービス(例:アマゾンプライムで音楽、映像、書籍の配信サービス)で導入されています。 デジタル系サービスでは、顧客が追加でサービスを得ようとする際に企業側にかかるコスト負担が低いため、導入がしやすいのです。例えばサブスクリプションの音楽配信サービスでは、顧客の購入時応じて製品を製作する必要がなく、需要に応じてコンテンツを配信するだけで良いので追加コストがほとんどかかりません。 このような背景があるため、デジタル系サービスでサブスクリプションが多く採用されています。 しかし、必ずしもデジタル系サービスでなければならない訳ではありません。国内ではキリンで生ビールのサブスクリプションがあるように、非デジタル系サービスでも導入が進んでいます。 成功要因 ここではネットフリックスを例にとって考えていきましょう。 ネットフリックスは元々ウェブサイトによるDVDレンタルサービスをやっている会社で、当初扱っていた作品数は925タイトルで、1週間レンタルにつき4ドル、送料・手数料として2ドル(追加でレンタルする場合はさらに1ドル)を支払う仕組みでした。月額15ドルでDVDを本数制限なしにレンタルできる定額制のレンタルサービス「マーキー・プログラム」を開始し、躍進しました。 サブスクリプションは、「顧客との継続的な付き合いから利益を拡大していこう」という考えを前提としているのはいうまでもなく、顧客との関係性強化がとても重要になります。 ネットフリックスは、この顧客との関係性強化のために、バリューベースプライシングを活用していると考えられます。 バリューベースプライシングとは|顧客価値に基づいた価格設定・価格戦略をおすすめする理由 顧客の価値にもとづいて価格を設定する、バリューベースプライシングについて、定義・採用すべき理由・気をつける点・実行方法を解説します。…… バリューベースプライシングとは、顧客が商品・サービスに感じている価値に基づいて価格を設定する手法で、コストに対してマークアップを乗せる従来の価格設定に、顧客の知覚価値を上乗せさることで単価をアップすることができます。 ネットフリックスはこのバリューベースプライシングをうまく活用しています。下図をご覧ください。 出典:Statista これは、企業努力で顧客の支払い意欲が上がったタイミングで値上げをし、それを新たなコンテンツに投資しています。コンテンツの追加によって、ユーザーの満足度が上がり、支払い意欲が上がる、そして値上げする。このようなことを繰り返しているのです。 これによって実際の売上も着実に伸びています。 出典:Dazeinfo このように、継続的な支払い意欲調査と積極的な値上げ、増加収益の投資を繰り返し、顧客との関係性強化をはかることが成功要因の一つと言えるでしょう。 プライスハックを運営するプライシングスタジオでは、バリューベースプライシングなどの手法を活用した戦略的なサブスクリプションプライシングを提案可能です。プライシングについてお悩みの方は、プライスハックまでお問い合わせください。 まとめ 世界の時価総額トップ企業30社のうち、14社で導入されているサブスクビジネスの成功事例について解説しました。 サブスクビジネスで成功するには顧客との関係性強化が重要であり、定期的な調査と分析による価格の見直しがとても重要と言えます。

プライシング戦略とは?事業に適した価格設定の基本

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この記事では、事業に適したプライシング戦略について解説します。 プライシング戦略として、値下げ戦略、値上げ戦略などの各論の戦略も重要ですが、この記事ではより包括的に事業に適した価格を決めるプライシング戦略についてご紹介します。 プライシング戦略とは?2 価格の3観点(3C)と事業特性に合わせたプライシング3 事業ステージに応じた価格戦略3.1 問題児:成長率高・シェア低3.2 花形:成長率高・シェア高3.3 金のなる木:成長率低・シェア高3.4 負け犬:成長率低・シェア低4 事業による価格の変更サイクル4.1 短期サイクルの価格変更4.2 長期サイクルの価格変更5 まとめ プライシング戦略とは? 事業にとっての価格と聞いて何を思いつくでしょうか? 「お客様からいただく対価」であったり、「マーケティングミックス(4P)の一つの重要な要素」であったり価格は様々な面で重要な要素ですが、私たちは価格を事業において最も重要な礎と考えています。 なぜなら、価格によって事業が収益化できるかが決まるからです。収益化できれば、より事業投資を加速させ、事業成長できますが、収益化の見込みがつかなければ投資ができず事業成長は鈍化していきます。 事業を通じて顧客へ価値提供を行う観点からも、事業に投資し、成長させることは必要不可欠であり、そのための収益化を決定づけるものこそが価格なのです。 そのため事業成長のためには、事業に合った適切な価格戦略が必要になります。 価格の3観点(3C)と事業特性に合わせたプライシング 事業に適した価格戦略を考えるために、まず価格決定で重要な3観点について説明します。 価格を決める際、考慮すべきことは、コスト(Cost)、競合(Competitor)、顧客(Customer)の3つの観点(3C)です。 コスト:販売するほど生まれるコストはいくらか、販売量によってコスト構造は変わるかを検討します。 競合:誰が競合なのか、競合はいくらで提供しているか、競合との価値の違いは何かを把握する必要があります。 顧客:顧客は誰か、顧客は自社の製品の何に価値を感じるか顧客セグメントによって支払意欲は変わるかを把握します。 どれか1つだけで価格を決めるわけでなく、3つの観点(3C)を考慮して複合的に価格決定することが理想的なプライシングになります。 一方、3観点のうち何を起点に考えるかに応じてプライシングの手法が変わります。 コスト⇒コストベースプライシング:コストを起点に一定の利益/利益率を乗せて価格設定する方法 競合⇒競合ベースプライシング:競合価格を起点に価格設定する方法 顧客⇒バリューベースプライシング:顧客の支払意欲を起点に価格設定する方法 顧客の購入起点で、売り手と買い手の関係は始まるので、一部の場合を除き顧客起点のバリュープライシングから始めることが、どのような事業においても有効となります。またバリューベースプライシングは他のプライシングと異なり、顧客の購入可否を予想できるため、理想的な状態での販売数、売上の推計を行うことができ、計画性をもった事業運営が可能になります。 では、バリューベースプライシングが有効でない一部の場合とはどのような時でしょうか、それは下記のようなケースです。 製品カテゴリに差別化要因がない 差別化要因のない製品カテゴリでは、廉価なものが顧客に選考されるため競合ベースの価格設定が有効となります。 商習慣により該当製品群の平均売価が顧客の知覚価値より高い コストベースの価格設定を業界全体で行っており*、実際の売価が顧客の知覚価値より高い場合(売価>知覚価値)は、バリューベースの価格設定は単価の引き下げを生み、売上を毀損することが考えられます。 *業界内で競争回避のために意思の連絡を行い価格設定を行うことは、独占禁止法の不当な取引制限で禁止されています。 上記の場合には、バリュープライシング以外が起点の観点となるため、自社の事業内容を3つの観点(3C)で整理し、自社の事業に合ったプライシングの注力観点を見定める必要があります。 バリューベースプライシングとは|顧客価値に基づいた価格設定・価格戦略をおすすめする理由 顧客の価値にもとづいて価格を設定する、バリューベースプライシングについて、定義・採用すべき理由・気をつける点・実行方法を解説します。…… 事業ステージに応じた価格戦略 注力すべきプライシング観点が把握できても、取り得る価格は複数存在します。売上/利益が最大化する価格、顧客が最も増える価格、もしくはブランド価値を高めるための価格という選択肢もあります。 現在の事業状態と事業目標に照らして合目的な価格設定を選択する必要があります。 ここでは事業ステージごとの価格の選択で最も基本的な売上/利益、顧客獲得のどちらを優先すべきかについてを、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)に沿って検討する方法をご紹介します。 プロダクトポートフォリオマネジメントは、「市場成長性」と「市場における相対シェア」の2つを軸にした4象限に事業をプロットする手法です。 各象限で取りうる価格戦略を判断することができます。 問題児:成長率高・シェア低 自社の事業が成長率高・シェア低の問題児の場合、この事業は成長市場なのでシェアをより獲得していくべきステージです。この場合、価格設定は顧客最大となる価格をつける戦略が有効です。 花形:成長率高・シェア高 自社の事業が成長率高・シェア高の花形の場合、この事業は参入障壁を作るステージです。 この場合、取り得る価格は顧客最大価格・利益最大価格の2つが考えられます。 まず、顧客最大となる価格を設定し、顧客数を囲い込み販売数をあげることで製品一つあたりのコスト効率を高め参入障壁を築く戦略です。 もしくは利益最大価格をつけることで得た収益を、製品投資し差別化要因を強化して参入障壁を築く戦略もあり得ます。花形事業は、自社の事業戦略上どちらで参入障壁を作るかを決定し、顧客最大か利益最大かを選択することができます。 金のなる木:成長率低・シェア高 自社の事業が成長率低・シェア高の金のなる木の場合、この事業は収益回収のステージです。利益最大の価格設定を行い、他事業に投資するための資金回収を行う戦略が有効です。 負け犬:成長率低・シェア低 自社の事業が成長率低・シェア低の負け犬の場合、この事業は撤退・放置のステージです。 価格変更インパクトが価格変更のリスクとコストに見合わないため、価格は現状維持が推奨されますが、自社の別の製品に対してシェアの奪い合い(カニバリズム)が発生している場合には、価格変更を行い他事業への負の影響をなくすことが推奨されます。 このように事業ステージに合わせて、価格設定を行うことで事業戦略と合目的の価格設定を行うことができます。価格決定でもちいる顧客最大価格、売上/利益最大価格については、仮説から試算することもできますが、バリュープライシングで顧客調査を行い、テスト実施することでより根拠をもった意思決定を行うことができるようになります。 PSM分析とは|最適価格を見つける調査方法と手順 最適価格を見つける価格調査である、PSM分析について解説します。…… 事業による価格の変更サイクル 価格の変更サイクルは、日頃の値引き、値上げなどの短期サイクルのものと長期サイクルの基本価格の変更に分けられます。 短期サイクルの価格変更 短期サイクルの価格変更は、明示的には特に在庫がある業界で用いられます。在庫があまりそうな場合、値引きを行うなどが行われます。非明示的なものとしては、B2Bビジネスで顧客ごとに値引きを行う場合も、短期での価格変更と考えることができます。 どちらの場合も、値引き及び値上げのルールを作成しておき、ルールに沿った運用を行うことが大切です。在庫がある事業の短期の価格変更の運用を円滑に回すものとして価格監視ツールや、自動価格設定ツールや需要を予測して価格変更を自動で行うダイナミックプライシングがあるのでこういったものを利用することで設定されたルールを確実に遂行することができます。 長期サイクルの価格変更 長期サイクルの価格変更は、年間で1、2回の基本価格の見直しです。この際は、事業ステージの応じた価格戦略の選択を再度行います。事業ステージが変わらず現状価格維持が最も適している場合もありますが、定期的に支払意欲調査を行い、顧客最大価格、売上/利益最大価格に変化がないかを定点観測していくことで事業環境の変化から最適な価格戦略を実施できるようになり、価格がコントロールできるものになります。 まとめ この記事では、事業に適した価格戦略を行うための方法についてご案内しました。 まず、プライシングにおいて重要な3観点(3C)を踏まえた上で、自社の事業に合わせたプライングを選択することが大切です。次に事業ステージに合わせた価格戦略を選択し、価格の運用ルールを定め実行していくことが推奨されます。最後に定点的に支払意欲を観測していくことで、価格改定をサイクルさせコントロールできるものにする方法についてご紹介しました。 皆様の事業が価格によって、より加速することを願っております。価格についてのご相談はお気軽にプライスハックまでよろしくお願いします。

バリューベースプライシングとは|顧客価値に基づいた価格設定・価格戦略をおすす...

2021/01/25

顧客の価値にもとづいて価格を設定する、バリューベースプライシングについて、定義・採用すべき理由・気をつける点・実行方法を解説します。 バリューベースプライシングとは2 バリューベースプライシングをすべき企業3 バリューベースプライシングのを採用すべき理由3.1 商品・サービスに対しての正しい利益を得られる3.2 顧客価値起点の製品・サービスの改善3.3 効果的な価格戦略を構築できる4 バリューベースプライシングで気をつけるべき点4.1 専門的な知識と十分なデータが必要になる4.2 継続的な実行の必要性5 バリューベースプライシングの実行方法5.1 顧客セグメントを定義する5.2 顧客価値を仮定する5.3 顧客調査を実施する5.4 価格を設定する6 まとめ バリューベースプライシングとは バリューベースプライシングとは、顧客が商品・サービスに感じている価値に基づいて価格を設定することです。 バリューベースプライシングにより、商品・サービスの価格を原価や競合の価格にとらわれずに、値段を決められます。 バリューベースプライシングをすべき企業 顧客の購入起点で、売り手と買い手の関係は始まるので、一部の場合を除き顧客起点のバリュープライシングから始めることが、どのような事業においても有効です。 また、バリューベースプライシングは他のプライシングと異なり、調査を行うことで顧客の購入可否を予想できるため、理想的な状態での販売数、売上の推計をおこなうことができ、計画性をもった事業運営が可能になります。 一方、バリューベースプライシングが有効でない一部の場合とはどのような時でしょうか、それは下記のようなケースです。 ・製品カテゴリに差別化要因がない 差別化要因のない製品カテゴリでは、廉価なものが顧客に選考されるため競合ベースの価格設定が有効となります。 ・商習慣により該当製品群の平均売価が顧客の知覚価値より高い コストベースの価格設定を業界全体で行っており*、実際の売価が顧客の知覚価値より高い場合(売価>知覚価値)は、バリューベースの価格設定は単価の引き下げを生み、売上を毀損することが考えられます。 *業界内で「競争回避のための、意思の連絡」を行い価格設定を行うことは、独占禁止法の不当な取引制限で禁止されています。 バリューベースプライシングのを採用すべき理由 バリューベースプライシングの採用すべき理由は次の3点があげられます。 商品・サービスに対しての正しい利益を得られる バリューベースプライシングでは、自社の顧客の支払意欲に基づいた価格設定を行うため、顧客にとって高すぎて検討に乗らない価格を設定することや、顧客にとって安すぎて品質が低いと感じる価格が設定されることが減り、商品・サービスに対しての適切な対価を得られるようになります。 また、商品・サービスの開発・改善を繰り替えし、顧客が感じている価値が上昇した場合、それに応じた値上げも可能です。 例として東京ディズニーランドは開園以来、顧客の価格に対する感度を参考に10回以上の価格改定を行っていますが、顧客価値が向上しているため値上げが可能になっている考えられます。 顧客価値起点の製品・サービスの改善 バリューベースプライシングは価格に顧客価値という観点が入るため、顧客価値を満たす製品・サービス開発をおこなえます。 顧客価値のある製品・サービス特性を把握することで、より強みを強化する製品・サービス改善が可能になるだけでなく、バリュープライシングの調査で明らかになった顧客の支払意欲と現在の製品にギャップがある場合においても、それを埋めるためのサービス改善を行うことが可能になります。 結果として顧客満足度をあげることができ、長期的な顧客との関係性を作ることが可能です。 効果的な価格戦略を構築できる バリューベースプライシングの最大の利点は、顧客の支払意欲の把握により、価格変更による顧客数の変化を推定できることになります。 価格変更による顧客数の変化を推定することで、事業戦略上必要な顧客の離脱を起こす価格改定を避けることができ、戦略的な価格戦略を実行できます。 バリューベースプライシングで気をつけるべき点 バリューベースプライシングは、顧客の感じる価値に基づいて価格設定がおこなえますが、実行フェイズにおいては2点の注意が必要になります。 専門的な知識と十分なデータが必要になる バリューベースプライシングを実際におこなうためには、それに対応した専門的な知識と十分なデータが必要になります。特に、顧客の価値を価格として表すために、顧客調査を行うには価格と調査に対する専門性と時間を要します。 このことから、多くの企業は原価に基づいた価格設定や競合他社ベースの価格設定を採択しているのが現状です。 PSM分析とは|最適価格を見つける調査方法と手順 最適価格を見つける価格調査である、PSM分析について解説します。…… 継続的な実行の必要性 バリューベースプライシングによる価格設定は、顧客が感じている価値を価格として反映させたものになります。事業活動による改善、ターゲット・市場の変化で、顧客が感じる価値は変動します。 そのため、1度だけ設定したら終わりでなく、継続的に顧客の価値を調査し価格設定をし続けることで、継続的に顧客価値を反映した価格設定が重要になります。 バリューベースプライシングの実行方法 バリューベースプライシングは、価値を勘案して価格設定することですが、より確度の高い事業運営を行うために、顧客調査を行うバリュープライシングの実行方法をご紹介します。 顧客セグメントを定義する 製品・サービスに感じる価値は、顧客セグメントごとに異なります。 顧客調査を実行する前段階として自社の製品・サービスを利用する顧客セグメントを仮定することが必要です。 顧客価値を仮定する 自社の製品・サービスに対して、顧客セグメントごとに価値を感じているであろうポイントを仮定します。 調査の前段階として価値を仮定することで、顧客調査の段階で価値と支払意欲の関係性を把握することができるようになります。 顧客調査を実施する 顧客セグメントとセグメントごとの価値を仮定できたら、PSM分析などの支払意欲を調査する手法を用いて顧客調査を実施します。 調査段階では、誰に何を調査するかの調査設計が必要になります。 他の調査と比較してバリューベースプライシングの調査の特徴として、価値を定量化するために価値を想定できる状態の対象に調査をおこなう点があげられます。 自社の顧客に対して調査をおこなうか、自社製品・サービスを調査の前段階として伝えるなどの工夫が必要です。 価格を設定する 顧客セグメントに対して得られた支払意欲のデータをもとに価格を設定します。 顧客調査による支払意欲の把握により、価格変更によって生まれる顧客増減、売上増減を推計できるため、事業目的に合わせて顧客最大化、売上最大化の価格を選択します。 ここで、適切な調査が実施できている場合は、価格変更によりどういった属性の顧客が離脱するかもしくは増えるかといったこともわかるため、事業戦略と相反していないかの確認もここでおこない、事業戦略に適した価格設定を決定します。 事業戦略に適した価格設定については、こちらの記事もお読みください。 プライシング戦略とは?事業に適した価格設定の基本 価格戦略(プライシング)の重要性・様々な価格戦略について解説します。商品を最適な価格に設定することは、商品の利益を上げるための有効な手段です。…… SaaSプライシング戦略|SaaS事業に適した価格戦略 SaaS業界でプライシングが注目されているわけ 近年、SaaS業界におけるプライシングに対する注目度は、他の業界と比べ異常なほど高いです。理由は簡単で、海外VCを中心にプライシングの重要性、その効果…… まとめ バリューベースプライシングは、顧客の価値に基づいて価格を設定することです。 顧客価値に応じて価格を設定することは、よりよいサービス改善や効果的な価格戦略に繋がります。 バリューベースプライシングを行なった価格戦略が自社の商品・サービスに適しているか相談したい事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。