低価格戦略とは?意味、成功した企業事例、11つの成功要因、実施する際の注意点

企業のポジショニングを決める上で、低価格と高価格のどちらを選ぶかは最も重要な意思決定になります。低価格と高価格について、どのようにして判断するのが良いのでしょうか。

今回は、低価格戦略で成功した企業事例、成功要因を紹介していきます。

高価格戦略の詳しい記事はこちら。

低価格戦略とは

低価格戦略とは、競合他社よりも相対的に低価格で製品やサービスを提供し、マーケットシェアを獲得する戦略のことです。コストリーダーシップ戦略ともいわれます。この方法は製品が大量に生産でき、かつコモディティ化が進んだ製品によく使われる戦略です。

一般的に、低価格で提供すると利益率は低くなってしまいます。そのため、短期的には利益を得ることはできませんが、長期的に利益を得ることができます。

低価格戦略で成功した企業

H&M

スウェーデン発のアパレルメーカーであるH&Mは、低価格戦略で成功している例として有名です。

例えばH&Mでは、基本的にTシャツは1000円から2000円程で、かなり低い価格設定となっています。賃金が安い国に生産拠点を置くなどの工夫をし、徹底的にコストを削減することによって低価格を実現しています。

(出典:WWD)

アマゾン

ECサイトで有名なアマゾンも低価格戦略で成功を収めた例として有名です。

出品業者の膨大なデータから、売れ筋商品をあらかじめ判断し、その商品を大量に入荷して直販するというやり方で低価格を実現しています。

現在日本国内ではEC業界トップの売り上げを誇っています。

(出典:amazon)

QBハウス

ヘアカット専門店のQB ハウスも低価格戦略が成功している例として有名です。QB ハウスではカット一回1200円という価格が設定されています。

従来の理髪店とは違い、カットのみ行い、シャンプーや髭剃りを行いませんが、低価格や短時間などの手軽さで、顧客満足度を高く維持しています。

(出典:千代田より)

10つの成功要因

低価格戦略で成功している企業には共通する戦略があります。ハーマン・サイモンは自身の本「Confessions of the Pricing Man: How Price Affects Everything 」の中で、低価格戦略における成功要因を次のように述べています。

最初から低価格で始める

成功している低価格企業はいずれも、最初から低価格と大量販売に専念しています。多くの場合、根本的に新しいビジネス・モデルを作り出しているのです。高価格帯や中間帯の価格ポジションから低価格へ転換して成功した企業はほとんどありません。

効率性を重視する

成功している低価格企業はいずれも、コスト効率やプロセス効率に極めて優れており、低価格にしながら、申し分ない利益率や利益総額を享受できています。

妥当なレベルでかつバラツキのない品質を約束する

低価格で提案しても、粗悪でバラツキのある品質だったならば、おそらく成功しないでしょう。持続可能な成功には、妥当なレベルで一貫性のある品質が求められます。

コア製品に特に集中する

格安会社に対してよく「ノーフリル」という言葉が使わます。付帯サービスがなく、基本的なサービスのみを提供することです。重要な顧客価値を危険にさらすことなく、コストを節減することが重要です。

高成長と高収益を重視する

高成長と高収益を重視することは大切です。これによって企業の規模が拡大することによって生み出される利得を最大限に活用できます。

借金を避ける

銀行借入れや金融市場からの資金調達を検討するのはごく稀で、それよりも自己資金やサプライヤーズ・クレジット(輸出延払金融)に依拠します。

できる限り自社でコントロールする

これは自社ブランドしか扱わないことを意味し、アルディなどは品揃えの90%以上を自社ブランドが占めています。バリューチェーン全体にも強いコントロールを利かせています。

広告宣伝は価格に特化する

低価格戦略ではコストを持続的に削減して行く必要があります。そのため、広告宣伝は価格に特化する必要があるのです。また場合によっては、広告すらしないこともあります。

メッセージを混在させない

「低価格と高収益」で成功しているほぼすべての企業が、一時的なプロモーションを多用する「ハイロー(High&Low)戦略」ではなく、「エブリデー・ロープライス(EDLP)戦略」を堅持しています。

自社の役割を理解する

ほとんどの市場は「低価格と高収益」で戦える企業の数は限定されており、わずか1,2社ということが多いのです。そのため、自社のポジションを理解して置く必要があるのです。

低価格戦略をとる際の注意点

持続的にコスト削減を行わないと、長期的な収益が見込めなくなってしまいます。企業が低価格で一貫して高い利益を達成することは可能ですが、それは競合他社に対して、明確かつ顕著かつ持続可能なコスト優位を持つ場合に限られるのです。

まとめ

今回の記事では低価格戦略について解説しました。低価格戦略は持続的にコスト削減をおこなって行く必要があります。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。

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執筆者

執筆者

高橋 嘉尋

CEO at プライシングスタジオ株式会社

プライシング専門メディア「プライスハック」を監修するなど、プライシングに関する専門知識が豊富。プライシングスタジオの全案件にて、クライアント企業の価格課題分析 及び プライシングのアドバイザリー業務を担当。コンサルティング経験としては、飲食業界のプライシングに関する長期プロジェクトに参画し、売上改善を達成。

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