アクセス解析ツール業界の料金体系比較まとめ調査・価格設定の考察

この記事では、アクセス解析ツール業界における各社の価格調査および価格設定に関する考察をおこないます。

アクセス解析ツールとは

アクセス解析ツールとは、Webサイトを訪れるユーザーの経路やページの閲覧数を分析し、Webサイトの改善に役立てることができるサポートツールです。サイトへのアクセスデータや、サイト内での行動データを解析し、訪れるユーザーの属性や、興味を持たれるコンテンツ、ユーザーの離脱タイミングなどを把握できます。アクセス解析ツールは、ユーザーの行動解析から、ページごとのアクセス情報の解析など、サービスによってさまざまな機能を持ちます。

機能 概要
訪問者分析 Webサイトの訪問者の属性を分析
トラフィック分析 訪問者がどのように流入したかを分析
行動分析 訪問者がWEBサイトでどのように行動したかを分析

アクセス解析ツールの価格・料金体系の概要

アクセス解析ツールは、月額課金が一般的で、主に「単一価格モデル」「複数パッケージ価格モデル」「アクセス数に応じた従量課金モデル」といった3つの価格体系が設定されています。また、アクセス解析ツールはほとんどのサービスでフリーミアムが設定されています。

一部のサービスでは設定費用として初期費用を設定している場合がありますが、アクセス解析ツール業界では一般的ではありません。有料のアクセス解析ツールと似た料金体系を採用している業界としては、BIツール、採用管理システムなどもあげられます。

アクセス解析ツールの価格体系比較

サービス名 月額料金 価格体系 初期費用
Googleアナリティクス 0円 フリーミアム
アクセス解析研究所 0円 フリーミアム
FC2アクセス解析 0円 フリーミアム(※1)
忍者アクセス解析 315円 単一価格
フリーミアム
1,290円
ptengine 14,800円(※2) 複数価格
フリーミアム
SiteTracker 414,000円(※2) 複数価格
i2i.jp PC:1PV=0.001円
SP:1PV=0.005円
従量課金制
フリーミアム

(調査日:2021年4月23日)

※1:広告表示の必要あり
※2:アクセス数の上限により、プランが区分される

一部サービスに初期費用が設定されている理由

一部のサービスでは設定費として初期費用を設定しています。一般的に初期費用はシステムを導入しても活用できなかった場合にも売上が回収できるように設定されています。

アクセス解析ツールでよく使われている価格体系

アクセス解析ツールでは、アクセス数に応じた「従量課金モデル」「複数パッケージ価格モデル」、さらには完全無料で利用できる「フリーミアム」など、多種多様な価格体系が採用されています。

フリーミアムモデルの概要

フリーミアムとは、無料プランと有料プランの2つの段階に分類し、運用する価格体系です。顧客は、基本的な機能を無料で利用できますが、機能や容量などを追加して利用する際に課金が必要になります。フリーミアムを使うことで、顧客は無料でサービスを利用できることから、導入ハードルを大きく下げられます。フリーミアムを正しく運用することで、顧客獲得単価を下げ、大幅な顧客数増加のドライバーにすることが可能です。

フリーミアムモデルの考察

アクセス解析ツール業界ではサービス数(競合)が多く、かつGoogle社の提供するGoogleアナリティクスという無料の高機能ツールが高いシェアを誇っています。そこで、後発のツールではまずフリーミアムモデルを採用し、ユーザー数の増加を目指すことを優先していると考えられます。

従量課金モデルの概要

従量課金モデルは、ユーザー数や使用時間などの利用した“量”に“従”って課金する、価格体系です。顧客目線だと「使った分だけお金を払う」仕組みになります。ユーザーの使用状況に応じて単価が確定し、請求されるため、金額に対する顧客の納得を得やすくなります。

また、ユーザーの利用状況によっては、一定の金額で使い放題の場合と比べ、より多くの金額を請求できるため収益の最大化につながります。一方、サービス利用前に課金タイミングを設置できない点や、事前に収益予測をする難易度が上がる点が難点となります。ユーザー課金モデルやアクティブユーザー課金モデルも、従量課金制の1つです。

従量課金モデルの考察

Webサイトはアクセス数に応じてつまり、PV数が大きいサイトを持っていればいるほどサービス価値は増大し、支払意欲は増加します。アクセス解析ツールでも、利用するサイトのPV数に合わせて従量課金モデルを設定していると考えられます。

複数パッケージ価格モデルの概要

複数のパッケージ(いわゆる「プラン」のこと)を提示する、SaaSで広く取り入れられている価格体系です。さまざまなニーズに対応でき、顧客ごとの売上最適化に近づきます。

また、質の高い機能や多くのストレージを提供する必要がある顧客に対して、価値に見合った金額を受け取れることから、利益を増加させられます。

一方で、選択肢が多すぎたり、プランの差が複雑だと顧客にとって検討事項が増えてしまい、購入障壁を高めることにつながるため、顧客ニーズに合致した選択肢を3つ程度に留めるよう注意が必要です。

複数パッケージ価格モデルの考察

提供する顧客のサイトのPVによりサービスに対する支払意欲(または支払可能額)が向上する場合、従量課金モデルだけでなく、複数パッケージ価格モデルも相性がいいです。

従量課金モデルの場合、事前に利用料を把握することが不可能なため、前払いによる資金回収ができません。これにより、キャッシュフローの悪化や、資金回収コストが積み上がることになります。一方、利用セグメント毎(10万PV以上のサイトと、それ以下のサイトなど)にある程度導入効果が均一化されるようであれば、利用セグメント毎の支払意欲(または支払可能額)に合わせた複数パッケージ価格モデルの設定をすることで、それをその課題を解決できます。

プライスハックが推奨する価格体系

アクセス解析ツール業界で初期費用の設定は通例的ではありませんし、無料で利用でき、かつ機能が豊富な圧倒的にシェアの高いツール「Googleアナリティクス」が存在します。初期費用があることで、導入検討時にユーザーが割高に感じ足切りする可能性を高めるため、収益性を改善するには初期費用を設定するよりは月額料金を値上げすることを推奨します。

有料で提供しているアクセス解析ツールは、フリーミアムが推奨されます。業界最大手のGoogle Analyticsが完全に無料で利用できるため、Google Analyticsとの違いや価値を、顧客に知ってもらう必要があります。フリーミアムは最も有効的な手段といえるでしょう。

フリーミアムから有料にプランに切り替えるタイミングで、従量課金モデルか複数パッケージ価格モデルを設定するのが最も好ましいでしょう。アクセス数に最も顧客は価値が感じやすいため、アクセス数に比例した料金プランの相性が最もいいためです。

プライシングを適正化するためには

ここまで、アクセス解析ツールに最適な価格体系について考察してきました。最適なプライシングは、大きく3つの要素から決まります。

①顧客:顧客は誰か、顧客は自社の製品の何に価値を感じるか(ある機能、ユーザー体験、外部ツール連携など)、顧客セグメント(SMB、エンタープライズなど)によって支払意欲は大きく変わります。どんな顧客の課題を解決するために生まれたプロダクトか、現在の顧客はどのような属性かといった内容をプライシングに反映させる必要があります。

②競合:誰が競合なのか、競合はいくらで提供しているか、競合との価値の違いは何かを把握する必要があります。SaaSにとっては、同じSaaSの競合の他、買い切りソフトウェアや代替サービスも競合となるので注意が必要です。

③コスト:販売するほど生まれるコストはいくらか、販売量によってコスト構造は変わるかを検討します。SaaSにとっては、開発コストの他、カスタマーサクセスのコストを検討する必要があります。

これらの要素は、絶えず行われる機能アップデートや、大型ファイナンスによる積極的なマーケティング、組織拡大などから日々変化します。理想は四半期に一度、少なくとも半期に一度は、価格改定をするべきです。米国では約40%のSaaSスタートアップが少なくとも半期毎に価格を見直しているというデータもあります。

社内で画一化された分析手法を確立し、迅速な意思決定ができる体制を構築する必要があるでしょう。それには、プライシング分析の専任者を採用するか、プライシングの分析ツールを導入するのが最も効果的です。実際のところ、国内スタートアップでは、まだまだ価格分析におけるアプローチが浸透していないのが現状で、専任者の採用は困難を極めます。費用的にも圧倒的にお得なPricing Sprint(LPのハイパーリンク)などのプライシングの分析ツールが最も手軽なアプローチといえるでしょう。

戦略的なSaaSプライシングを実践したい方は、無料ホワイトペーパーをご一読いただくか、プライスハックまでお問い合わせください。

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価格改善クラウド
執筆者

執筆者

高橋 嘉尋

CEO at プライシングスタジオ株式会社

プライシング専門メディア「プライスハック」を監修するなど、プライシングに関する専門知識が豊富。プライシングスタジオの全案件にて、クライアント企業の価格課題分析 及び プライシングのアドバイザリー業務を担当。コンサルティング経験としては、飲食業界のプライシングに関する長期プロジェクトに参画し、売上改善を達成。

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