マッチングアプリ業界の料金体系比較まとめ調査・価格設定の考察

この記事では、マッチングアプリ業界における各社の価格調査および価格設定に関する考察をおこないます。

マッチングアプリ業界とは

マッチングアプリとは、恋愛や結婚などを目的とした出会いのきっけかを提供するアプリです。

マッチングアプリの仕組みは、ユーザーは気に入った相手へ「いいね」と呼ばれるマッチングリクエストを送り、その相手も「いいね」を送り返すことでマッチングが成立し、アプリ上で連絡をとれます。

マッチングアプリ業界の市場規模

市場規模は年々右肩上がりで成長を続けており、さらに新型コロナウイルス感染症の影響からオンラインでの出会いにニーズも高まり、今後も大きく成長する業界と考えられています。

(出典:マッチングエージェント)

マッチングアプリ業界の価格・料金体系の概要

マッチングアプリ業界は、主に月額制のサブスクリプションモデルが利用され、ほとんどのサービスで、ユーザーごとに契約し、機能数によって値段が変動する複数パッケージ価格モデルが設定されています。

これは、男女の出会いを提供するというサービスの性質から男性・女性ともにユーザーが必要です。しかし、ほとんどのマッチングアプリで男性ユーザーの比率が高く、より多くの女性ユーザーの確保が課題となっています。そのため、女性ユーザーを有料化することでサービスから離脱してしまうことを想定し、無料でサービスを提供しています。

マッチングアプリと似た料金体系を採用している業界としては、転職志望者へ直接連絡を取ることが可能な一部のダイレクトオファー系の採用管理システムがあります。

これは、転職志望者と採用を募っている企業がマッチングできる、マッチングした後に連絡を取り合うことが可能になることに価値が発生するため、同じような料金体系になるといえます。

マッチングアプリ各社の価格体系比較

 

サービス名 月額料金 価格体系 初期費用 ボリューム
ディスカウント
その他
Tinder 917円〜 複数価格
ペアーズ 1,320円〜 複数価格
Match. 1,690円〜 複数価格
with 1,833円〜 複数価格
Omiai 1,950円〜 複数価格
タップル 2,234円〜 複数価格
ゼクシィ縁結び 2,400円〜 複数価格
youbride 2,400円〜 複数価格
マリッシュ 3,400円〜 複数価格
東カレデート 4,133円〜 複数価格
ペアーズエンゲージ 8,300円〜 単一価格 9,800円

※従量課金制のポイントサービスあり

(調査日:2020年12月10日)

月額料金では主に何ができるようになるのか

月額料金を支払うことでユーザーはマッチングした相手と回数制限なく連絡をとり合うことが可能になり、合意がとれた相手との出会いが可能になります。

プレミアムオプションは何ができるのか

より詳細な条件で相手を探すことが可能になる、条件検索後にプレミアムオプションユーザーが上位に表示されやすくなる、などユーザーが気に入った相手とマッチングしやすくなるアップセルプランとして設計されています。プレミアムオプションを使う・使わないで別けられる複数パッケージモデルだと言えます。

ポイントでは主に何ができるようになるのか

ポイントを購入することで、「いいね」を追加で送ることが可能になる、コメントつき「いいね」を送るなどの追加機能が利用できます。

月額料金にボリュームディスカウントがとられている理由

出会いというニーズをユーザーが満たした場合、継続的に利用してもらうことができないため、1ユーザーあたりの売上を増やすために「3ヶ月パック」「6ヶ月パック」などのボリュームディスカウントが行われています。

フリーミアムでできること

マッチングアプリ業界の代表的なフリーミアムの体系として、相手を検索し「いいね」を送り1回目の連絡までが無料で利用できます。
Tinderは独自のフリーミアム体系をとっており、無料でも連絡回数に制限はなく1日に送れる「いいね」の数を100件にする形で制限しています。

なぜ、ペアーズエンゲージだけ入会費があるのか

ペアーズエンゲージにのみ設定されている入会費は、主に2つの理由から設定されています。1つ目は、ペアーズエンゲージは結婚を目的とした出会いを提供しているため、カジュアルな出会いを求めるユーザーの足切りをするためです。2つ目は、6ヶ月プランを利用すると入会費が無料になることから6ヶ月プランへの遷移を促すためです。

マッチングアプリ業界の価格体系に関する考察

月額料金制がマッチングアプリ業界で設定されている理由としてはサービスへの信頼度を高めるためであると考えられます。メッセージごとなどで料金が発生する(従量課金制)旧来の出会い系アプリでは、運営会社がサクラ会員を雇い、通常のユーザーに対して課金を促すとう問題がありました。一方、月額制のマッチングアプリではメッセージも出会いも利用し放題という観点からサクラ会員を必要とせず、運営会社に対する信頼度も増されます。

長期利用によるボリュームディスカウントをとることで、長期間の利用を促し出会いが成立する可能性が高まり、サービスへの価値を感じやすいというメリットがあることから月額料金制がマッチングアプリ業界では設定されていると考えられます。

月額料金制の他には、出会いが成立する度に料金が発生する成果報酬制、「いいね」を送る・連絡をとる度に料金が発生する従量課金制の可能性も考えられますが、マッチングアプリ業界では設定されていません。

出会いが成立する度に料金が発生する成果報酬制が設定されていない理由として、出会いを作れないユーザーから売上を回収できない、サービス利用開始から売上が発生するまでの期間が一定でないため売上予測を作りにくい、というデメリットがあるためです。

「いいね」を送る・連絡をとる度に料金が発生する従量課金制は、相手との連絡ができないとユーザーのモチベーションが下がり離脱されてしまい売上を回収できない、成果報酬制と同様にサービス利用開始から売上が発生するまでの期間が一定でないため売上予測を作りにくい、というデメリットがあるため設定されていません。

プライシングを適正化するためには

これまで業界全体の価格体系について解説してきました。しかし、これはあくまで現在のトレンドであり、日々の変化に対応していく姿勢が大切になります。また、価格体系はあくまでプライシング戦略の表現方法です。

プライシングは、売上最大化や顧客数最大化などに最も効果的な手段です。自社のビジョンを考えた際、今何が必要なのかを適切に把握し、それに合わせた価格戦略を検討しましょう。

以下の記事を読めば、どんな価格戦略を実行すればいいかがわかると思います。それを踏まえて、価格戦略を策定し、この記事で解説した価格体系という表現方法を検討してみてください。驚くほど、数字に結びつくでしょう。

まとめ

マッチングアプリ業界では主に、フリーミアム、月額料金とプレミアムオプションの組み合わせによる複数パッケージモデル、従量課金制のポイントサービスが主に設定されており、ボリュームディスカウントを設定することで1ユーザーあたりの売上向上を図っています。

マッチングアプリ業界と似たサービスである、結婚相談所では結婚が成立すると料金が発生する成果報酬型を設定していますが、結婚が成立しなかったとしても売上を回収できるように初期費用として入会費を設定しています。

また、出会い系アプリと呼ばれるサービスでは連絡の度に料金が発生する従量課金制を設定していますが、出会い系アプリが架空のユーザー(所謂サクラ)とのやり取りで売上を作っている場合があるため、これらとの差別化を行う意図があるという側面も考えられます。

価格改善クラウド
プライスハック監修

この記事の監修者

プライシングスタジオ株式会社CEO 高橋嘉尋

プライシングスタジオ株式会社CEO

プライシングスタジオは、B2B向け価格改善クラウド「Pricing Sprint」の開発・提供や、様々な産業へのダイナミックプライシング受託開発・導入サポート事業を展開している。また大手飲食チェーン店をはじめとする様々なクライアントに対し、プライシングコンサルティングを実施している。

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