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BI(ビジネスインテリジェンス)ツール業界の料金体系比較まとめ調査・価格設定の考察

2021/05/22 (更新日:2022/03/15)

この記事では、BI(ビジネスインテリジェンス)ツール業界における各社の価格調査および価格設定に関する考察をおこないます。


プライシングスプリント

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは

BIツールとは、日々企業に蓄積されるデータを分析し、意思決定に活用することを助けるシステムです。BIは「Business Intelligence」の略語で、組織のデータを収集・蓄積・分析して可視化することで、経営上の意思決定に役立てる技術や手法を指します。

近年は「データドリブン経営」や「データドリブン・マーケティング」に注目が高まっており、BIツールは、こうしたデータを活用した経営やマーケティングを支援するツールです。BIツールは可視化・分析・計画までをツール上で可能にするため、次のような機能が備わっています。

機能 概要
レポーティング 必要なデータを抽出し、見やすいようにまとめて表示する
OLAP分析 蓄積したデータを分析処理し、データの要因を深堀り特定する
データマイニング 蓄積したデータに対して統計的な処理を行い、有益な情報を引き出す
プランニング 過去のデータをもとに、計画のシミュレーションを行う

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格・料金体系の概要

BIツールは、主に月額制の利用料金を設定しています。その中でも「単一価格モデル」「複数価格モデル」という2つの価格体系が設定されています。さらに、無料でサービスを試用できる体系として、無料トライアルが設定されています。

BIツールと似た料金体系を採用している業界には、採用管理システムやMAが挙げられます。契約した企業ごとの価格になる理由として、一部の部署でしか利用しないシステムはユーザー数が増えることが見込みにくいからです。

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格体系比較

現在、公開されているBIツールの価格一覧は以下の通りです。

サービス名 月額料金 価格体系 無料
トライアル
ボリューム
ディスカウント
Data Knowledge 500,000円〜 単一価格モデル(※1)
Canbus 10,000円〜 複数パッケージ価格モデル
GoodDate 40,000円〜 複数パッケージ価格モデル
Zoho Analytics 2,700円〜 複数パッケージ価格モデル

(※1)追加オプション機能は、従量課金モデル×複数価格モデル

(調査日:2021年4月2日)

BIツールでよく使われている価格体系

BIツールにおいては、従量課金モデルと複数パッケージ価格モデルの2種類の価格体系が採用されています。

単一価格モデル

概要

単一価格モデル(Flat rate pricing model)とは、サービスに対して料金体系が1つであるサブスクリプションモデルです。全てのユーザーに対して単一の製品・機能・価格を提供するため、SaaSの価格体系の中でも最もシンプルなものになります。例えば、ターゲットセグメントが画一的であったり、機能や価値が単一化されているシンプルなサービスで利用されます。

また、事業ニーズがあるかを仮説検証しやすいという観点から、PMFが優先されるシード(新規事業フェーズを含む)・アーリーステージなどで利用されることが多いです。

複数パッケージ価格モデル

概要

複数のパッケージ(いわゆる「プラン」のこと)を提示する、SaaSで広く取り入れられている価格体系です。さまざまなニーズに対応でき、顧客ごとの売上最適化に近づきます。また、質の高い機能や多くのストレージを提供する必要がある顧客に対して、価値に見合った金額を受け取ることができることから、利益を増加させることが可能です。一方で、選択肢が多すぎたり、プランの差が複雑だと顧客にとって検討事項が増えてしまい、購入障壁を高めることにつながるため、顧客ニーズに合致した選択肢を3つ程度に留めるように注意が必要です。

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格体系に関する考察

BIツールのプライシングにあたっておすすめしたい価格体系は次のモデルです。

月額料金は複数パッケージ価格モデルを推奨

BIツールには、複数パッケージ価格モデルが推奨されます。複数パッケージ価格モデルは、複数の価格帯で提供することで、複数の顧客セグメントに対してのニーズを満たすことが可能です。例えば、個人向けのサービスであれば、ユーザーの利用頻度や利用量、法人向けのサービスであれば、大企業か中小企業かで、セグメントごとに価値と合う価格で提供できます。

また、貯めるデータ数が多いほど利用価値が高まるため、データ数や連携できるシステム数の上限をパッケージの区分とするのが推奨されます。

無料トライアルを推奨

無料トライアルを採用している企業が多く、無料トライアルを提供している企業に潜在的な顧客が流れてしまう恐れがあります。業界で確固たる地位がない限り、無料トライアルでまずは使ってもらうようにすることが大切でしょう。

無料トライアルとよく混同されるフリーミアムですが、BIツールにおけてフリーミアムは相性が悪いです。フリーミアムは、基本的な機能を無料で利用できるものの、機能や容量などを追加して利用する際に課金が発生します。多岐にわたる分析の過程で適切に制限をかけることは難しく、価値を正しく理解されない場合が多いためです。

プライシングを適正化するためには

ここまで、BIツールに最適な価格体系について考察してきました。最適なプライシングは、大きく3つの要素から決まります。

①顧客:顧客は誰か、顧客は自社の製品の何に価値を感じるか(ある機能、ユーザー体験、外部ツール連携など)、顧客セグメント(SMB、エンタープライズなど)によって支払意欲は大きく変わります。どんな顧客の課題を解決するために生まれたプロダクトか、現在の顧客はどのような属性かといった内容をプライシングに反映させる必要があります。

②競合:誰が競合なのか、競合はいくらで提供しているか、競合との価値の違いは何かを把握する必要があります。SaaSにとっては、同じSaaSの競合の他、買い切りソフトウェアや代替サービスも競合となるので注意が必要です。

③コスト:販売するほど生まれるコストはいくらか、販売量によってコスト構造は変わるかを検討します。SaaSにとっては、開発コストの他、カスタマーサクセスのコストを検討する必要があります。

これらの要素は、絶えず行われる機能アップデートや、大型ファイナンスによる積極的なマーケティング、組織拡大などから日々変化します。理想は四半期に一度、少なくとも半期に一度は、価格改定をするべきです。米国では約40%のSaaSスタートアップが少なくとも半期毎に価格を見直しているというデータもあります。

社内で画一化された分析手法を確立し、迅速な意思決定ができる体制を構築する必要があるでしょう。それには、プライシング分析の専任者を採用するか、プライシングの分析ツールを導入するのが最も効果的です。実際のところ、国内スタートアップでは、まだまだ価格分析におけるアプローチが浸透していないのが現状で、専任者の採用は困難を極めます。費用的にも圧倒的にお得なPricing Sprintなどのプライシングの分析ツールが最も手軽なアプローチといえるでしょう。

戦略的なSaaSプライシングを実践したい方は、無料ホワイトペーパーをご一読いただくか、プライスハックまでお問い合わせください。

プライスハック監修

執筆者

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役社長

これまでリクルートをはじめとする大手企業から中小企業まで数十サービスの価格決定を支援。また、公的機関、学会、雑誌などへのプライシングに関する論文提出や講演会、寄稿などを通じ、プライシングに対するノウハウを積極的に発信。慶應義塾大学在学中に起業。

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2021/01/23

SaaSにおける価格体系の特徴・メリット・デメリットを代表例を挙げながら、解説します。それぞれの価格体系の特徴を踏まえて、各事業者様が価格を設定する際に役に立てば幸いです。 今さら聞けないSaaSとは?1.1 SaaSの4つの代表的な価格体系2 1. 単一価格モデル3 2. 複数パッケージ価格モデル3.1 1.段階的なユーザーモデル(Tiered user model)3.2 2.段階的なストレージモデル(Tiered storage model)3.3 3.機能別モデル(Feature based model)4 3. 従量課金制4.1 1.使用量課金4.2 Datadog(データドッグ)4.3 2.成果報酬型4.4 BIZREACH(ビズリーチ)4.5 3.ユーザー課金4.6 Salesforce(セールスフォース)4.7 4.アクティブユーザー課金4.8 Slack(スラック)5 4. フリーミアム6 まとめ 今さら聞けないSaaSとは? SaaS(Software as a Service)とは、電子メールやカレンダー、スケジュール管理、ドキュメント作成、人事・給与・勤怠・労務管理、プロジェクト管理などのアプリケーションをインターネット経由で提供するサービスです。完全無料のSaaSもありますが、多くの場合ユーザーは利用料を支払って利用します。 では、SaaSには実際にどのような価格体系が存在するのでしょうか。 SaaSの4つの代表的な価格体系 SaaSの価格体系は基本的にサブスクリプションになっており、中でも4種類の価格体系に分類されます。それは、 ・単一価格モデル ・複数パッケージ価格モデル ・従量課金モデル ・フリーミアム の4つです。 事業を成長させるためにも価格体系を把握しておくことはとても重要です。次はそれぞれの料金モデルについて詳しく解説していきます。 1. 単一価格モデル 単一価格モデル(Flat rate pricing model)は、サービスに対して料金体系が1つである価格体系です。 全てのユーザーに対して単一の製品・機能・価格を提供するため、SaaSの価格体系の中でも最もシンプルなものになります。 例えば、ターゲットセグメントが画一的であったり、機能や価値が単一化されているシンプルなサービスで利用されます。また、事業ニーズがあるかを仮説検証しやすいという観点から、PMFが優先されるシード(新規事業フェーズを含む)・アーリーステージなどで利用されることが多いです。 一方で、幅の広い顧客層のニーズに1つのプランで応えるということは難しく、SaaSの価格体系としてあまり多くは見受けられません。 メリット シンプルでわかりやすい 事業ニーズがあるかを仮説検証しやすい デメリット 幅広いユーザーのニーズに応えることが困難 売上の向上が困難 単一価格モデルとは?メリット・デメリット・導入企業例【SaaS価格体系】 この記事では、SaaSの価格体系のうちの1つの「単一価格モデル」について解説します。単一価格モデルは、シンプルな価格体系であるため、顧客に伝えやすく販売しやすいというメリットがある反面、顧客のニーズに…… 2. 複数パッケージ価格モデル 複数のパッケージ(いわゆる「プラン」のこと)を提示する、SaaSで広く取り入れられている価格体系です。さまざまなニーズに対応でき、顧客ごとの売上最適化に近づきます。 また、質の高い機能や多くのストレージを提供する必要がある顧客に対して、価値に見合った金額を受け取ることができることから、利益を増加させることが可能です。 一方で、選択肢が多すぎたり、プランの差が複雑だと顧客にとって検討事項が増えてしまい、購入障壁を高めることにつながるため、顧客ニーズに合致した選択肢を3つ程度に留めるように注意が必要です。 メリット 幅広いニーズに対応できる 利益増につながる デメリット 顧客ニーズに合致した価格設定のバランスが難しい 複数パッケージ価格モデルの種類を紹介します。 1.段階的なユーザーモデル(Tiered user model) 段階的なユーザーモデル(Tiered user model)とは、利用できるユーザー数の違いによって、価格を複数設定するモデルです。利用機能に違いを作りにくいが、1社で利用する人数が多いサービスで設定される場合が多いです。 2.段階的なストレージモデル(Tiered storage model) 段階的なストレージモデル(Tiered storage model)とは、利用できるストレージの量にもとづき、価格を複数設定するモデルです。ストレージサービスなど、使用可能な量に沿って利用価値が上がるサービスに多い価格体系です。 3.機能別モデル(Feature based model) 機能別モデル(Feature based model)とは、顧客が利用可能な機能に応じて、複数の料金プランを設定するモデルです。顧客のペルソナと必要とされる機能の把握ができていると設定しやすく、使用できる機能の数が多くなるほど価格は高くなります。 複数パッケージ価格モデルとは?メリット・デメリット・導入企業例【SaaS価格体系】 複数パッケージ価格モデルは2つ以上の料金プランを提供する価格体系です。複数のプランを用意することで、顧客のニーズに応じた料金を提示することができるため、SaaSの中でも主要な価格体系になります。…… 3. 従量課金制 従量課金制は、ユーザー数や使用時間などの利用した“量”に“従”って課金する、価格体系です。顧客目線だと「使った分だけお金を払う」仕組みになります。 ユーザーの使用状況に応じて単価が確定し、請求されるため、金額に対する顧客の納得を得やすくなります。また、ユーザーの利用状況によっては、一定の金額で使い放題の場合と比べ、より多くの金額を請求できるため収益の最大化につながります。 一方、サービス利用前に課金タイミングを設置できない点や、事前に収益予測をする難易度が上がる点が難点となります。 メリット 顧客の納得を得やすい 収益を最大化させやすい デメリット 前払いをしてもらえない 事前に収益予測ができない 利用を控えられる可能性がある 従量課金制とは?料金モデルの仕組み・メリット・デメリット【SaaS価格体系】 従量課金制は「使った分だけお金を払う」価格体系です。プライシングの理論でいうと、最も収益性が高く考えられるビジネスモデルです。今回は従量課金制のメリット・デメリット・種類を紹介します。…… 従量課金制の種類を紹介します。 1.使用量課金 使用量課金は、特定の機能を利用した回数や保存できるデータの量、アクセスできるストレージの量など、サービスの何かを利用・アクセスした量に応じて課金されるモデルです。 Datadog(データドッグ) 使用量課金型の従量課金モデルの代表例として、監視アプリケーションサービスを提供するデータドッグが挙げられます。 次の画像のようにデータドッグが提供するリアルユーザーモニタリングのサービスでは1マンセッションごとに課金される仕組みになっています。 (出典:Datadog) 2.成果報酬型 成果報酬型は、成果が発生した場合に課金されるモデルです。例えば、採用媒体で人材を獲得した場合に課金が発生する場合はこれに該当します。 月額利用料に加えて成果報酬が発生するサービスもあれば、月額利用料はなく成果報酬のみ発生するサービスもあります。 BIZREACH(ビズリーチ) 成果報酬型の従量課金モデルとして転職支援サービスを提供するビズリーチが挙げられます。 ビズリーチではシステム利用料に加えて、入社した際の成功報酬が発生します。 (出典:ビズリーチ) 3.ユーザー課金 ユーザー数課金は、顧客企業に付与したアカウントの数に応じて単価が上がるモデルです。顧客の利用アカウント数が増える度に、自動で単価が増加するため、追加営業やパッケージの変更なく売上を増加させることが可能になり、使い方次第では非常に強力な収益増加のドライバーになります。 Salesforce(セールスフォース) ユーザー課金型の従量課金モデルを用いている企業の代表例として、顧客管理クラウドで有名なセールスフォースが挙げられます。 セールスフォースでは次の画像のように、価格表には1ユーザーごとの金額が表示されており、サービスを使う使うユーザーの数によって金額が変わるのです。(出典:Salesforce) ユーザー課金モデル(Per User Pricing)とは|メリット・向いている企業【SaaS価格体系】 SaaSの価格体系の従量課金制のなかで利用されるユーザー課金モデル(Per User Pricing)について紹介します。…… 4.アクティブユーザー課金 ユーザー課金モデルの場合は、サービスの利用状況に関わらず料金が発生する一方、アクティブユーザー課金モデル(Per active user pricing)は、サービスを利用していないアカウントには料金が発生せず、過去のログイン履歴などを参照し、サービスを利用しているアカウント数のみに料金が発生するモデルです。 ユーザー課金よりも単価を抑えやすいぶん、顧客に好まれやすいというメリットがある反面、収益や業務内容、コスト面で様々な懸念点があるため、自社の状況をしっかりと鑑みて実施することが望ましくなります。 Slack(スラック) アクティブユーザー課金型の従量課金モデルを用いているサービスとして、ビジネス用メッセージングアプリのスラックが挙げられます。 実際は次の画像のようにアクティブユーザーの数が全体の金額に換算されます。(出典:Slack) スラックでは自社サイト上にて次のように表記しています。 「企業向けソフトウェアの料金プランではほとんどの場合、チームのユーザー数をもとに請求が行われ、ソフトウェアを実際に使用しているユーザー数は考慮されません。しかし、Slack では実際に利用した分のみの料金が請求されるので、Slack を使用していないメンバー分の料金を支払うことはありません。」 (出典:Slack help center) アクティブユーザー課金モデル(Per Active User Pricing)とは|メリット・デメリット・向いているサービス【SaaS価格体系】 SaaSの価格体系の従量課金制のなかで利用されるアクティブユーザー課金モデル(Per Active User Pricing)について紹介します。…… 4. フリーミアム フリーミアムとは、無料プランと有料プランの2つの段階に分類し、運用する価格体系です。顧客は、基本的な機能を無料で利用できますが、機能や容量などを追加して利用する際に課金が必要になります。 フリーミアムを使うことで、顧客は無料でサービスを利用できることから、導入ハードルを大きく下げることが可能です。フリーミアムを正しく運用することで、顧客獲得単価を下げ、大幅な顧客数増加のドライバーにできます。 一方、設計を間違うと、収益化の難易度が格段に上がるため、注意が必要です。また、カスタマイズ性が高く、カスタマーサクセス工数が多くかかるようなサービスでは、採算が合わず、適応は難しくなります。 メリット 顧客獲得が容易 サービス理解が促進されやすい 有料化が必要なタイミングに、やめにくくなっている デメリット 収益化の難易度が高い カスタマイズ性が高いサービスでは、採算が合わない フリーミアムとは?メリット・デメリット・導入企業例【SaaS価格体系】 SaaSの価格体系のうちの1つ、フリーミアムについて、無料トライアルとの違い、メリット・デメリット、事例などを解説します。…… まとめ SaaSの価格体系として、単一価格モデル・複数パッケージ価格・従量課金制・フリーミアムを紹介しました。 価格・プライシングに関してお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。