コンジョイント分析とは|手順・価格分析をするためには
2020/12/29 (更新日:2022/03/15)
2020/12/29 (更新日:2022/03/15)
消費者の購入行動への影響度を商品・サービスの構成要素から得点化するコンジョイント分析について解説します。
コンジョイント分析(Conjoint Analysis)とは、商品・サービスの構成要素(価格・機能・デザインなど)を得点化し、消費者の購入行動への影響度を定量的にあらわす分析手法です。
購入行動への影響度という意味で、得点は「効用値(utility score)」と呼ばれます。効用とは経済学の基本概念で、消費者の財やサービスを消費することで得られる満足感・充足感の度合いのことです。
コンジョイント分析をおこなうことで、顧客があなたの企業の商品・サービスのどこに価値を感じて購入しているかを知れます。顧客価値を定量化することで、商品・サービス改善や価格変更の検討に役に立ちます。
コンジョイント分析は、製品全体の評価から、その内訳としての構成要素の得点を決めます。そのため、コンジョイント分析の手順は次のようなものになります。
1.分析の対象とする商品・サービスの構成要素を特定。(価格・機能・デザインなどを要因、要因の具体的な要素内容は水準といわれています。)
2.要因・水準をもとに、複数の商品・サービスプロファイルを作成。(正しい分析結果を得るためにプロファイルの水準の組み合わせに偏りがないように、実験計画法という手法にもとづき作成。)
3.調査対象者にプロファイルを評価してもらう。
4.データをもとに、構成要素の効用値(utility score)を計算。
5.要素の組み替えによる顧客満足度と市場シェアの予測。
もし、要素を個別に推定してしまうと次のような問題点があげられます。
・要素ごとで購入する機会は現実的ではないため、全体の評価が難しくなる
・測定値の単位とゼロ点が、要素間で同じにならないことがある
・要素が別々に測定されると、予測値を測定する際の相関関係を正確に出せない
よって、コンジョイント分析は、全体評価から要素を得点化しています。
価格と効用(顧客の満足度)の相関関係が、次のグラフの場合、1番右のグラフになった場合、適正価格(消費者が支払いに対して妥当だと思う価格、支払意思額)を知ることができます。
(出典:「君山由良『コンジョイント分析』」)
このようなグラフになる理由としては、安すぎる商品の場合、消費者は製品に欠陥がある、売れ残りのものである、などといった想定をおこない、評価点を下げる場合があります。
一方、コンジョイント分析では、価格以外の要素が、価格に対してどのような影響を与えているかを測定することが目的であるため、価格が下がれば下がるほど購入傾向は高くなるはずです。(上記のグラフの左2つに該当)
そのため、コンジョイント分析では適正価格を測れません。価格と品質を合致して考える人(安すぎる価格である場合、買わない人)と価格と品質を切り離して考える人(他の条件が同じであるならば、安ければ安いほど買う人)が混在させずに分析することは非常に困難になります。
適正価格を調査したい場合は、PSM分析をおこなう必要があります。
コンジョイント分析とは、商品・サービスの構成要素(価格・機能・デザインなど)を、全体評価から個別に得点化し、消費者の購入行動への影響度を定量的にあらわす分析手法です。
コンジョイント分析をおこなうことで、商品・サービスのどの要素に顧客が価値を感じているかを知れます。
価格・プライシングに関してお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。