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略奪的価格設定とは|仕組み・影響・独占禁止法による規制

2020/12/29 (更新日:2021/09/21)

この記事では、市場優位性を確立するために利用される略奪的価格設定とは何か・仕組み・合法性などについて解説します。略奪的価格設定は、独占禁止法に違反する可能性のある価格設定で、健全な市場形成の妨げになるため、実際の利用は推奨しません。

略奪的価格設定とは

略奪的価格設定(Predatory pricing)とは、原価を下回る価格設定にし、他の企業を市場から排除することで不公平な市場優位性を確立し、競合が市場から排除された後に価格を上げ、市場独占を図る価格設定です。

略奪的価格設定を行う企業は初期段階では損失を被りますが、最終的には競合他社を市場から排除できるため、長期間にわたる市場支配力を独占した上で利益を得られます。

略奪的価格設定の仕組み

略奪的価格設定による初期段階での損失をカバーできる企業は、長期的に市場優位性を獲得できるため、経営者や投資家はこの損失を短期的な負担とし、いとわないかもしれません。ただし、ビジネスの将来のキャッシュフローが健全である場合に限ります。

またこの価格戦略では、通常の競争市場が消費者と企業の需給の関係による妥当な価格設定にはなり得ません。

多くの点で略奪的価格設定は、短期的にのみ使用できる反競争的な価格設定と考えられます。

略奪的価格設定は合法か

略奪的価格設定は、独占禁止法の中で禁止されている不当廉売と考えられ、違法になる場合があります。

ただ下関市立大学の佐藤教授の論文、『低価格設定に対する独占禁止法による規制の意義と限界』によると、「不当廉売により弊害のあるケース(略奪的価格設定)とたとえ平均可変費用以下の価格設定でも合理性を伴ったケース(競争的廉価設定)があり、産業組織論の観点からみて、この両者は峻別されなければならないことを指摘する。」とあり、低い価格設定が不当廉売と見なされるか否かで違法性が問われます。

略奪的価格設定が与える影響

略奪的価格設定は、短期的にはプラスの影響をもたらすものの、最終的には市場の状態に深刻な悪影響を及ぼします。

短期的な影響

略奪的価格設定を採用している企業は、初期段階では多くの損失を伴いますが、低価格戦略により市場優位性を得られれば、高い利益を上げられます。

長期的な影響

略奪的価格設定は独占状態を形成した後に、初期損失を補うために価格が急騰する可能性があります。このような状況下では、品質を保つための競争相手がいないため、顧客は低品質・高価格の商品を買わなければいけない状態になり得ます。

まとめ

積極的な市場競争はしばしば、イノベーションを刺激し、高品質の製品を生むことや顧客ニーズに沿った価格で販売できるなどの利点があります。もちろん、競合他社に勝つということはビジネス観点からも重要です。

しかし、略奪的価格設定は、最終的に競合他社を排除し、顧客の選択権を奪った上、独占禁止法で取り締まれる可能性がある危険な価格設定なため、推奨できません。

健全なマーケティング範囲で競合優位性を作る戦略としては、市場参入時に低価格にし、市場シェアを拡大させる価格戦略にはペネトレーションプライシングというものがあります。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。

プライスハック監修

執筆者

高橋 嘉尋

CEO at プライシングスタジオ株式会社

プライシング専門メディア「プライスハック」を監修するなど、プライシングに関する専門知識が豊富。プライシングスタジオの全案件にて、クライアント企業の価格課題分析 及び プライシングのアドバイザリー業務を担当。コンサルティング経験としては、飲食業界のプライシングに関する長期プロジェクトに参画し、売上改善を達成。

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