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2020.12.31(更新日:2023.07.13)

CAC(顧客獲得単価)とは|定義・計算方法・重要な理由

CAC(顧客獲得単価)とは|定義・計算方法・重要な理由
CAC(顧客獲得単価)とは|定義・計算方法・重要な理由
SaaS・サブスク
#SaaS・サブスク
#価格戦略

顧客を獲得する状況を把握するために、CACを知ることは重要です。この記事では、CACの定義・計算方法・改善方法などを紹介します。

CAC(顧客獲得単価)とは

CACとは、Customer Acquisition Costの略で、日本語で顧客獲得単価のことです。
顧客獲得単価とは、1顧客を獲得するために必要な活動の総コストで、マーケティング費用・営業活動費・人件費など全てのコストを含みます。

サブスクリプションモデルのサービスが健全な状態であるためには、CACを意識して、拡大させながらもコストを抑えたサービス展開が必要です。

CAC(顧客獲得単価)の計算式

CACの計算は以下の式で行えます。

CAC(顧客獲得単価)=マーケティング費用・営業費などを含む総コスト÷獲得顧客数

例えば、100の顧客を獲得するのに500,000円を投資したとしたら、CACは5,000円となります。

・CACに含まれるもの

マーケティング費用・営業活動費(人件費・広告費など)

・CACに含めるべきではないもの

CS(カスタマーサクセス)におけるコスト

CSのコストは、営業の一部としてCACに含むとする議論もありますが、LTVの計算に使うCACには含まないとする考えが一般的です。

CAC(顧客獲得単価)が重要な理由

CACが重要な理由としては、次の2点があげられます。

ビジネスの将来性をはかれる

CACはビジネスの将来的な成功を測るために利用される重要な指標です。

サービスが多くの顧客に利用されるようになったとしても、CACが非常に高い場合、利益率が悪く、儲かるビジネスにはなりません。そのため、CACの把握は、企業の将来を考えるにあたり必須です。

LTVとCACの関係

企業は、資金を投資して顧客を獲得します。その際にかかるコストがCACであり、利益としてはマイナスになります。時間が経つとともに課金されて利益は高まっていきます。(紺色の部分)

その後、損益分岐点を迎えてからは、契約期間中である限り利益は積み上がっていきます。(水色の部分)

一般的に、LTV>CAC×3の状態が健全な状態といわれています。

収益回収期間の想定

顧客獲得における費用の回収期間を概算し、黒字化するタイミングを算出できます。

CACの回収期間は次の計算式です。
CACの回収期間=CAC÷顧客1人あたりの月平均単価

CACの回収期間は、短ければ短いほどキャッシュフローがよくなります。

CACを改善するための施策

CACを改善するための施策を4つ紹介します。

顧客獲得のプロセスの改善

顧客獲得に必要な複数の施策を、定量的に管理します。数値をもとに、それぞれを改善していくことで、無駄を省いた顧客獲得が可能になり、CACを下げられます。

価格設定・プライシングの工夫

価格設定・プライシングを工夫することがCACを改善できます。toCのサービスにおける会員登録費用、toB向けサービスにおける導入前のガイダンス費用や導入費用など価格体系を工夫することで、CACの早期回収が可能です。

マーケティング・営業の費用対効果を高める

収益性が証明されている>マーケティング・営業方法に資金を集中させて、安定して結果を出すことで、CACを減らせます。

インバウンドマーケティング

顧客自らが自社の商品・サービスを知ってもらえるような仕組みを作るために、オウンドメディアを利用するなどインバウンドマーケティングがあげらます。インバウンドマーケティングは、ストック型コンテンツとして蓄積されるため、長期的にCACを削減します。

まとめ

CACは1人の顧客を獲得するのにかかる総コストのことです。LTV/CAC比率が比較的高い状態にあると、事業拡大をしてもあまり利益を得られません。そのため、CACを常に見つめて、状況に応じて改善する施策をうつことが重要だと言えるでしょう。

価格・プライシングに関してお悩みの事業者様は、一度プライシングスタジオにお問い合わせください。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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顧客獲得単価とは、1顧客を獲得するために必要な活動の総コストで、マーケティング費用・営業活動費・人件費など全てのコストを含みます。

サブスクリプションモデルのサービスが健全な状態であるためには、CACを意識して、拡大させながらもコストを抑えたサービス展開が必要です。

CAC(顧客獲得単価)の計算式

CACの計算は以下の式で行えます。

CAC(顧客獲得単価)=マーケティング費用・営業費などを含む総コスト÷獲得顧客数

例えば、100の顧客を獲得するのに500,000円を投資したとしたら、CACは5,000円となります。

・CACに含まれるもの

マーケティング費用・営業活動費(人件費・広告費など)

・CACに含めるべきではないもの

CS(カスタマーサクセス)におけるコスト

CSのコストは、営業の一部としてCACに含むとする議論もありますが、LTVの計算に使うCACには含まないとする考えが一般的です。

CAC(顧客獲得単価)が重要な理由

CACが重要な理由としては、次の2点があげられます。

ビジネスの将来性をはかれる

CACはビジネスの将来的な成功を測るために利用される重要な指標です。

サービスが多くの顧客に利用されるようになったとしても、CACが非常に高い場合、利益率が悪く、儲かるビジネスにはなりません。そのため、CACの把握は、企業の将来を考えるにあたり必須です。

LTVとCACの関係

企業は、資金を投資して顧客を獲得します。その際にかかるコストがCACであり、利益としてはマイナスになります。時間が経つとともに課金されて利益は高まっていきます。(紺色の部分)

その後、損益分岐点を迎えてからは、契約期間中である限り利益は積み上がっていきます。(水色の部分)

一般的に、LTV>CAC×3の状態が健全な状態といわれています。

収益回収期間の想定

顧客獲得における費用の回収期間を概算し、黒字化するタイミングを算出できます。

CACの回収期間は次の計算式です。
CACの回収期間=CAC÷顧客1人あたりの月平均単価

CACの回収期間は、短ければ短いほどキャッシュフローがよくなります。

CACを改善するための施策

CACを改善するための施策を4つ紹介します。

顧客獲得のプロセスの改善

顧客獲得に必要な複数の施策を、定量的に管理します。数値をもとに、それぞれを改善していくことで、無駄を省いた顧客獲得が可能になり、CACを下げられます。

価格設定・プライシングの工夫

価格設定・プライシングを工夫することがCACを改善できます。toCのサービスにおける会員登録費用、toB向けサービスにおける導入前のガイダンス費用や導入費用など価格体系を工夫することで、CACの早期回収が可能です。

マーケティング・営業の費用対効果を高める

収益性が証明されている>マーケティング・営業方法に資金を集中させて、安定して結果を出すことで、CACを減らせます。

インバウンドマーケティング

顧客自らが自社の商品・サービスを知ってもらえるような仕組みを作るために、オウンドメディアを利用するなどインバウンドマーケティングがあげらます。インバウンドマーケティングは、ストック型コンテンツとして蓄積されるため、長期的にCACを削減します。

まとめ

CACは1人の顧客を獲得するのにかかる総コストのことです。LTV/CAC比率が比較的高い状態にあると、事業拡大をしてもあまり利益を得られません。そのため、CACを常に見つめて、状況に応じて改善する施策をうつことが重要だと言えるでしょう。

価格・プライシングに関してお悩みの事業者様は、一度プライシングスタジオにお問い合わせください。

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Yoshihiro Takahashi

高橋 嘉尋

プライシングスタジオ株式会社

代表取締役CEO

プライシングスタジオ株式会社代表取締役 CEO。2019年、慶應義塾大学総合政策学部在学中に価格1%が企業の営業利益を約20%の改善につながるということを知り、その影響力に魅力を感じ、当社を設立。プライシングスタジオは設立以来、30以上の業界、100以上のサービスの値付けを支援している。著書に「値決めの教科書 勘と経験に頼らないプライシングの新常識」(日経BP)。「日経トップリーダー・ビジネス」にて「値決めの科学」、「ダイヤモンドオンライン」にて「価格戦略のプロが見た「あの値付け」」を連載中。「日経COMEMO」キーオピニオンリーダー。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、ABEMA「ABEMA Prime」、NewsPicks「メイクマネー」など多数メディアに出演。2023年Forbesによる「アジアを代表する30才未満の30人」に部門で選出される。

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